群馬大学大学院 医学系研究科生命医科学専攻 入学案内2019
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Graduate School of Medicine20(重粒子線医学研究センター) 代謝エピジェネティクス稲垣  毅ゲノム科学リソース畑田 出穂個体統御システム石谷  太重粒子線医学物理・生物学取越 正己(平成31年3月退職予定)  髙橋 昭久連携講座(量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所)生体機能解析学石井 保行  小林 泰彦  舟山 和夫重粒子線臨床医学大野 達也遺伝子情報山下 孝之当分野では、メタボリック症候群が発症する分子メカニズムを、主に遺伝子改変動物(ノックアウトマウス、トランスジェニックマウス)を用いて遺伝子転写のレベルで解明し、糖尿病や肥満症に対する新しい治療法、あるいは予防法の開発に貢献すべく研究を行っている。【Keywords】糖尿病、転写因子、遺伝子改変マウス、膵ベータ細胞、視床下部、肥満、膵アルファ細胞エピゲノムは、ゲノム配列の変化によらない遺伝子発現の調節機構である。そのため、可塑性が高く、環境応答に適した機構である。当分野では、環境が体質を変化させて生活習慣病が発症するまでのエピゲノム機構を研究している。主に、ヒストン修飾に注目して研究を行い、タンパク質複合体形成やクロマチン構造変化を介したエピゲノム制御機構の解明を目指す。実験手法として、培養細胞からマウスモデルまでを用いて、エピゲノム修飾や転写、タンパク質複合体の網羅的解析および糖脂質代謝の解析を行っている。【Keywords】エピゲノム、生活習慣病、エネルギー代謝、転写、クロマチン構造細胞は、環境に由来する外的ストレスだけでなく細胞自身が作り出す内的ストレスを受けて、老化、死、ゲノム不安定性などを示す。このようなストレス応答の仕組みを解明することは、加齢にともなう疾患やがんの病態を理解し、その治療法を開発する上にきわめて重要である。私たちは、特にDNA複製ストレスに対応する分子機構と、蛋白損傷ストレスに応答する熱ショック応答系に焦点を当てて、細胞の老化とがん化のメカニズムを研究している。【Keywords】複製ストレス、熱ショック応答、細胞老化、ゲノム不安定性、発がんゲノムが同じでも表現型、症状が一緒にならない現象をエピジェネティクスといい、その実体の遺伝子の修飾をエピゲノムという。当分野でエピゲノム研究をおこなっている。エピゲノムの変化は、癌をはじめ糖尿病、統合失調症など様々な疾患に関与していると考えられているとともに再生医療などにおいても重要な役割をはたしている。当分野では新たに開発した網羅的エピゲノム解析法を用いて癌、生活習慣病、再生医療のエピゲノム研究にとりくんでいる。【Keywords】エピジェネティクス、エピゲノム、DNAメチル化、マイクロアレイ、網羅的解析私たちの体の形態形成と恒常性維持は、Wntシグナルなどのモルフォゲンシグナルの厳密な制御によって支えられており、その破綻はがんなど種々の疾患の発症に関わる。当分野では、モデル動物を用いたインビボイメージング解析と分子生物学的手法を駆使して、動物個体の形態形成と恒常性維持を支える未知のシグナルシステムの探索と解析を行っている。最近は、細胞競合と呼ばれる新しい組織恒常性維持システムの解析に特に注力している。また、これらの研究を基盤として、がんや神経疾患の治療薬開発も行っている。【Keywords】シグナル伝達、モルフォゲン、細胞競合、インビボイメージング、疾患モデル、治療薬開発重粒子線およびX線治療の高度化研究、信頼性向上研究等を通して放射線治療の信頼性確保に不可欠な医学物理分野の研究者の育成を目指している。また、培養細胞や動物を用いてX線または重粒子線の放射線照射実験を行い、細胞レベルや生体内に誘発されるさまざまな現象を解明し、より高度で効果的な治療および宇宙環境利用を目指して研究を行っている。これらの研究に精通した放射線治療および宇宙放射線影響に関する生物研究者の育成もこの分野の重要な目的である。【Keywords】放射線治療、重粒子線治療、医学物理、加速器、放射線生物学、宇宙放射線影響重粒子線は光子線(X線やガンマ線)に比べて生物学的な線量分布に優れるという特長を有し、臨床医学においては主に悪性腫瘍に対する治療として用いられる。本分野では、臨床腫瘍学や光子線を含む放射線腫瘍学の知見に基づき、どのような病態に対して重粒子線治療が有効であるかについて学ぶ。また、重粒子線治療の特長を活かし、治療性成績の向上に結びつけるために必要な技術開発について、放射線生物学、腫瘍病理学、医用工学、画像誘導治療学などの観点から研究を行う。【Keywords】臨床腫瘍学、放射線腫瘍学、重粒子線治療、高精度放射線治療、集学的がん治療高崎量子応用研究所のイオンビーム照射施設において、イオンビームの物理的、生物学的作用の特徴を利用し、分子・細胞・器官の各レベルにおいて従来の技術では困難だった生体機能解析の実現に繋がる研究開発を実施している。主なテーマは、マイクロPIXE(粒子線誘起X線放出)分析技術の高度化、顕微鏡観察下の特定の細胞や生体組織を数~数百MeV重イオンにより数ミクロンの精度で狙い撃つ単一イオン照射技術の開発、ヒト正常細胞、がん細胞などへの直接の重イオンの照射効果及び周囲の照射されなかった細胞に誘発されるバイスタンダー効果の分子機構の研究である。【Keywords】イオンビーム、マイクロビーム、マイクロPIXE、単一イオン照射、細胞照準照射、ラジオマイクロサージェリー、バイスタンダー効果代謝シグナル解析北村 忠弘研究内容一覧GUNMA UNIVERSITYGraduate School of Medicine入学案内 2019

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