群馬大学大学院 教育学研究科案内 2018
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21群馬大学大学院教育学研究科修士課程 科学技術の進展にともない複雑化する生活の諸問題についてを、食物学、被服学、住居学、保育学及び家庭経営学の立場から分析し、研究します。特に、人間と環境の相互関係を各領域を超えた総合的視点でとらえていきます。また、家族や家庭生活の在り方が問い直されている現在、家庭、学校及び社会における生活文化の方向を探る中で、家庭科教育の展開と実践上の諸課題を追求します。家政領域修士論文● 家庭科における自己理解に関する学習プログラムの構想● 地域社会と親の養育態度が小学生の社会的スキルに与える影響● 被服製作学者の現状と課題 専任教員の研究・教育の概要生活・体育コース ………………………………………………………………………上里 京子【家庭科教育学】小林 陽子【家庭科教育学】西薗 大実【食物学】田中 麻里【住居学】前田亜紀子【被服学】家庭科教育学を専門とし、日本と外国の家政・生活教育思想史や、カリキュラム比較と開発研究を行っています。最近は特に、科学的系統性重視のカリキュラムを特徴とするフランスの生活科学教育との比較を通して、日本の家庭科教育の認識論やカリキュラム開発を進めています。大学院での学びにおいても、日・仏・米の家庭科教育の現状と課題をリアルに分析し、課題解決の方策についてカリキュラムと授業開発を通して検討しています。家庭科教育学や家政学の成立、変遷に関する史的研究を行ってきました。家庭科教育はジェンダード・サブジェクトとしての歴史をもつため、ジェンダーについても関心があります。近年は、家庭科教育実践や家庭科教員養成にも関心を寄せています。授業では、戦後家庭科のあゆみを「女子用教科」から「男女共修」へ、そして、現在の課題である「男女共教」について、カリキュラムとともに検討します。食物の生産・流通とその環境負荷が中心的な研究分野です。主な研究テーマは、食品のコールドチェーン(低温流通)の冷媒管理のあり方についてです。授業では小中学校家庭科の食物分野と消費・環境分野の学習に視点を合わせ、海外を含む遠隔地で生産された食物の利用が増大する現代における、食教育全般に視野を広げて検討します。私たちが生活している空間を対象とした研究とデザインワークを行っています。アジアをフィールドとした伝統的住空間の変容や防災教育について研究を進めています。授業では、小中学校家庭科の住居分野で重要となる住まいの地域性や室内環境の快適性、減災の知恵について学びを深め、地域の特性を理解するための学びのあり方についても検討します。人体−衣服−環境をひとつの系として捉える衣環境学、被服衛生学の研究を行ってきました。被服には身体を保護する役割と機能があります。一方で文化や慣習の下では、着心地や快適性よりも、心理的側面が優先されることもあります。両者の関係性を多面的に追及します。授業では衣服が繊維から作られ、購入、管理、消費のサイクルを通じて、環境まで考えることができる、包括的な衣生活の力を身につけることを目標にしています。

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