群馬大学大学院 教育学研究科案内 2019
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17群馬大学大学院教育学研究科修士課程自然・情報コース ……………………………………………………………………… 代数学、幾何学、解析学及び応用数学の教育・研究を深めるとともに、数学教育学に関する理論的・実践的研究を行います。 また、その専門的な研究成果を生かし、教育・研究において中心的・指導的役割を果たすことのできる能力と人材を養成します。数学領域修士論文● 高等学校数学における理解を深めるための数学的コミュニケーションに関する研究● 高等学校数学授業における知識の協同構成の研究● C*-ALGEBRAS OF GRAPHS 専任教員の研究・教育の概要 自然科学の各分野(物理・化学・生物・地学)についての教育・研究を深めるとともに、理科教育に関する理論的・実践的研究を行い、両者を有機的に関連させます。教科内容についての堅実な知識と教科教育面での豊富な実践を基に、総合的な理科教育学の確立を課題として追求します。理科領域修士論文● 中学校理科「生物の変遷と進化」に関する研究   -脊椎動物の進化についての大学生の理解度調査と観察・実験教材の提案-● 身近なくすりを教材とした探究的な高校化学の授業プログラムの開発とイソキノロン類の固相合成法の開発● 微細緑藻に着目したSTEM教育の再構成の提案● 四倍体ファストプランツの作出と高等学校生物分野への導入 専任教員の研究・教育の概要寺嶋 容明【理論物理学】量子物理学を中心に相対性理論、統計力学、情報科学が密接に関連した分野について理論的な研究を行っています。現在の主な研究テーマは量子コンピュータや量子暗号の基礎となる量子情報や量子測定についてです。授業では、小中学校理科における粒子やエネルギーといった考え方をより専門的に理解するため、素粒子論や相対性理論などを扱います。研究指導では、コンピュータを用いた教材開発などを行います。石井 基裕【代数学】アフィン・リー環などの無限次元リー環に付随する量子群の表現論や関連する組合せ論的幾何学的構造を研究しています。大学院の講義では、小中学校の算数・数学の教材開発への応用を念頭に置き、初等的に取り扱うことが出来る様々な組合せ論的構造やそれらの背後にある代数的構造を学びます。山本 亮介【幾何学】低次元トポロジー、中でも3次元多様体の特徴付けに関する研究を行っています。主に有向閉3次元多様体が必ず持つ「オープンブック構造」に注目し、そこから3次元多様体の位相的性質を読み取る方法を探求しています。授業では、小中学校の算数・数学における図形分野、すなわち初等幾何学を現代幾何学の視点から再認識するための考察や議論を行ないます。伊藤  隆【解析学及び応用数学(関数解析学)】ヒルベルト空間上の作用素環の解析的構造及び代数的構造の研究が中心テーマですが、特に、作用素空間のテンソル積に入るクロスノルム及び双対空間を考察することにより関数解析の量子化の研究を進めています。授業では、小中学校で算数、数学の学習のあらゆる場面で登場する「円周率」を検討対象とします。円周率の解析的側面だけでなく幾何的側面や代数的側面も、歴史的な発展段階を踏まえつつ検討します。照屋  保【解析学】作用素環と呼ばれるヒルベルト空間上の作用素の作る(非可換無限次元)環の研究をしています。特に、作用素環とその部分環の関係を調べる指数理論を中心に研究を行っています。大学院では数学の高度な知識を身につけることによって自分で文献や資料を調べて最新の研究動向について情報を得ることができるようになり、それを数学の教員として学校現場で活用できるようになることを目標に指導します。澤田麻衣子【数学教育】修士課程向けのパンフレットに載せる「専任教員の研究・教育の概要」数学(算数)を学ぶことを通して形成される数学の概念や数理認識の構造、なかでも図形概念の形成や認識、その構造について主として研究しています。また、それに基づく教育内容や方法、具体的な教材の開発にも取り組んでいます。大学院では、数学的な数学教材の開発を行うこと、数学(算数)を通してのコミュニケーションについて考察を深めること、そして、これらに対して理論的かつ実践的に取り込む能力を育成します。

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