群馬大学理工学部・大学院理工学府 案内 2018
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有機金属錯体の創製と応用食べて治す&美味しく食べるスキー美味しい食べ物やお店を見つけること 周期表には100種類ほどの元素が掲載されています。その元素の中で、特性が解明され応用利用されているのはごくわずかしかありません。大多数の元素の特性が解明されていない理由の1つは、元素を含む物質の種類が限られている、すなわち多種類の物質を作り出す(合成)手法が確立されていないことです。元素単独では特別な性質を示さなくても、他の元素と組み合わせることで新たな物性を示す潜在能力を秘めた元素はたくさんあると考えられます。我々の研究グループでは、とりわけ遷移金属と典型元素の新たな組み合わせ、その組み合わせ方(結合)に着目し、新しい有機金属錯体の合成手法の開発、得られた錯体の構造や性質について明らかにする研究を行っています。世界で初めての錯体にチャレンジしていますので、前には道はなく後ろに道ができます。研究には困難さを伴いますので、基礎学力を養うことはもちろん大切ですが、研究において最も大切なのは‘諦めないこと’です。確かな目標を見据え、時には来た道を引き返して異なる場所に新しい道を切り開くことも必要になります。皆さんが夢に描いている将来の理想像はどのようなものでしょうか。夢に向かって、諦めない毎日を積み重ねていってください。 みなさまの中には、花粉症や食物アレルギーなどの病気にお困りの方もいらっしゃるかもしれません。このようなアレルギー疾患、さらには1型糖尿病や慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患は本来、病原菌などの外敵から私たちを守るための免疫系がおかしくなるために起こる病気です。私の夢は大きく、乳酸菌(プロバイオティクス)、麹、乳成分などの食品素材の中から免疫系を正しくコントロールできるものを見出し、それらを用いて、アレルギー疾患や自己免疫疾患の予防や症状緩和に役立つ機能性食品、さらには免疫系の老化を防止できる機能性食品の開発を目指した研究に取り組んでいます。自己免疫疾患では女性が、食物アレルギーでは小児の患者が多いことを考慮しますと、女性や子供、老人などの社会的弱者を助けることを意図した研究であるといえます。免疫学と食品科学を融合した全く新しい研究領域であり、研究室の学生さんは免疫学と食品科学を学ぶことになりますが、卒業(修了)生の多くは大手の食品会社で研究職あるいは製品開発職として活躍しています。 初めてスキーをしたのは3歳ころだとか。大学生の時には冬休みにスキー場でアルバイトをしながら休憩時間に滑っていました。現在では、スキーよりも温泉&休養が主目的になりつつありますが、シーズンに2~3日は滑っています。 食品科学者 = 食べることが好きな人々の集まりといっても過言ではありませんが、私のヒミツの特技は美味しい食べ物やお店を見つけることです。まさに、好きこそ物の上手なれです。准教授 村岡 貴子 Muraoka Takako准教授 榎本 淳 Enomoto Atsushi 理工系分野で仕事をすることは、大変な面も多いですが毎日が勉強で刺激を受けることも多いですよ。なりたい自分に向かって、勇気をもって1歩ふみ出そう! 私の研究室の学生さんの中には、高校時代、本学のオープンキャンパスなどに参加し、私の話を聞いて、入学していただいた方も少なくはありません。ご関心があれば、お気軽にお越しください。大いに歓迎いたします。一言コメント一言コメントヒミツの特技ヒミツの特技酵素免疫測定法によるサイトカインの測定この中で錯体を扱います1型糖尿病のモデル動物のNODマウス

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