群馬大学大学院 医学系研究科生命医科学専攻 入学案内2019
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19Graduate School of Medicine分子糖代謝制御藤谷与士夫現代の医療・保健・福祉において適切なサービスを提供するためには、医療システム全体に情報技術を適用し、情報の標準化と部門間の連携を保ち、運用を行わなければならない。当分野では、医療管理学や情報医療学に関する基礎知識を獲得するとともに、診療情報や医療情報の取り扱いに関する基礎的素養を与えることを目的とする。【Keywords】診療情報管理、医療サービス、病院情報システム細胞外へのタンパク質の分泌や細胞外からの物質の取り込みなどにはたらく膜区画は大きく分けて小胞体、ゴルジ体、エンドソーム、リソソームそして無数の小胞から構成され、それぞれが独自の機能を果たすことによって細胞内における秩序だった物質輸送を可能としている。これらの膜区画間の物質輸送を担うのが小さな膜に包み込まれた輸送小胞である。この輸送小胞を介した物質輸送は単に細胞レベルの分泌や取り込みだけではなく、内分泌や代謝の制御といった動物個体の恒常性維持や組織形成、個体発生などといった高次生命現象において重要な役割を担っている。当分野では線虫C.elegansやマウスなどのモデル動物を用いて、このような高次生命現象における細胞内物質輸送機構の生理的役割と分子メカニズムの研究を行っている。【Keywords】細胞内物質輸送、分泌、脂質代謝、発生、線虫、ノックアウトマウス様々な精神疾患の病態生理として、シナプスの機能障害が強く示唆されている。そこでわれわれは、in vivo 2光子励起イメージング法を用いて、シナプス形態・機能と精神疾患様異常行動との関連を検証している。さらには最先端の光刺激技法を駆使することで脳神経回路を人為的に操作し、神経回路やその機能不全として捉えた精神神経疾患の動作原理を解明し、それに立脚した創薬を展開することに挑戦しています。【Keywords】精神神経疾患、シナプス、2光子励起イメージング、シグナル伝達、創薬内分泌細胞の障害やその機能低下は様々な内分泌・代謝疾患の要因である。神経内分泌細胞の増殖や細胞死、ペプチドホルモンの産生・分泌等の仕組みを明らかにし、病態の理解と予防・治療法の開発を目指している。また共同研究・学際研究を積極的に行っており、がん・脳梗塞などの低酸素病態を感知するプローブや、新しいタイプの抗腫瘍薬剤の開発を進めている。【Keywords】ペプチドホルモン、インスリン、蛍光プローブ、イメージング、がん細胞、細胞死細胞膜やオルガネラの形態や組成は細胞の分化や細胞外環境の変化に伴い常に動的な制御を受けている。本分野ではモデル生物である線虫C.elegansを用い、動物の初期胚発生におけるオルガネラ等膜成分のダイナミクスやその生理的意義の解明を目指している。最近では特に受精直後に誘導されるオートファジーやエンドサイトーシスといったリソソーム分解系に注目し、遺伝学、細胞生物学、ライブイメージングなどの手法を用いて解析を行っている。【Keywords】線虫、胚発生、オルガネラ、オートファジー、エンドサイトーシス本分野は、モデル動物の遺伝学的解析や、病態に関わる組織・細胞に発現する遺伝子の機能解析を通して、糖尿病・肥満症・喘息などの成因・発症機構や病態生理を、分子・細胞・個体レベルで解明する。現在、インスリン分泌顆粒の開口放出機構、脂肪細胞の脂質蓄積機構、免疫アレルギー疾患における調節性分泌の役割、などについて研究している。独自に見出した分子の機能や新規現象を、分子生物学、生化学、形態学、遺伝学、発生工学などの実験手法を総合的に駆使して解析する。【Keywords】遺伝子変異マウス、調節性分泌機構、内分泌代謝疾患、アレルギー、ライブ・セル・イメージング、セル・ソーティング、      アレルギー膵β細胞や褐色脂肪細胞の機能不全は糖尿病やメタボリックシンドロームの原因となる。糖代謝制御の要となる、これらの高次機能細胞の恒常性維持のしくみについて、発生生物学、分子生物学、オートファジーなどの多彩な観点から、その全容解明を目指す。亜鉛は蛋白質の構造維持に重要な働きを果たしているだけでなく、細胞内外のシグナル伝達に関わることが明らかになりつつある。糖尿病や肥満症における亜鉛シグナルの役割を明らかにする。以上の基礎医学の知見に基づき、革新的な治療法の開発を目指す。【Keywords】膵β細胞、発生生物学、オートファジー、褐色脂肪細胞、亜鉛生物学、糖代謝(生体調節研究所)情報医療学 齋藤勇一郎(准教授)細胞構造佐藤  健脳病態制御林(高木)朗子分泌制御鳥居 征司(准教授)生体膜機能 佐藤美由紀(准教授)遺伝生化学泉  哲郎

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