群馬大学 大学案内2018
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 群馬大学と群馬県教育委員会が、地域に根ざした諸活動を展開するにあたって連携・協力を進めるため、平成16 年に「国立大学法人群馬大学と群馬県教育委員会との連携に係る協議会」を発足させました。この協議会は、群馬県教育委員会との共同研究事業や連携事業を通して、群馬県の教育のいっそうの充実を図ることを目的としています。 共同研究事業である「教育改革・群馬プロジェクト」では、学校現場の課題について共同で研究に取り組み、その研究成果を学校現場へ還元することを目的としています。例えば、研究テーマの一つである【小学校低学年の体育授業プログラムを活用した授業づくり】においては、体育指導が得意ではない先生のもとでも子ど【科学の甲子園】製作した車が決められた距離を正確に走れるか、競っています。【小学校低学年の体育授業プログラムを活用した授業づくり】先生達に、効果的な授業方法を体験してもらいます。もたちが運動を好きになることを目的として、体育授業プログラム(鬼遊び・ボール投げ) の開発に取り組んでいます。 連携事業である「科学の甲子園」は、群馬県内の科学好きな生徒が集い、理科・数学・情報の複数分野で競い合うことを通して、科学の楽しさを知り、科学的な知識・技能を積極的に活用する能力を養う大会となっています。また、本事業は「科学の甲子園」全国大会の群馬県予選となっており、優勝チームが全国大会で入賞できるようその後のサポートも行っています。 さらに、本協議会主催のシンポジウムを毎年開催し、群馬県の教育のいっそうの充実に向けて意見交換を行っています。社会情報学部の学生が、栗生楽泉園スタディツアーでボランティアガイドを務めました。社会情報学部の学生が、映像「いのちの証を求めて」の制作にあたり、栗生楽泉園元入所者の方(後列中央)にインタビューしました。教育委員会との連携ハンセン病問題への取組みTOPICS 2018 1907(明治40)年に始まったハンセン病患者の隔離政策は、1996(平成8)年の「らい予防法」の廃止まで、およそ90年間にわたって行われました。患者を強制収容するため全国13ヵ所に設置された国立療養所の1つが栗生楽泉園です。 温泉地として有名な群馬県草津町にある栗生楽泉園には、現在も79名の元患者が暮らしています。同園には資料館も併設され、ハンセン病隔離政策の歴史を学び、元患者の体験を聞くことができる貴重な場所となっています。しかし、入所者の平均年齢は86歳を超え、ハンセン病に関する歴史や体験を語ることのできる当事者は少なくなり、ハンセン病問題の歴史の継承、啓発活動の継続が課題となっています。 群馬大学では、2014(平成26)年度より地域貢献事業としてハンセン病問題に取り組んでいます。これまでに、栗生楽泉園ボランティアガイド養成講座の開講、スタディーバスツアーの主催、栗生楽泉園ガイドブックの作成、同園入所者の生涯を描いた映像「いのちの証を求めて」の制作などを行ってきました。 平成28年2月には、群馬大学、栗生楽泉園及び同園入所者自治会との間で包括的事業連携の協定が結ばれました。これからも地域の皆さんとともに、栗生楽泉園における教育・研究・啓発・ボランティア活動を充実させ、ハンセン病問題の歴史の継承、啓発活動に取り組んでいきたいと考えています。 副学長メッセージ/地域貢献17

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