愛知県立芸術大学 大学案内2019-2020
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043伊藤 円 富山県出身。2011年度卒業。卒業論文「レベッカ・クラーク研究―その生涯とヴィオラソナタを中心に」。2012年に渡独し、ライプツィヒ・メンデルスゾーン音楽演劇大学指揮・伴奏科(歌曲解釈専攻)修士課程を修了後、同専攻マイスター課程を満場一致の最高点で修了。同大学ピアノ科室内楽専攻でも研鑽を積む。2017年よりドレスデン音楽大学声楽科講師(コレペティトール)として主にリートクラスを担当すると同時に、現在はライプツィヒ音楽演劇大学器楽科講師としても後進の指導にあたっている。アレクサンダー・シュマルツ、ジャック・アモン、カスパー・フランツの各氏に師事。「県芸在学中は音楽学の講義に加え、特殊研究や大学院オペラ、複合芸術の授業など様々な学科の授業に参加させて頂きました。その経験が今の音楽活動にも繋がっており、音楽を多角的に捉える上での基盤となっています。」佐藤 さくら 宮城県仙台市出身。2015年度卒業。卒業論文「フィギュア・スケート競技に用いられる音楽――プログラムに用いられた楽曲の分析とその比較」。日本音楽学会全国大会(2016年)のパネルディスカッション「スポーツと音楽」にパネラーとして参加。 現在、浜松市楽器博物館勤務。「楽器博物館の学芸係として展示物の管理や資料整理、来館者へのデモンストレーションといった日々の業務の他に、コンサートやワークショップの実施、近隣小学校へのアウトリーチ活動など、幅広く様々な仕事を行っています。」石川 実希 愛知県名古屋市出身。2015年度卒業。卒業論文「アドルフ・アダンのバレエ《ジゼル》(1841)研究――楽曲分析を中心とした音楽についての考察」。 現在、名古屋市立の中学校で音楽科の教員として勤務している。また、合唱部の顧問としての活動にも力を入れている。「地元名古屋で、子どもたちの成長や、音楽の発展のために頑張ることができる毎日はとても充実していて、素敵なお仕事だなと感じています。」卒業後の進路[就職等] 浜松市楽器博物館、北九州市芸術文化振興財団音楽事業課、豊田市文化振興財団、愛知県文化振興事業団、長久手市文化の家、愛知室内オーケストラ事務局、しらかわホール、ヤマハ音楽振興会、新国立劇場運営財団、豊橋市役所、トヨタ紡織、秀英予備校 等[教 員] ノース・カロライナ大学グリーンスボロ校、愛知県立芸術大学(非常勤講師)、名古屋大学(非常勤講師)、名古屋市立の中学校および高等学校、愛知県の私立高校、東京都立特別支援学校 等[進 学] 愛知県立芸術大学大学院、国内外の大学院 等[留学等] フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ音楽演劇大学ライプツィヒ、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校、コロンビア大学大学院、イーストマン音楽院大学院、ロンドン大学大学院、モンペリエ大学大学院、プラハ音楽院、オスロ大学大学院活躍する卒業生七條 めぐみ 愛知県知多郡出身。2009年度、愛知県立芸術大学音楽学部ピアノ専攻卒業。2011年度、同大学院音楽学領域修了。修士論文「ゲオルグ・ムッファトの《音楽の花束》に見られる様式の混合」。2016年度、愛知県立芸術大学とパリ=ソルボンヌ大学とのコチュテル(博士論文共同指導)の制度に基づき、両大学から博士号を取得。博士論文「アムステダムにおけるリュリのオペラの組曲版 ― 楽譜出版者エティエンヌ・ロジェ(1665/66-1722)に関する歴史、文献、音楽面からの研究/Les suites instrumentales issues des opéras de Lully publiées à Amsterdam: études historique, philologique et musicale sur l'éditeur Estienne Roger (1665/66-1722)」。 2012年の夏、パリ=ソルボンヌ大学のマルク・バティエ先生が愛知芸大にお越しになった際、言いました。「私たちの間には学術協定があるから、コチュテルができて二つの学位が取れますよ。やってみますか?」私は何のことかよく分からないまま、ただ「留学ができる!」という思いだけで「Oui(はい)」と答えていました。それが、すべての始まり…。「コチュテル(博士論文共同指導)」とは、二つの大学に在籍しながら博士論文を仕上げるダブルディグリー・プログラムで、一つの論文で二つの博士号を取得することができます。ただしその分、二つの言語で論文を書かねばならなかったり、両大学の審査規定を満たさなければならなかったりと、大変な面も多々あります。さらに、論文を完成させるための資料調査や分析、考察音楽学コースウェブサイトに、七條めぐみさんの「留学報告」および、次の5名の「卒業生インタビュー」が掲載されています。籾山陽子さん 2013年 博士後期課程(音楽学)修了松宮圭太さん 2004年 作曲専攻音楽学コース卒業大野悠子さん 2009年 修士課程(音楽学領域)修了大西たまきさん 1997年 修士課程(音楽学)修了)大戸薫さん 2002年 修士課程(音楽学)修了2017年1月24日、本学で行われたコチュテルの学位審査を終えて。(左から)ラッシュ名誉教授(オランダ、ユトレヒト大学)、ルグラン教授(フランス、ソルボンヌ大学)、七條めぐみさん、井上教授、石井明教授(慶應義塾大学)、樋口隆一名誉教授(明治学院大学)の難しさも相まって、博士後期課程入学から学位取得までは5年の月日を要しました。途中、何度かコチュテルや博士論文そのものをあきらめてしまおうかと思ったこともありますが、指導教授の井上さつき先生、ラファエル・ルグラン先生をはじめとする様々な方の励ましやお叱りのおかげで、目標を達成することができました。 2017年1月24日に愛知芸大で行われた学位審査会には、日本側の審査員の他にフランス、オランダから審査員が来日され、アカデミックかつ暖かい雰囲気の中で行われました。この経験を生かして、引き続き広い視野で研究を進めていくと同時に、コチュテルのようなダブルディグリー・プログラムがもっと浸透するよう尽力したいと思います。

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