秋田県立大学広報誌 イスナ VOL.28
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特集内定先は、環境放射能や放射線の分析や調査、研究を行う国内で唯一の公益財団法人です。志望動機は、福島の原発事故等の環境や食品への調査に直接関わることができることや高度な分析スキルを持っている点です。また、安定同位体分析も実施しており、大学時代に学んだ技術を生かせる点にも非常に魅力を感じました。研究を行う中で、実際に現地に行って調査する機会も多く、秋田県の農家さんや役場の方々にたくさんお世話になりました。その中で、私自身も農業に携わる方々と一緒に働き、少しでも力になりたいと思うようになり、秋田県庁を志望しました。Q1 学部・大学院での研究は、どんな研究に取り組みましたか?日本で唯一稼働している液体クロマトグラフ/安定同位体比質量分析計(LC/IRMS)を改良し、その装置を用いて食品の異同識別の研究を行いました。学部時代は、116種類のはちみつを世界中から収集し、違法な添加糖の疑いがあるはちみつを識別することが出来ました。また、修士課程では、秋田の名産である日本酒の異同識別にも世界で初めて挑戦し、国内で初めてアルコール・糖類の添加識別基準を確立し、純米酒と吟醸酒、普通酒の識別に成功することができました。日本酒の研究では、読売新聞にもインタビューされ、掲載して頂きました。Q2 6年間で印象に残っていること、エピソードは?修士1年に経験したイタリア・ドイツの旅です。イタリアの北部のトレントにて開催された国際鑑識同位体学会に参加しました。初めての海外で、また初めての英語での発表であり、前日の夜中まで先生と一緒に発表練習しました。非常に緊張しましたが、はちみつの同位体研究の第一人者の研究者にも、英語で何とか議論することが出来ました。発表後には、地元で有名なイタリアンにてお疲れ会をしました(本場のピッツァ、最高でした)。その後、ドイツに渡り、同位体関係の世界的な研究室に訪問し、新たな課題ややるべき研究が見えてきて、さらに研究のモチベーションにもつながり、かけがえのない思い出になりました。Q3 県立大の良いところは?研究室配属前から研究活動を始め、興味のある研究に集中し、とことんのめり込めることが出来る点です。私は、6年間研究室に在籍しましたが、国内外での学会発表や論文執筆等の非常に貴重な経験をすることが出来ました。分析装置は世界的にも最先端なもので、かつ高額なものですが、少人数教育なため、自由に使用することが出来ました。また、県立大は、秋田県内でも名前が通っており、多くの地元の企業からも好意的に研究に協力して頂くことが出来ました。年間通して、四季を感じることが出来、様々な季節の食べ物(山菜、フルーツ、ハタハタなど)があるところも素晴らしい点です。Q4 今後の目標・将来の夢は?就職後は、大学時代で学んだことを活かし、さらなる分野にも挑戦し、勉強しながら一流の技術力を身に着けたいと思います。また、数年後には博士号の取得にもチャレンジしたいと考えております。Q1 学部・大学院での研究は、どんな研究に取り組みましたか?ダイズのセシウム(Cs)吸収機構を調べる研究を行いました。東日本大震災により福島第一原子力発電所で事故が引き起こされ、農業分野では放射性Csの土壌汚染、農作物の放射能汚染が問題となっています。特にダイズはCs吸収量が多い作物として報告されており、吸収メカニズムの解明や吸収低減が求められています。このような背景から、ダイズの変異体を用いてその解明に向けて実験を進めました。Q2 6年間で印象に残っていること、エピソードは?大学祭実行委員会に所属し、「サツマイモとカボチャの収穫体験」を新たに企画、大学構内で栽培したことです。栽培途中でネズミが大発生し食害を受けるなど衝撃的なこともありましたが、実行委員一致団結し、地域の方々に笑顔で収穫していただきました。 Q3 県立大の良いところは?1・2年生から本格的な研究ができる学生自主研究や圃場実習など、学生主体で色々な経験ができることです。自分たちで一から考えて最後までやり遂げる過程は大変だからこそ貴重で濃密な時間でした。親身になって相談に乗ってくれた先生やサポートしてくれた職員に感謝の気持ちで一杯です!!Q4 今後の目標・将来の夢は?まだまだ未熟ではありますが、県職員として働く中で新しく出会う方々から、多くの事を学び吸収し、いつか農業に携わる方々に寄り添い、信頼される人になれるよう、一生懸命頑張ります。須藤 百香さん Momoka Suto山形県/寒河江高校河端 美玖さん Miku kawabata青森県/八戸西高校卒業生・修了生インタビュー公益財団法人 日本分析センター秋田県庁【農学(一般)】須M山校経営システム工学専攻生物資源科学専攻就職内定先就職内定先07

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