愛知県立芸術大学 大学案内2017-2018
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003学長からのメッセージMessage from the President 愛知県立芸術大学は、愛知県を中心とする中部地方の産業経済が著しい躍進を遂げているのに対応して、東西の中間に特色ある文化圏を築き、地方文化の向上発展に寄与する目的で、1966年に開学しました。本学が、名古屋市郊外の長久手の丘陵という人家の見えない自然の中に建てられたことからは、芸術の孤高とその教育における純粋性を理想としたことがうかがえ、“芸術家集団”が活動を行うにふさわしい拠点となりました。 芸術は「個」を基本としており、芸術に対する崇敬はまた、個に対する尊敬でもあります。本学では開学以来、個人指導を含む“少人数教育”を教育の基本としています。学生数は美術学部と音楽学部を合わせても1,000人に満たないのに対し、教員数は専任教員が80余名、さらに多数の非常勤講師が在籍しています。このような環境の中で、学生ひとりひとりの個性を生かし、高度な芸術性を目指す教育を実現するとともに「国際的に開かれた芸術文化の核となる」という大学の理念に基づき、海外の芸術大学と交流協定を結んだり、アーティスト・イン・レジデンス事業において積極的に海外のアーティストを招致するといった国際交流事業を積極的に展開しています。 このような環境によって、本学では芸術家、研究者、教育者など芸術文化にたずさわる多くの優れた人材を輩出してきました。その活躍は国内に限らず、海外に拠点を置き、国際的に活躍する学生も大勢います。また、本学は地域や社会に向けても積極的に活動を行っています。毎年12月に行われるオペラ公演は、美術学部と音楽学部を併せ持つ芸術大学の特質を生かしている代表的なものの1つです。本学のオペラ公演は、美術学部が創り上げる舞台に、音楽学部の学生が参加するもので、音楽的にも視覚的にも本学の魅力を存分に楽しむことのできる舞台として年々充実しております。 長年にわたり、地元の地域や社会を中心に、芸術文化の発展に尽力してきた本学は、昨年度、創立50周年を迎えました。これまで、創造と保存、この両輪が備わる理想的な大学を目指し、様々な取組みに挑戦してきた我々ですが、その集大成として、5月の記念式典に始まり、9月にはオペラ公演や美術学部の記念展示等、様々なイベントを実施し、県民の皆様や全国の芸術愛好家など、数多くの方々にご来場賜り、大成功に終わりました。 現在更なる教育研究環境の充実のため、平成31年度からの供用開始に向け、新デザイン棟の建設を行っていますが、今後とも新たな価値を加えながら、これからの大学の永い歴史をつくる一歩を踏み出すべく、これからも個性ある大学づくりを進めてまいります。愛知県立芸術大学 学長松村 公嗣

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