群馬大学大学院 教育学研究科案内 2018
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16 専任教員の研究・教育の概要 ますます緊密化する国際社会で英語教育の果たすべき任務は極めて重くなっています。本領域では、英語科教育及び英語学・英米文学に係る専門知識を一層深め、英語教育における理論と実践において指導的な役割が発揮できる人材の育成を図ります。英語領域修士論文● A Study on Processing Load of Dierent Types of Verbs in Reading● The Eect of Comprehensible Input in the Team-Taught EFL Classroom● The Eect of Output Practice on the Enhancement of Productive Vocabulary Acquisition上原 景子【英語科教育】レイモンド・フーゲンブーム【英語科教育】渡部 孝子【英語科教育】柴田知薫子【英語学・音韻論】山田 敏幸【英語学・統語論】宮本  文【アメリカ文学】金田 仁秀【イギリス文学】言語の理解・生産・習得の理論を柱に、英語教育全般(小中高の授業実践と評価、言語活動、TT、教材開発)、英語教育改革に向けた小中高の円滑な接続、聴覚障害学生の英語学習支援方法の開発について研究しています。また、第二言語習得理論に基づき、心理言語学的観点での実験調査を核とした研究もしています。授業は全て英語で行い、言語の理解・生産・習得のメカニズムに関わる世界の先行研究を学び、実践への応用を考えます。My research focuses on the development of L2 English uency in listening, speaking, reading, and writing. This involves creation and promotion of program and activities that increase learners' comfort and automaticity within the entire range of learner prociency levels. In courses, students present and lead discussions on assigned texts on L2 teaching approaches, methodologies, and classroom procedures.英語教育について、フィンランド、韓国、英国の外国語教育との比較教育的なアプローチを用いながら、グローバル人材育成を踏まえた英語科カリキュラムの研究を行っています。現在の主な研究テーマは、グローバル人材の育成のための言語教育のあり方です。授業では、政策としてのグローバル人材育成と英語教育の視点から小学校英語教育、ジェンダー、多文化共生などのテーマを主として検討します。子どもが言語を獲得する過程には、言語変異(language variation)や言語変化(language change)との並行性が観察されます。耳から入った言語の音声は電気信号に変換されて脳に伝達されますが、蓄積された音声言語が100%の正確さで出力されることはないため、その微妙な差異が言語変異を生み、言語変化へとつながるからです。英語に限らず、自然言語という大きな宇宙を時空を超えて旅することを目標としています。英語と日本語の非文を主な題材とし、生成文法理論の枠組みで、人間言語を最小の道具立てで原理的に説明できるか理論的・実証的に研究しています。授業では、生成文法の基礎概念を理解した上で、技術的詳細を修得できます。修士論文研究では、修得した知識・技能をいかし、主に統語論・意味論の諸問題に対して新たな貢献ができるよう、理論言語学、実験言語学の立場から指導します。最終的に、理論的考察を基に、英語教育実践のヒントが得られるはずです。主に20世紀以降のアメリカ文学を研究しています。授業では、文学作品やその批評を通して他人の意見を踏まえた議論をする方法を学び、考える力を涵養することを目標としています。また、より多様な英文テクストに触れることによって、上記に加えて異文化理解と英語力の向上という側面からも英語を教えるのに必要な応用力を鍛えることを目指しています。主に19世紀後半から現代のイギリスにおけるレズビアン・ゲイ・バイセクシュアルに纏わる性の言説を研究しています。授業では、特に19世紀後半のイギリスにおける、これらと関係する文学作品、論考、エッセイ、回想など、多様な文献を取り上げ、ジェンダーとセクシュアリティについて多角的な視点から読み解く能力を養い、現代における性の問題を分析、考察する礎を築きます。田中 一嘉【言語文化・ドイツ語学】三原 智子【国際文化・フランス文学】ドイツ語の法助動詞等の語用論的な振舞いと、日本におけるドイツ語の初級教育の在り方を研究しています。授業では、ドイツ語学を通じて、英語学では出会う機会の少ない言語研究のトピックやアプローチを紹介し、日・独・英の各言語を比較対照をしながら、言語研究の様々な側面を学びます。また、義務教育における英語教育と、大学専門外教育におけるドイツ語初級教育の比較対照も行い、日本における初級外国語教育の在り方を問い直します。19世紀フランス文学を研究対象とし、現在はその中でも特に、ギュスターヴ・フローベールの作品を研究しています。主たる研究テーマは、フローベール作品における時間概念の生成です。授業では、フランスにおいて影響力をもつ批評家の作品(日本語)を読み、異なる視点に立つことを学びます。また、フランスの文学作品(英訳)を読み、そこに描かれる法律・教育制度・宗教などについて、日本のものと比較検討します。

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