群馬大学理工学部・大学院理工学府 案内 2018
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全ての街路灯にカメラが付いたら?逆問題を解くアルゴリズムを確立する大きな夢を持つこと卓球 近い将来、全ての街路灯にネットワークカメラが付くでしょうか?まず、コストについて考えると、1万円程度のLED街路灯に、5千円程度の安価版スマホを組み合わせると、ネットワークカメラ付LED街路灯を作れます。設置費用(電気工事費用)は、自治体による定期的な交換時期を待つことで、余分にはかかりません。次に、効果について考えます。多くの人は、夜、懐中電灯なしで、帰宅できます。それは、国内の市街地のほぼ全域が、街路灯により照明されているからです。全ての街路灯にカメラが付けば、死角はなくなります。各街路灯が、その周りを撮影・録画すれば、ヒト・クルマを、芋づる式に、追尾できます。路上犯罪者は逃げられません。子どもや徘徊老人もすぐに見つかります。まったく、新しい世界が出現します。しかし、市役所職員など画像閲覧権を持つ人の悪用が、心配になります。一般市民のプライバシーを完全に保護するための、技術的・社会的な工夫が必要になります。私は、そのための研究開発に取り組んでいます。 現在、工学、物理学、医学など様々な分野において「逆問題」が注目されています。伝統的な数理科学では原因(入力)と法則(システム)があるから、それらから結果(出力、現象)が生じると考え、原因と法則から様々な現象を解明してきました。これは「順問題」と呼ばれます。それに対して、結果と法則からその原因を特定すること、または結果と原因からそれを生じさせている法則を求めることを「逆問題」といいます。身近な典型例としてCTスキャナーの原理があります。逆問題の中には数学的に解くことができないと考えられている問題群がありますが、私の研究室ではこのような問題を解くことにチャレンジしています。特に最近では医学部と共同で混合データの分離・再生アルゴリズムや不明瞭細胞画像からの特徴抽出などの研究を行っており、最近注目されている深層学習(囲碁で計算機と人間の対戦が話題になりました。)も取り入れたアルゴリズムの研究も行っています。図は4枚の混合画像(最上位)に含まれている元の画像を我々の方法で再生した様子を表しています。 今の夢は、何段階かありますが、最初の段階は、上記のカメラシステム(=e自警ネットカメラ)を世界的に普及させ、iPhoneよりも有名にすることです。夢の最終段階は、ここでは、ヒミツ。 昔の話ですが、中学時代は卓球部で部長をやり、大会で(県大会ですが)個人で入賞したことが自慢です。当時の朝練や授業後の夜遅くまでの練習が懐かしいです。ただし今ではほとんどラケットを握ることはありません。教授 藤井 雄作 Fujii Yusaku准教授 松浦 勉   Matsuura Tsutomu  中学・高校で習うことは、人類の英知の結晶とも言えるもので、とても奥深いものだと思います。ぜひ、それらを、より深く理解し、より強く自分のものにするように、努力してください。私も、今も、その努力を続けています。 表面的な受験テクニックだけではなく、じっくり考えて深く理解する勉強を心がけてください。そのようにして積み上げた経験は大学受験だけにとどまらず、大学入学後も、さらに社会に出ても大きな財産となるはずです。一言コメント一言コメントヒミツの特技ヒミツの特技Messege from Professors教員からのメッセージ

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