群馬大学大学院 教育学研究科案内 2018
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26 教職大学院進学の道を選択するにあたり、十人十色の背景があると思われます。私は、教職18年目に小・中学校の勤務が同年数になるのを機に、教職経験をふり返りました。また、6年担任が決まった時、児童を送り出すと共に自らも学校現場を離れて学ぶ機会に恵まれたらという漠然とした願望を描いていました。不思議なもので、未来予想図を構想すると物事のとらえ方が変わり、学びたい意欲が未来を引き寄せ、春には群大の桜を眺めておりました。 講義や実習を通して、様々な年齢・経験の仲間が共に学んだ1年次。院生室には小規模校の職員室のような雰囲気があり、時に授業づくりのために議論し、時に各校の現場事情に共感や発見があり、ストマスからは瑞々しい感覚にふれる機会をもらう居心地の良い空間でした。入学前には特定の専門性を究める教科修士課程等も考えましたが、学校現場における諸問題を多面的にとらえて理論と実践を結びつける教育学を学べる教職大学院は大変魅力的でした。児童生徒支援コースでは、エキスパートによる研究に基づいた学習支援・児童理解について学ぶことができ、実践を見直すきっかけをいただきました。かつての経験から対処してきた実践から、学んだことを試行する実践へと向かう2年次。想像以上に多忙を極めましたが、それと引き替えに得たものは大きく充実していました。 1年次に育んだ絆で仲間とつながり、励まし合いながら日々修行。同期生がたんぽぽの綿毛のように散り、それぞれの地で根を張り、実践を通して花を咲かせ、子ども達のために実を結ぶ。私の実践は特段変わり映えなく立派なものではありませんが、支援コースで学べたことによる基本姿勢が「指導」から「支援」への意識にシフトしたことは大きな変化かもしれません。先輩からのメッセージ平成26年度入学石田  睦(前橋市立第六中学校:児童生徒支援コース) 私は他県の大学に進学していたため、群馬の学校現場についてよく知らないまま教員になることを不安に思っていました。また自分の専門教科だけでなく、他の教科の指導法についての知識を深めたいとも考えていました。そこで、群馬県内の学校で実習を通した実践研究ができ、教育に関して幅広く学ぶことができる教職大学院に進学することを決意しました。 私たち8期生は、学部新卒者4名・現職教員13名という構成です。入学する前は、現職の先生方と共に学んでいくことに対して緊張していました。しかし講義が始まってみると、現職の先生と協力して取り組む課題も多く、すぐに打ち解けることが出来ました。先生方から経験や知識、様々な事例を教えてもらえるのは、現場を経験していない私にとって大きな学びとなっています。 私が在籍している「児童生徒支援コース」では、教育心理や教育相談、発達障害を持つ子どもへの対応など、学校現場ですぐに生かせるような児童・生徒理解や支援を中心に学習しています。この1年を通して印象に残っているのは、学習支援や教育評価の講義で、グループごとに授業を計画し、代表で模擬授業を行ったことです。同じグループの先生と協力して指導案から授業を作成し、模擬授業の練習から発表に至るまで、授業のことを基礎から丁寧に教えてもらえました。模擬授業発表後には、さらに良い授業にするために大学の教授も交えて、現職の先生全員と授業検討会を行いました。指導案作成段階から現職の先生と授業づくりができたのは、とても貴重な経験となりました。 教職大学院では、様々な角度から教育について考えを深めることができます。1年次では7週間、2年次では30日以上の教育実習が設定されており、学校現場での経験も多く得られます。大学院の講義で得た知識と、子どもとの関わりの中での学びは、教員としての一歩を踏み出す自信となるはずです。先輩からのメッセージ平成27年度入学山口 友梨(ストレートマスター:児童生徒支援コース)

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