群馬大学理工学部・大学院理工学府 案内 2018
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βシート構造たんぱく質からのリサイクル可能エコ素材の開発土の性質、地盤のふるまいを知るコントラバス蕎麦打ち 動・植物の未利用バイオマスからのエコ素材の製造技術開発を行っています。人類は生物由来材料を巧みに生活に利用して発展してきました。そこで、合成化学物質を使用しなくても「水と熱と生物の産生物だけで、使える材料は開発できないか!」、と思い取り組んでいます。今は杉の間伐材と廃棄羽毛から擬木(ぎぼく)を作る研究をしています。将来的には、弦楽器用のカエデなどの高級広葉樹の擬木を作りたいと考えています。水と生物材料のみから作られるため、とても人に優しい材料になります。また、実験する学生さんにとっても、とても安全で、化学物質の人体への影響を心配する必要はありません。間違って目に入れても、飲み込んでも、人類の長い歴史の中で共存していたものだけを出発原料としているため、とても安全です。100%バイオベースな材料を用いることで、CO2の削減や、環境保全に微力ながら貢献し、かつ、人にやさしい素材開発を体験できる研究室です。 地球の奥深くから湧き上がり、吹き出し、飛び散り、洗い流され、降り積もり、押しつぶされ、長期間をかけて形成される私たちの足元の「地盤」とその構成材料としての「土」― その内部にはとても不思議な世界が広がっている。岩のかけらに由来する土粒子、その隙間を埋める水分や空気。こうした固体・液体・気体の三相が互いに力をやり取りしながら、集合体としての土の巨視的な性質を決定づけている。 幼少期の粘土遊びを思い出す“細かな粒子主体の粘性土”では、粒子間のわずかな隙間の水分移動が粒子の静電気力で阻害され、総じて水はけの悪い軟弱な土となる。一方、サラサラの手触り感を持つ“粗い粒子主体の砂質土”では、粒子同士のかみ合いや摩擦によって硬い土骨格が発揮されるが、ひとたび地震などでそのかみ合いが外れると、土粒子間の水分が押しつぶされて水圧上昇をもたらし、液状化現象を誘発することがある。 社会を支える構造物は地盤の上や中に建設される。また、国土の大部分が山地である我が国では都市の背後に急傾斜の地盤が迫っている箇所も多い。安全・安心な街づくり、有効な防災対策のためには、土の性質と地盤のふるまいを知るための研究が欠かせない。 コントラバスを30年以上弾いています。クラシックです。最近は、バッハの無伴奏チェロ組曲にはまっています。 蕎麦を打つこと ― 蕎麦粉と小麦粉に適量の水を加えながら、全体を均一に湿らせていく「水回し」プロセスは、ちょうど“土を徐々に湿らせていって、乾燥した紛体から塑性状態に変える”土質試験の作業と似ています。少しでも水を加えすぎると、とたんに流動化して台無しになってしまうのも、土とまったく一緒です。教授 河原 豊 Kawahara Yutaka教授 若井 明彦 Wakai Akihiko 好奇心を忘れず、広い視野で多面的に物事を考えられるような自分になれるように、学園生活を充実させて、良い人生のスタートが切れるように頑張って欲しいです。未来は自分で切り開きましょう。 地震、豪雨、豪雪、火山噴火、その他の気象災害・・・私たちの豊かな生活を一瞬にして消し去る巨大災害。それらに立ち向かう知恵を私たちに授けてくれるのは「土木技術」です。土木と防災を学ぶ学生が一人でも増え、この災害多き日本の将来と皆さん自身の大切な人たちをしっかりと守ってくれることを期待しています。一言コメント一言コメントヒミツの特技ヒミツの特技Messege from Professors教員からのメッセージ 羽毛樹脂の外観阿蘇大橋

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