047福祉政策系・コミュニティ福祉系・臨床福祉系・生涯発達支援系・福祉⼼理系の5つの教育系に分かれる社会福祉学部。それぞれに特色ある研究活動が行われています。政治学、社会学、教育学、哲学を学際的に研究してきた高橋教授は、それらへのアプローチを使った「社会政策システムを横断的に考える理論研究」が専門です。社会福祉や医療、教育など国民生活に関わる領域の総称である「社会政策」。ゼミにもこれらの領域に理論的な関心を持つ学生が集まっています。「理論研究とは、文献を読み約30年間名古屋市の社会福祉協議会に勤務してきた平坂准教授。専門は「地域福祉」で、「包括的支援体制の構築に向けた多様な協働プロセス」「地域福祉実践におけるアクションリサーチの方法」を研究課題に据えています。「包括的支援」とは、複合的な問題を抱える個人や世帯を中心におき、住民と関係機関が連携する支援のこと。高木講師の主な研究テーマは、「災害派遣精神医療チーム(DPAT)の研究」と「社会的孤立・孤独の対策」。高木講師は、以前に精神科病院で精神保健福祉士として働いており、東日本大震災や熊本地震の際、被災地での支援活動に従事してきました。これらの経験を基に、災害支援における知見を深めたいと考えたことが、前者の音楽教室でピアノを指導していた際に、音を「聴く」ことの重要性と難しさを感じたという若林講師。そこから「聴く」ことに関する研究が始まり、「頭の中で音を聴く力(内的聴感)を育てる」というエドガー・ウィレムスの音楽教育にたどり着きました。彼の思想に基づいたフランスの音楽教室では楽器に出合う前に「音楽をアメリカの大学・大学院で犯罪学と心理学を学んだ紀司講師の専門は、「犯罪心理学」。帰国後、心理士として刑務所や更生保護施設、メンタルクリニックで働くなかで、犯罪と依存症に密接な関わりがあることを実感したことから、再び大学院に進学し、現在まで「依存症」を研究しています。依存症と聞くと一般的にはアルコール議論することにより、思想や思考の前提を問い直し、自分の考えとして表現すること。考えることと読書が好きな人には楽しいと思います」と高橋教授。このような研究を通じて、構想力や建設的なディスカッション力が養われます。それは知的に楽しいだけではなく人々の考え方や行動様式を通じて「人生」や「社会」を変えうる意義もあります。「このニーズが地域で高まっていると同時に、これを担う人材として『ソーシャルワーカー』への期待が大きくなっている」と話します。一方、地域住民が主体的に福祉を進める「地域の福祉力」の形成も重要で、形成における実践的視点や理論構築の研究にも取り組んでいます。研究のきっかけです。一方で後者の研究は、病院勤務時代から孤独・孤立の問題を抱える人が増えていることを実感し、それらの予防と対策のために取り組み始めました。このように研究領域が幅広いのですが、ゼミの学生には「自分の関心ごとを広げる機会にしてほしい」と関心が強いテーマでの研究を勧めています。愛することを学ぶ」期間が約2年間設けられており、若林講師はそれを日本に導入するための手法を探っています。一方ゼミの学生には、広く「音楽」をテーマにした研究を指導。音あそびやハンドベル、音楽劇などを体験する機会も提供しており、表現力や伝える力が身につくことが期待できます。や薬物をイメージしますが、紀司講師によると、依存の対象は「人間関係」やギャンブルのような「行動」など多岐にわたっているとのこと。「それを理解したうえで、科学的な視点で、犯罪とその背景にある依存症、再犯防止について一緒に考えるのは面白いのでは」と研究室での学びを呼びかけます。高橋 聡 教授の研究室平坂 義則 准教授の研究室高木 善史 講師の研究室若林 一惠 講師の研究室紀司 かおり 講師の研究室|ようこそ研究室へ|福祉政策系コミュニティ福祉系臨床福祉系生涯発達支援系福祉心理系
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