群馬大学大学院 医学系研究科生命医科学専攻 入学案内2019
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13Graduate School of Medicine行動の生物学的基盤は、脳の回路の中にある。また、行動は多数の遺伝子と多くの環境因子およびその相互作用に依存して決定される。マウスやラットでは、遺伝や生理に関する知識が蓄積されている。当分野では、不安レベルの高いノックアウトマウスあるいは、特定の神経細胞を蛍光分子で標識したトランスジェニックラットやノックインマウスなど、様々な遺伝子改変動物の作製・解析を通して、遺伝と行動との関連についてアプローチしている。【Keywords】遺伝、行動、脳機能、ノックアウトマウス、トランスジェニックラット分子標的薬の登場により、がん薬物療法は急速な進化を遂げている。がん治療薬と生体の相互作用を、分子、細胞、組織、臓器、個体のレベルを貫いて総合的に研究するとともに、新規治療(薬)の開発を目的に、ゲノムワイドな医療シーズの同定から大規模臨床評価まで、基礎研究での成果を臨床へと還元するトランスレーショナル・リサーチを展開し、画期的なゲノム創薬、バイオマーカーの同定、より効果的な育薬を目指す。【Keywords】がん、トランスレーショナル・リサーチ、作用メカニズム、ゲノム創薬、バイオマーカー日和見感染菌のグラム陽性腸球菌の病原性因子の研究。腸球菌は腸管に常在する典型的な日和見感染菌で、他の日和見感染菌と同様に健常者と共生関係にある。重度の易感染者において感染防御機構が障害された時、感染症を起こす。そのための病原性因子としてのバクテリオシン、細胞毒素、組織付着因子、各種薬剤耐性、接合伝達性プラスミドの分子遺伝学的、生化学的研究を行っている。【Keywords】腸球菌、バクテリオシン、細胞毒素、付着因子、接合伝達性プラスミド、薬剤耐性本分野は、ウイルス学または寄生虫病学を専門とする基礎医学分野として平成30年4月に新たに設置されました。現在、教授を選考しているところです。社会環境の中で、健康を阻害する要因を減らし健康を支える要因を増やしていくことによって、人々の健康な生活に寄与する学問分野です。微量元素セレンの生体内での役割に注目してのがん予防やメタボリックシンドローム予防についてのin vitro研究や液クロ+質量分析器を用いた分析的研究、自殺予防を目的としたうつスクリーニング質問票によるうつと生活習慣との疫学調査などに取り組んでいます。また、インドネシアやモンゴルにおける医療資源の公正な配分や公衆衛生倫理学について検討考察を行っています。【Keywords】微量元素、セレン、がん予防、うつスクリーニング、疫学研究、公衆衛生倫理学法医学は科学的な手法を法律上の問題解決に応用する分野である;化学、生物学、医学、歯学、統計学、人類学を含むものである。特に、我々は個人識別に焦点を当て、日本では重要な個人識別遺伝マーカーであるABO式血液型の研究を展開している。最近、赤血球系細胞で機能する転写調節領域を同定し、その欠損や機能喪失が亜型Bmの原因であることをつきとめた。【Keywords】法医学、個人識別、ABO式血液型、エンハンサー医療という一種の限界状況の中には生身の人間の生き方に関わるなまなましい問題が渦巻いている。こうした問題を画一的機械的に扱うのでなく、個別的な事情にそくして具体的に考えようとするのが臨床倫理学である。当研究室ではこの臨床倫理学およびその教育の方法論の基礎づけを優先課題とし、解釈学ならびに文学の哲学の見地から取組んでいる。このほか、予防医学の倫理問題、医療倫理学教育、医療倫理に関わるメタ倫理学、健康や病などの医学・医療の根本概念の哲学的検討も行っている。【Keywords】臨床倫理学、医療倫理学、医学哲学、医療倫理学教育遺伝発達行動学柳川右千夫病態腫瘍薬理学西山 正彦生体防御学(選考中)公衆衛生学 小山  洋法医学小湊 慶彦細菌学富田 治芳医学哲学・倫理学服部 健司

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