神戸大学 大学院経済学研究科・経済学部 2021
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14六甲台一口メモ l 兼松記念館前の八重桜,図書館から第二学舎にかけての銀杏並木,第三学舍裏側の紅葉など,六甲台には四季を通じて美しく色づく木々があり,とても癒される。 総合コースで経済学の研究者を目指す場合,前期課程2年間と後期課程3年間からなる5年一貫のカリキュラムとなります。前期課程2年間では所定の単位数(30単位以上)の講義・演習(ゼミ)・特殊研究(第2ゼミ)などを履修し,修士論文を作成します。後期課程進学後は,研究指導を通して論文を執筆し,学会報告や経済学の専門誌に論文投稿などを行い,博士論文を作成します。 本研究科の特徴は,ゼミを通じたきめ細かい研究指導が行われていることです。前期課程の入学後,研究科学生はそれぞれ特定の教員のゼミに所属し,前期課程・後期課程を通じて,基本文献の読み方から始まって,研究報告を通じての論文指導や学会報告のリハーサルまで,時には厳しい指導によって,研究者の卵として鍛えられていきます。前期課程では基本文献の輪読と修士論文の作成のための研究報告が,また後期課程では博士論文作成のための個人研究報告が中心となります。また特殊研究(第2ゼミ)を履修して,指導教員以外の教員からも研究指導を受けることができます。演 習(ゼミ) 選択必修科目の中で,ミクロ経済学,マクロ経済学,計量経済学に関する計12単位の授業を研究者志望者向けに設定しています。さらに,分析ツールを習得するための科目から,さまざまな分野の高度な専門科目まで,幅広い講義科目を選択することができます。また,学外から数名の非常勤講師を毎年招いています。これは現在学界で議論されている話題性のある専門分野を紹介するもので,研究科学生のニーズに応えています。講 義世界で活躍する研究者養成 研究者としての第一歩は修士論文の作成から始まります。修士論文は大学院に入学して初めて執筆する本格的な論文で,将来の研究方向をある程度決めることになる論文です。論文の作成は,1年目のテーマの決定,2年目の「修士論文公開セミナー」を経て修士論文の提出へと進んでいきます。修士論文 研究者養成の柱として演習とともに重要なものが共同研究・教育のためのワークショップ「六甲フォーラム」です。「六甲フォーラム」は複数のフォーラムで構成され,本研究科の全ての分野をカバーしています。フォーラムの主たる目的は次の二つです。一つは,演習の一環として博士課程後期課程の研究科学生と研究科教員が参加し,研究科学生の皆さんの研究報告に対して複数教員による組織的指導を行い,各自の研究課題が博士論文に結実するよう支援することです。もう一つは国内外の研究者を招聘し,講演・講義をしてもらうことによって,研究科学生の皆さんに最先端の経済学に触れてもらうことです。「六甲フォーラム」は毎月複数回開催されており,研究科学生にとって大きな刺激となっています。六甲フォーラム多鹿 智哉北星学園大学経済学部 経済法学科専任講師卒業生からのメッセージ研究者が歩む道のり 経済学の多くの分野では研究者は執筆した論文で評価されます。大学院,特に博士後期課程は論文を執筆するための基礎を身につける場所です。良い論文を執筆するには良い研究をすること,論文の執筆法を身につけることなどが必要になります。良い研究をするにはまずたくさんのアイデアを出して良いものを選ぶことが必要です。アイデアを発展させていくには様々な分析手法が必要になることでしょう。面白い結果が出てもそこで満足してはいけません。結果の解釈や既存研究と関連付けてそれがいかに面白いかを研究の聴衆・論文の読者に納得してもらうように表現できなければなりません。研究を国内外の学会や研究会で発表することも必要です。知らなかった関連研究や思わぬ解釈やアイデアを教えてもらえることでしょう。最終的に研究成果は国内外の専門査読誌に掲載を目指して投稿することになります。大抵は掲載拒否されるか大幅な修正を要求されます。ひとつの論文が完成し,掲載されるまで研究者はこの道程を何往復もすることになります。この道程は長く果てしなく見えますが,大学院では指導教員が責任を持ってともに歩んでくれるでしょう。大学院の価値はそこにあり,神戸大学にはそれがあります。

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