群馬大学医学部 入学案内2018
16/44

14〒157-8535 東京都世田谷区大蔵2-10-1       電話:03-3416-0181       FAX:03-3416-2222URL https://www.ncchd.go.jp/子どもの笑顔と成長を間近で見られる喜び  私は、名前の如く群馬生まれ。循環器の医師であった父に憧れ、父の母校でもある群馬大学に入学しました。大学4年生でテニス部の朝練終了後にテレビをつけたところ、島根医科大学(現在の島根大学)で生体肝移植が成功したというニュースを聞き、初めて移植医療を意識しました。命の炎が消え入りそうになっている患者さんが、移植をすることで再び元気になる、そんな夢のような医療を学んでみたいと思っていたところ、移植外科の日本の中心である京都大学で臨床研究生のポストがあると聞き、真っ先に手を上げました。当時の私は臓器移植の知識も経験もなく、周囲との知識や能力の差に愕然としましたが、経験の差は努力で補うしかないとひたすら努力を続けました。 今は、東京都にある国立成育医療研究センターで肝臓や腎臓の悪い子どもの患者さんの臓器を移植しています。当センターには世界中から患者さんも研修の医師もやってきます。やりがいは、移植で元気になった子どもたちの成長を間近で見られること。こんな幸せなことはありません。今は月に2~3回、海外に出向いて、当センターで研修をした医師が自国で移植医療を展開できるよう手助けをしています。国際的な移植医療人を育成することにも、大きなやりがいを感じます。夢はこの世から移植を必要とする子どもの病気がなくなることです。群大で学べたことで今の自分がある  群大では生涯の友人がたくさんできました。壁にぶつかったとき、くじけそうになったとき、群大時代の友人の存在は大きな支えになっています。群大は、同級生同士、先輩と後輩、先生と学生と、人と人との距離が近いのがいいですね。だからといって、いつもベッタリしているわけではありません。人との関係を含めて「規律ある自由」が群大にはあるように思えます。年に2度、講義で群大に行きますが、お互いを尊重し、思いやりながら付き合う雰囲気は昔から変わっていないと実感します。群大の卒業生と聞いただけで人と人との触れ合い方を大切にできる、人と深い付き合いができると思います。 人との付き合い、これは、医療を行う際もとても大切なことです。医療にはチーム力が欠かせません。人との良い関係を作って仕事をすることを、私は群大で学びました。2005年、一人で当センターに赴任しましたが、今ここでチームを作って、世界トップクラスの移植医療ができているのは、大学時代に仲間を大切にしながらやってきた経験が生きているからだと思います。人生で一番大切な時期を、群大で、素晴らしい仲間と過ごせたことは、今の自分の土台になっています。群大で学べたことで、今の自分があると思います。 大きな夢に向かって羽ばたいて 若いころに何かを一生懸命にやることは、将来に向かって飛び出すためにネジを巻くことだと思います。たくさんネジを巻けば、飛び出すときにぐんと遠くまで飛ぶことができます。 群馬大学医学部を目指す人には、ぜひ世界一の医師を目指してほしい。「なれない」とか、「無理だ」とか思うかもしれませんが、諦めないで努力していると必ず夢は叶います。若い人の目の前には、無限の可能性が広がっています。勇気を持って、頑張ってください。かさはら・むれお医学部医学科 平成4年3月卒業大学院医学研究科博士課程修了 博士(医学)国立成育医療研究センター副院長臓器移植センター長群馬県立前橋高等学校出身群大で学んだチーム力努力を続ければ夢は叶う「母校・群大のためなら」と、海外から戻ったばかりの忙しい中、時間を割いてくれた笠原群生先生。1992年、本学を卒業した笠原先生は、小児生体肝移植手術数世界最多という、日本が世界に誇る移植外科医。仕事のやりがいや本学ならではの素晴らしさ、本学医学部を目指す人たちへのメッセージを聞いた。ProleSchool ofMedicineOB・OGMessage笠原 群生 先生エジプトでの患者診察上海大学での手術指導後インドネシア大学での手術指導

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る