群馬大学大学院 教育学研究科案内 2018
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9群馬大学大学院教育学研究科修士課程障害児教育修士論文● 障害児のきょうだいがうける影響● 知的障害のある子どもとの課題学習状況の展開に関する教育実践研究● ろう者の当事者性の発揮に関する一研究 −手話言語条例の成立過程における相互達成に着目して−● 発達障害児における活動内容の目標設定に関する条件の検討● イギリスの特別なニーズ教育におけるPscalesについての考察 専任教員の研究・教育の概要霜田 浩信【障害児心理学】知的障害児および発達障害児における発達支援方法に関する研究を大きなテーマとしています。個人と環境の相互作用として「行動」を捉え、問題の解決を個人のみに求めるのではなく、環境との相互作用の中で改善しようとする視点によって支援方法の検討を行います。また、知的障害児や発達障害児に対する知的機能、認知・行動特性を適切にアセスメントし、支援計画を立案するとともに適切な支援を実施できる教員を養成することを目指します。任  龍在【障害児心理学】木村 素子【障害児教育学】中村 保和【重複障害教育学】教師教育の観点から、肢体不自由児の指導に携わる教師の専門性及び職能成長、肢体不自由児とその家族の障害受容に関する研究を行っています。また、在日外国人、在外日本人、そして開発途上国の子どもへの教育及び支援等についても、特別支援教育をベースとして国際共同研究を推進しています。教育においては、肢体不自由児や重複障害児のニーズを的確に把握することができるよう、実態把握の中でも、特に「行動観察」に関する専門性向上に力を入れるとともに、多文化共生社会を担っていく人材としてグローバルマインドを有する教員の養成を目指しています。20世紀転換期米国通学制聾学校史の研究を通して、社会は障害者をどのように捉え、どのような目的・方法で障害者を教育しようとしてきたのか、それは私たちの生きる社会にどのような示唆を与えるのかを考えています。授業では、障害児教育の原理、インクルーシブ教育、知的障害児の教育課程と授業作り等のテーマを扱いますが、良質な論文や原典資料等を適切に選び丁寧に検討することができるようになることを重視して指導し、変化のある時代においてもその教育の本質を捉え実践にあたれる教育学的視点と学び研究し続けることのできる研究能力をもった特別支援学校教員の養成を目指しています。重度・重複障害の子どもとの教育的係わり合いに関する研究に取り組んでいます。特に、視覚や聴覚などの感覚障害に他の障害をあわせ有する重複障害の子どもを中心に、コミュニケーション及びインタラクション、探索行動をテーマとする種々の実践研究(アクション・リサーチ)を行っています。院生となるみなさんには、実際にこうした障害の重い子どもに働きかけ、自身の働きかけを記録して振り返り、そこから新たな働きかけを模索して実行することを循環させる「実践的力量」を高めるための実践場面を提供します。実践を通して子どもの行動の捉え方や授業作りの工夫に関する知識を習得し、特に、重度・重複障害の子どもに働きかけることのできる「実践力のある教師」を目指します。金澤 貴之【障害児教育学】吉野 浩之【障害児病理学】聴覚障害児への手話を用いた指導法や、聴覚障害児者への情報保障に関する社会学的な研究を主なテーマとしており、その中で、当事者の主張がどのように取り扱われているのかを切り口に分析をしています。教育においては、聾学校の教壇に立って各教科等の授業ができるよう、手話を含む適切なコミュニケーション方法を身につけ、聴覚障害の認知特性に応じた授業展開や教材提示の工夫等ができる教員を養成することを目指します。障害を持つ子どもの生活の質(QOL)向上のために、医学的・社会的に支援するシステムづくりを目指した研究をしています。小児在宅医療の推進、教育・福祉・医療の多職種による専門職連携、栄養療法、医療的ケアなどを主なテーマにしています。授業では、障害児の生理学・病理学・解剖学などを基礎に、教育はもちろん、福祉の視点を含め、教員にとって必要な知識や考え方、社会との連携の実例、学校における医療的ケアの実践的事例などを、教育の目線から学びます。

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