群馬大学 大学案内2018
21/68

治療室海外ラボラトリー研究活動の様子重粒子線照射施設 群馬大学は、医学部のある昭和キャンパスに、群馬県との共同事業として重粒子線によるがん治療装置を設置しています。この治療は、重粒子線を使って体の深部にあるがんに集中した強いダメージを与えることができるため、難治がん克服への大きな期待と可能性を有し、日本が世界をリードする先進的な治療法です。 この重粒子線がん治療装置が大学附属病院に設置されているのは、世界でも2番目、国内では群馬大学だけです。教育、研究機関である大学に設置されていることで、群馬大学では附属病院での治療だけではなく、重粒子線治療を核とした研究開発や人材育成などを、海外の大学や研究機関とも協力して積極的に行っています。 また、群馬県は、国から「群馬がん治療技術地域活性化総合特区」の指定を受け、がんをはじめとする医療産業の拠点として発展するために、産官学が一体となってがん治療に取り組んでいます。群馬大学は、医学部と理工学部が連携してこの取り組みの中心的役割を果たしています。がん治療に使われる機器や医薬品の開発など医療産業には、まさに理学と工学の研究開発が不可欠だからです。大学院医学系研究科の博士課程教育リーディングプログラム「重粒子線医工学グローバルリーダー養成プログラム・重粒子線医工連携コース」をはじめ、多くの海外からの学生や研究者を受け入れ、重粒子線を利用したがんの高精度診断・治療技術に関わる国際的リーダー養成の役割も担っています。 さらに、次世代重粒子線治療システムの総合的開発の中では、現在の重粒子線治療を超える革新的な高精度重粒子線治療システムの確立も目指しています。これらの研究開発により、超難治がんやがん以外の脳疾患、心疾患への重粒子線治療の応用も夢ではありません。 群馬大学は、地域にあって世界のトップを走り続ける大学を目指すため、学長のリーダーシップの下に本学が強みを有する「統合腫瘍学(重粒子線によるがんの治療開発等)」や「内分泌代謝・シグナル学(生活習慣病の病態解明等)」などの先端研究分野をさらに発展させるため未来先端研究機構を平成26年4月に設置しました。 世界トップレベルへの研究力を強化するためには、国内のみならず海外からも優秀な研究者を招へいすることが必要となります。魅力ある研究環境を構築するため、年俸制の導入、外国人研究者が我が国の研究資金を獲得するための研究支援人材の配置、若手研究者育成制度などのシステムを積極的に導入しています。 また、常にグローバルレベルを意識できるよう、その分野で世界的にトップレベルの海外研究機関から研究者を招へいし、海外ラボラトリーを設置しました。現在、当該海外ラボラトリーにおいて、米国ハーバード大学医学大学院の関連医療機関であるマサチューセッツ総合病院や、内分泌代謝学の分野で世界最高峰レベルの研究機関であり、ノーベル賞の生理学医学部門の選考委員会が設置されているスウェーデンのカロリンスカ研究所、バイオイノベーションの世界的拠点であるベルギーのリエージュ大学等と国際共同研究を実施しています。 また、「ビッグデータ統合解析センター」を設置し、未来先端研究機構での研究を飛躍的に加速するとともに、新しい地域医療・ケアシステムの確立を目指します。未来先端研究機構TOPICS 2018高精度重粒子線がん治療システムの研究完全自動運転技術の開発/元素科学国際教育研究センター未来先端研究機構/高精度重粒子線がん治療システムの研究19

元のページ  ../index.html#21

このブックを見る