神戸大学 大学院経済学研究科・経済学部 2024
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ゼミ活動の成果 ゼミは,学問を通じて人格的な交流ができる,大学特有の場です。橋野ゼミでは,ティーム・ワークをはぐくみつつ,優れた卒業論文を書くことを目標にしています。「論文を書く」というと,孤独な作業のように思われるかもしれませんが,論文の書き方,テーマ探しから卒論の提出まで,みんなで協力し合って成し遂げています。協力とは?それは,ゼミの誰かが報告したら,みんなでたくさんの質問やアイディアを出し合うことです。お互いに議論を重ねると,一人一人の研究が良くなっていきます。そこで,卒論の資料や文献探しには,図書館が不可欠です。ゼミでは,社会科学系図書館の方にお願いし,毎年3回生は「図書館ツアー」をしています。恵まれた研究環境を実感でき,研究に弾みがつくようです。2022年度 最優秀卒業論文賞受賞者からのメッセージ2022年度優秀卒業論文賞授賞式の様子図書館ツアーを前に,説明を受けているゼミ生今村 勝茂木 快治 ゼミ所属橋野 知子ゼミ近現代日本経済史金融経済学・マクロ経済学 私たちがゼミの活動の一環として参加したのはWEST論文研究発表会です。この論文発表会は自分たちが焦点を当てた社会問題に対してデータを根拠に実証分析を行い,それを基に政策提言までをすべて論文形式で発表するものでした。全国から80組以上の大学生が参加する大規模な発表会です。西山教授からの的確なアドバイスやクラウドファンディングという先行研究が少ない分野をテーマに置くことで誰にも負けない論文づくりに挑戦しました。分析のために用いるデータが不足しているという苦労はありましたが,実際クラウドファンディング運営サイトからデータ抽出を行い,Pythonで実証分析を行いました。結果として満足のいくデータ,そして分析結果を導き出すことに成功し,研究部門ごとに分けられた発表グループの中で,審査員から高い評価を受けたチームに贈られる分科会賞を受賞することができました。白木基金と白木賞 白木基金とは,阪神・淡路大震災で犠牲になった経済学部の白木健介さん(当時学部3年生)のご両親から経済学部に寄附された資金を基に創設されたものです。各年度の優秀な卒業論文に対して,この基金から優秀卒業論文賞が贈られており,「白木賞」とも呼ばれています。西山 慎一 ゼミゼミ活動の集大成:卒業論文 多くの大学で卒業論文が課されなくなっている中,神戸大学経済学部は,卒業論文を2年間の研究指導の集大成として非常に重視しています。これは経済のグローバル化が進み,国際的に通じる論理を持って自己の考えを主張することが求められている今こそ,高度な調査,分析,論理構築を必要とする卒業論文の作成が重要な訓練になると考えるからです。学生一人ひとりの個性が存分に引き出される学生生活 学生生活のほとんどをコロナ禍のなか,過ごすことにはなりましたが,先生方,教務係の方々をはじめとして,さまざまな方のご尽力のおかげで,勉学,部活に前向きに取り組み続けることができました。 ゼミでは,先生のご尽力もあり,そのほとんどを対面で行うことができました。ゼミ生が行き詰まるところがあったときには,先生はゼミ生の考え,アイディアを否定することはせず,一緒に考えることで,的確なアドバイスをしてくださりました。また,同期のゼミ生同士だけでなく,学年を超えてお互いに論文について議論を行いました。結果として,ゼミ生一人ひとりが個性豊かな素晴らしい卒業論文を執筆することができました。 神戸大学経済学部にご入学を検討している皆さま。本学部は学生一人ひとりの潜在能力を最大限引き出してくださる先生方がたくさんいらっしゃいます。本学部での成長を是非とも楽しんでください。13

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