群馬大学理工学部・大学院理工学府 案内 2018
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災害犠牲者ゼロを目指して大気に漂う小さな塵と地球環境問題収集すること八木節 私たちの住む日本は、豊かな自然からたくさんの恵みを享受している一方で、災い(災害)も少なくありません。一定規模までの災害であれば、堤防やダム、建物の耐震化などを図ることで被害を減らすことができますが、それを越える災害が発生した場合、被害軽減には限界があります。そのような大きな災害が発生した場合にも、一人の犠牲者もださないようにするために、災害発生危険時における適切な対応行動の促進策に関する研究をしています。 いざというときに適切な対応行動をとるためには、平常時から災害の危険性や避難方法などに関する知識を把握しておくだけでなく、災害発生時に発表される情報の内容や伝え方も重要になります。その一方で、人にはそれらの知識や情報を正しく認知することを阻害する心理特性があります。このような適切な対応行動を誘発する(阻害する)要因を明らかにするとともに、その知見を活かして、小中学校における防災教育の実践、地域コミュニティ単位での避難計画の策定など、地域の防災力向上に資する実践的な研究を行っています。 私たちの研究室では地球大気の評価とクリーンな大気を保つための技術開発を行っています。特に最近注目を集めているのがPM2.5と呼ばれる大気中に存在する小さな塵です。これをエアロゾルと呼びます。エアロゾルはあまり馴染みがない言葉ですが、地球大気の中で重要な役割を果たしています。例えば、大気中の小さな塵は雲の種として働くため、エアロゾルが無いと雲はできません。黒いエアロゾルは、二酸化炭素などの温室効果ガスと同じように太陽光を吸収し、地球大気を暖めたりします。逆に白いエアロゾルは太陽光を反射して地球大気を冷やします。南極のオゾンホールもエアロゾルの表面での化学反応が原因で生成することが知られています。このように、目には見えない大気中の小さな塵は地球の気象変化に極めて大きな影響を及ぼしています。私たちの研究室ではこのエアロゾルを空中で浮かせながら、その性質や反応性を調べ、エアロゾルの地球大気への影響を明らかにしています。美しい地球の大気を次の世代につなげるために,私たちの研究室は日々がんばって実験をしています。 収集癖です。例えば、スマホゲームのツ〇ツムやポ〇モンはコンプしています。最近は、研究活動でも使っている「カップ酒のビン」を集めています。シールではなく、プリントのものだけを集めるのがこだわりです。 桐生の夏は八木節が熱いです。祭は3日間、私も法被に着替えて踊りと演奏です。群大八木節同好会の卒業生も大勢参加して、祭やぐらの周りで大暴れ!桐生に来たら絶対に参加して下さい。後悔はさせません。准教授 金井 昌信 Kanai Masanobu准教授 原野 安土  Harano Azuchi 社会は目まぐるしく変わっていきます。その変化に柔軟に対応できるように、様々なことにチャレンジする“知的好奇心”を持ち、皆さんの支えとなる“夢中になれる何か”をぜひ見つけてください。 群馬大学は地方大学ということもあり、人との関係がとても近い教育をしています。人との触れ合いの中で、厳しい研究や実験を乗り越え、人として大きく成長できます。私自身も群馬大学出身ですが、この大学を卒業して本当によかったと思っています。一言コメント一言コメントヒミツの特技ヒミツの特技模擬授業(尾鷲市立尾鷲小学校6年生対象)空中に小さな塵を1つ浮かせる装置

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