福井県立大学 CAMPUS GUIDE 2024
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海洋生物資源学部先端増養殖科学科はまぐち まさ みとみ なが おさむすえ たけ ひろあきおくざわ こういちにしつじ こう きと け し つとむ濵口 昌巳教授マガキなどの二枚貝類は、海水中で発生する植物プランクトンなどを■として利用できるため、環境にやさしい無給■での養殖が可能です。加えて、マガキなどは天然海域で発生する幼生を採取して養殖することが出来るので、福井県の海洋環境を最大限に活用した地域完結型の生産が可能です。昨夏、小浜湾で採取したマガキ種苗は成長が早く、約7か月で出荷サイズに到達しており、新たなブランド化(仮称:若狭桜かき)を目指しています。富永 修特命教授魚類養殖では、飼料代が経費全体の約6割を占めています。そのため、過剰な給■は、環境汚染を引き起こすだけでなく、飼料経費の増大にもつながります。私たちは、食べ残しの■の量を継続的にモニタリングすることで、食欲の時間変化を計測する手法の開発に取り組みました。現在、この技術を活用して、低コストで計画的に魚を養成する給■ナビゲーションシステムの開発を目指しています。末武 弘章教授養殖業は世界的な成長産業です。同時に、魚病の発生も拡大しています。また、新たな養殖魚種へのニーズも増えていますが、それに伴い新しい病気も現れてきています。病原体と魚介類の両方を理解し、その相互作用として魚病をとらえ、その対策を考えていきます。奥澤 公一教授この分野では生物の姿形、色や大きい・小さいなど様々な性質を決定している遺伝情報(ゲノム)を利用して、水産物の育種に関する研究を進めます。人にとって望ましい、成長が良い、病気に強いといった性質を持つ魚介類をどうしたら効率よくつくれるかを考えます。性質を決める遺伝子の研究などにも取り組みます。西■ 光希准教授「海藻の花」を見たことがありますか?そうなんです、植物ではない海藻では、花が咲きません。人為的な交雑は難しく、海藻の品種改良は極めて困難です。けれども気候変動の影響もあり海藻生産量は世界的に減少していて、新たな品種が求められています。このような問題をゲノムや遺伝子という観点から、次世代シーケンサーを用いた生命情報科学で解決し、新たな海藻品種の作出を目指しています。渡慶次 力准教授私たちは、とにかく現場に行き、漁業者等との意見交換を通して水産現場の課題を見つけ、関係者と一緒に取り組みながら、情報科学を駆使して課題を解決していきます。そのため、レーダーで海の流れを計測、ズワイガニ資源量の推定、養殖魚のブランド化など、他大学、国や地方公共団体、民間企業と協働しながら、情報科学を切り口に色々な研究を行っています。た はら だいすけ さ とうしゅういちたきざわ ふみ およしうら やすとし や すぎ まさ きひがしむら れい こ田原 大輔教授多くの養殖ではその種苗を天然で捕獲した稚魚に依存していますが、天然資源は不安定かつ減少傾向にあります。そのため、人工的に種苗を生産することができれば、安定かつ周年的に養殖を営むことが可能になります。福井県特産種のアラレガコ(カマキリ)を中心に魚類の効率的な種苗生産技術の開発に取り組んでいます。また、放流に頼らない増殖方法に関する研究も進めていきます。佐藤 秀一教授現在、世界の水産養殖業は目覚ましい発展を遂げております。今までは、水生動物に魚由来の原料で作った飼料を与えていましたが、水産養殖の発展に伴い原料の供給が難しくなってきました。そこで、魚を使わない飼料、すなわち植物性原料でつくる飼料の開発を行い、ベジタリアン養殖魚の創生を目指しています。瀧澤 文雄准教授養殖魚の感染症対策として免疫系を活性化させるワクチン接種が行われていますが、ワクチンがどのように魚に効いているのか不明な点が多いです。私たちはどうやって魚の免疫細胞がワクチンによって活性化して病原体を撃退しているか調べ、魚の免疫系の特徴を理解することにより、養殖魚を感染症から守ることを目指しています。吉浦 康寿教授農作物や家畜では1万年以上の歴史があり、私たちの生活を豊かにする様々な品種があります。一方、魚類養殖はわずか50年のため、品種改良が遅れています。ゲノム編集などの新しい品種改良技術を魚介類に導入し、育種をスピード化することで安くて美味しい水産物を届けることを目指しています。八杉 公基准教授養殖水槽を泳ぐ魚の成長や健康状態を調べるためには、魚を水から出して計測するのが一般的です。しかしこの方法では、計測をすることで魚が弱ってしまう可能性がありますし、そのためにかかる労力も決して少なくありません。画像処理やAIを利用することで、水槽内を撮影した動画像から魚を検出して、魚の成長の様子や健康状態をモニタリングできる手法の開発に取り組んでいます。東村 玲子准教授世界各地の水産業の現場を見て歩いています。カナダ、アラスカ州、インドネシア、ミャンマーなどで漁業と水産加工業の調査をしています。写真は、カナダで1週間毎日漁船に乗船させてもらった後で「もう乗組員として合格だな!」と言ってもらった写真です。37先端育成科学分野無給■養殖学先端育成科学分野養魚育成管理学ゲノム応用科学分野魚病学ゲノム応用科学分野水産育種学情報・社会科学分野生命情報科学情報・社会科学分野水産情報解析学先端育成科学分野魚類種苗生産学先端育成科学分野飼料栄養学ゲノム応用科学分野免疫学ゲノム応用科学分野生物工学情報・社会科学分野情報数理工学情報・社会科学分野養殖ビジネス学PICK UP CLASS

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