群馬大学理工学部・大学院理工学府 案内 2018
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ロボットを賢くナノ加工技術で高感度バイオセンサを創製ピアノミニバレー 私の研究室での研究テーマは、タイトルにもあるように、大枠で言えば知能を持った賢い機械やロボットを作ることですが、もう少し詳しく言うと、研究室ではコンピュータビジョンという分野の研究と、自律走行ロボットの開発を行っています。人間は目で見て外界の情報を得ますが、これと同じことをコンピュータでもできるようにする技術、これがコンピュータビジョンです。また自律走行ロボットとは人間が操作するのではなく、ロボット自ら考えて走行し、与えられたタスクを実行するロボットです。もっともロボットと言っても、研究室で開発しているロボットは人の形はしておらず、写真のような形のものです。もちろんこのロボットにもコンピュータビジョンの技術が生かされていて、カメラによって特定のものを見つけたりすることができます。このロボットで「つくばチャレンジ」と言う自律走行ロボットの実験走行会に参加しています。ここ数年は、なかなか良い成績を収められるまでに開発が進んでいます。 微量物質の検出技術は様々な分野で必要とされ、特に医療やバイオ分野では、化学物質や生体分子を簡便かつ高感度に検出する技術が求められています。しかし、既存技術では簡易装置は感度が低く、高感度装置は時間とコストがかかることが課題です。 我々はナノメートルスケールの計測加工技術を応用して、マイクロカンチレバ(片持ち梁)やSiナノワイヤを用いたバイオセンサを研究しています。カンチレバ型ではアレルギー検査につながる抗原抗体反応を測定して、既存の簡易バイオセンサより100倍以上の高感度検出を実現しました。ナノワイヤ型では5.6 fM(fM=10-15 mol/L)の超低濃度抗体の検出に成功しました。 最近は体外受精卵の質量を測定する装置を世界に先駆けて研究しています。現在の不妊治療では形態観察のみで良好胚を選別しているため、出生率が低いことが課題です。そこで、定量的な良好胚選別を目指し、培養中の受精卵質量を測定する装置を開発しています。これまでに、ウニ卵子の質量約400 ngの測定に成功しました。 秘密の特技という訳でもないですが、趣味でピアノを弾きます。へたですが、自分の楽しみのためですので、それで良いことにしています。ピアノはアップライトですが、やっぱりグランドピアノが欲しいなあ。 大学院生の時から、ミニバレーという専用のビーチボールを用いて、1チーム4名でバドミントンのコートとネットを利用する北海道大樹町発祥のスポーツを楽しんでいます。昨年の関東大会では優勝して金メダルをもらいました。教授 太田 直哉 Ohta Naoya教授 曾根 逸人  Sone Hayato 今まで不可能だったことを可能にする技術を作り上げる、これが理工学部での研究です。もちろん簡単ではありませんが、それだからこそやりがいがあり、楽しいことです。研究をしたいと思う方はぜひ来てください。 大学時代には積極的に知識と経験を身に付けましょう。大学での勉強だけでなく趣味やスポーツにも取組んで、健康な心と身体を育むと共に多くの友人を得て下さい。必ずや、将来の仕事と生活に活かされるでしょう。一言コメント一言コメントヒミツの特技ヒミツの特技Messege from Professors教員からのメッセージ カンチレバ型バイオセンサ

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