4Hamamatsu University School of Medicine私が医療人を目指す医学生・看護学生に求めることは、学位授与基準に記されていますが、その中でも最も重要であると考えているのは、豊かな人間性や倫理観、患者さんに対する共感力、そしてコミュニケーション力等、内的な「豊かさ」の涵養です。当然のことながら、これは一朝一夕で教育できるものではありません。特に、日本では高校から医学部へ直接進学するため、意識的に習得することが必要です。経験を振り返り、そこから自己の能力や資質の改善に繋げるといった過程を繰り返すことが肝要です。さらに、国際的な視野の涵養、特に文化、人種、地域等の多様性を理解し、寛容であることが求められますが、外国人との交流は有益な機会となり、英語はそのためのツールとして不可欠です。本学では3人の英語を母国語とする教員が実践的英語を能力別に指導しています。初年次のe-learningから医学英語、臨床における英語によるプレゼンテーション力の向上など、卒業時に英語で医学・医療の討論ができる医学生を育成するカリキュラムを構築しています。また、基礎医学でも、臨床医学でも倫理的な視点、心理学的考察は極めて大切ですので、倫理学■■■■■■■■■■■■■■■■■■■看護学科では、熱意ある先生方がきめの細かい学部教育を行っています。また本学では附属病院の看護部との連携が密で、臨床実習を含め看護部が積極的に学部教育に協力しています。 さらに大学院教育も充実しています。と心理学等の行動科学の修学を基礎・臨床医学でも行います。このようなカリキュラムにより、倫理観と心理的な洞察力の涵養に繋がるものと思っています。また、医療人はサイエンティストとしての視点、つまり客観的な事実を把握し、重視する姿勢、言葉を替えれば、科学的知見を尊重する考え方が不可欠です。科学的に物事を見る態度やそのために必要な科学的な探究心を皆さんに育んでもらうために医学科では数理・データサイエンスの授業を開講しています。加えて、昨年度から、次世代創造医工情報教育センター(通称 Nx-CEC)において、新しい医療技術の開発や、社会課題に挑戦するアントレプレナーシップ(起業家精神)を身に付けてもらうためのカリキュラムもスタートしています。■■■■■■■■■■■■■学長メッセージ Message from the President
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