群馬大学大学院 教育学研究科案内 2018
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17群馬大学大学院教育学研究科修士課程自然・情報コース ……………………………………………………………………… 代数学、幾何学、解析学及び応用数学の教育・研究を深めるとともに、数学教育学に関する理論的・実践的研究を行います。 また、その専門的な研究成果を生かし、教育・研究において中心的・指導的役割を果たすことのできる能力と人材を養成します。数学領域修士論文● 高等学校数学における理解を深めるための数学的コミュニケーションに関する研究● 高等学校数学授業における知識の協同構成の研究● C*-ALGEBRAS OF GRAPHS 専任教員の研究・教育の概要江森 英世【数学科教育】石井 基裕【代数学】山本 亮介【幾何学】伊藤  隆【解析学及び応用数学(関数解析学)】照屋  保【解析学】専門は数学的コミュニケーション論。数学学習におけるコミュニケーション連鎖の認知論的な分析と考察を通して、新しいアイデアが他者との協働的な思考によって創発される認知メカニズムの解明に取り組んでいます。大学院では、「三人寄れば文殊の知恵」はいかにして成立するのかという問題について考察を深めることにより、数学教育におけるアクティブ・ラーニングについて理論的かつ実践的に語れる能力を育成します。アフィン・リー環などの無限次元リー環に付随する量子群の表現論や関連する組合せ論的幾何学的構造を研究しています。大学院の講義では、小中学校の算数・数学の教材開発への応用を念頭に置き、初等的に取り扱うことが出来る様々な組合せ論的構造やそれらの背後にある代数的構造を学びます。低次元トポロジー、中でも3次元多様体の特徴付けに関する研究を行っています。主に有向閉3次元多様体が必ず持つ「オープンブック構造」に注目し、そこから3次元多様体の位相的性質を読み取る方法を探求しています。授業では、小中学校の算数・数学における図形分野、すなわち初等幾何学を現代幾何学の視点から再認識するための考察や議論を行ないます。ヒルベルト空間上の作用素環の解析的構造及び代数的構造の研究が中心テーマですが、特に、作用素空間のテンソル積に入るクロスノルム及び双対空間を考察することにより関数解析の量子化の研究を進めています。授業では、小中学校で算数、数学の学習のあらゆる場面で登場する「円周率」を検討対象とします。円周率の解析的側面だけでなく幾何的側面や代数的側面も、歴史的な発展段階を踏まえつつ検討します。作用素環と呼ばれるヒルベルト空間上の作用素の作る(非可換無限次元)環の研究をしています。特に、作用素環とその部分環の関係を調べる指数理論を中心に研究を行っています。大学院では数学の高度な知識を身につけることによって自分で文献や資料を調べて最新の研究動向について情報を得ることができるようになり、それを数学の教員として学校現場で活用できるようになることを目標に指導します。

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