教員からのメッセージ化学・生物化学科物質・生命理工学教育プログラム/領域「糖鎖」は第3の生命情報鎖 糖鎖のもつ生命情報を化学の力で明らかにするオリジナルな基礎研究から革新的な応用展開を目指す 「糖」と聞くと砂糖やオリゴ糖などの食品、病気だと糖尿病が身近なキーワードだと思います。しかし、A型、B型、O型などのABO式の血液型も糖の種類の違いですし、インフルエンザウイルスや細菌感染も細胞表面にある糖が関係しています。また、がんになると細胞表面の糖の形がかわることから、糖を利用した診断や治療が行われています。しかし必要な糖を十分に作ることは科学が進歩した現在でも難しく、誰でも簡単に利用できるわけではありません。私たちの研究室では世界トップレベルの糖の合成技術を駆使して、免疫を刺激する糖や前立腺癌に関係している糖、細胞内で働くタンパク質の役割を調べるための糖など、世の中の役に立つ糖を作り出しています。糖が関係する生命現象の解明や医療への貢献を目標に、学生の若い力を推進力に糖の化学合成に取り組んでいきます。 「機能性色素と有機-無機複合物質を基盤とした光・電子・分子機能の創出」というテーマで研究を行っています。特に、最近、有機物と無機物が電子レベルで融合した新物質の研究を行っています。融合といっても有機物と無機物が溶けて固まった物質を研究しているのではありません。少し専門的になりますが、有機物の電子と無機物の電子を化学結合により混ぜ合わせることで、1個の電子の半分が有機物で、もう半分が無機物というような特殊な電子の状態をもつ新物質の研究です。このような有機-無機物質では、「界面電荷移動遷移」という光を吸収することで電子が瞬時に有機物から無機物へ移動するような現象が起きます。この界面電荷移動遷移は、新しい特徴をもつ太陽電池や無色生体分子を可視光で簡便に検出するための動作原理として役立つことが期待されています。このように、オンリーワンの物質・現象・コンセプトを創出し、これまでの枠組みを超えた応用研究を目指すことで、より良い未来の創造に貢献できればと思っています。 これまでにスカイライン、A175Aランサー、AE86、EP71、EP82、RX-7など15台の車を乗り継いできました。ダートトライアルという自動車競技にも参加していました。もう少し歳を重ねたら再度挑戦したいと思っています。 子供の頃から絵を書いたり粘土で像を作ったりするのが好きで、玄関や居間の壁に絵を描いて怒られるような子供でした。研究でも、一から理解したり作ったりするのが好きで、最近、界面錯体太陽電池という新しい原理で動作する太陽電池を開発しました。教授 松尾 一郎 Matsuo Ichiro准教授 藤沢 潤一 Fujisawa Jun-ichiヒミツの特技ヒミツの特技有機物と無機物が融合した新物質 皆さんが入学されると1年生から3年生までに化学・生物に関して幅広い知識を学びます。4年生になると最先端研究の主役として活躍することになります。学んだ知識や経験を融合させることで成長していく自分を実感できます。 「意志あるところに道は開ける」、「夢あるところに…」という言葉を時々耳にします。意志や夢は自分で時間をかけて作る(プロデュースする)ものです。大学生活の中で、自分らしい意志や夢を少しずつプロデュースしていってください。メッセージメッセージ14
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