神戸大学 大学院経済学研究科・経済学部 2024
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経済学部4年生羽森 茂之 ゼミ所属協定校への留学アイルランド留学体験記藤川 淳喜海外からの留学生かけがえのない留学生活レークインアイン(ベトナム)2020年度編入生として経済学部卒業藤田 誠一 ゼミ所属2023年度修士課程 松林 洋一 ゼミ所属経済学部4年生佐野 晋平 ゼミ所属協定校への留学ドイツ交換留学記鈴木 結雅海外での研究南アフリカ研究東 雄大2019年度博士課程後期課程修了勇上 和史 ゼミ所属 私は三回生の後期に協定校であるアイルランドのダブリンシティ大学へ交換留学に行きました。高校生の頃から「大学生になったら留学したい」と思っていたので,大いなる期待とかすかな不安を胸に異国の地へと飛び立ちました(住む場所が決まったのが留学1週間前で,その時は不安満載でしたが笑)。留学生活は期待以上に充実感で溢れており,特にアイルランドの学生だけでなく他国からの交換留学生との関わりから様々な国の文化や生活の違いを肌で感じることは刺激的でした。例えば,30人近くで1つのキッチンを共有すると知ったときは絶望しましたが,食事の時間が国によって異なることでうまく共有できたことには感動しました。授業は,開発経済学や産業組織心理学など自分の興味のある授業を受けましたが,無論全ての授業は英語で行われました。私は経済学部のIFEEKというプログラムに参加していたことで,英語開講の経済学の授業を受講することができ,留学する前から“英語を”学ぶことはもちろんのこと,“英語で”学ぶ力を身に着けることで,あまり抵抗感もなく現地の授業を受けることが出来ました。これを読んでくれている皆さんは少なからず留学に興味を持っており,また不安も感じているかと思います。しっかりと留学のために準備を行っていれば,不安は杞憂に終わるでしょう。神戸大学の経済学部ではその“準備”を行う環境が整っていますので,是非挑戦してみて下さい。 私は学部3年生の時,編入生として神戸大学経済学部に入学しました。国際金融に興味を持っていたので,藤田先生のゼミに入りました。ゼミでは,テキストの熟読を通じて専門知識を習得し,他大学との対抗ゼミにも参加する機会を得ました。外国人であったため,一人暮らしを始める際に単なる言語の壁だけでなく,専門知識についての理解を深めるために様々な挑戦がありました。しかし,先生からのご指導や友達の親切さ,神戸大学からの支援のおかげで,新しい環境に慣れることができました。コロナ禍の影響で卒業式が中止となったことは残念ですが,神戸大学で貴重な学生時代を過ごし,自己成長することができました。 その後,神戸大学大学院に進学し,経済学研究科に所属しています。実証分析をしたいと思い,松林先生の計量経済学ゼミに入りました。ベトナムのデリバティブ市場に関する研究を中心に行っています。学部のゼミよりも難易度は高いですが,ゼミ生たちが発表するテーマについて意見交換や質問を出し合うことで,理解を深めることができます。先生の指導の下,参考文献のサーベイをじっくりと行い,毎回の発表に工夫を凝らし,自分なりの言葉で表現するようにしています。 多くの学生に,神戸大学で留学生として生活することを体験し,将来の人生に役立つことを見つけてほしいと思います。 私は3年生の後期に部局間協定校であるドイツのマールブルク大学へ交換留学に行きました。私は経済・文化・法などの様々な観点からEUについて英語で学ぶことができるKUPESというプログラムに参加していたため,これまでの学びを深め,広げることができたという点で大いに実りのある留学になりました。授業は神戸大学でも学んだ基礎的な経済学に加えて,自分の興味のある分野の授業を受講しました。特に印象に残っている授業はサステナビリティマネジメントという授業で,環境先進国であるドイツで,実際の環境意識を知ることができたり,企業の持続可能な戦略について先生も学生も一緒になって議論できたりしたことは,とても刺激的でした。また,3年生の前期に神戸大学でチューターをしていたドイツからの留学生と,今度はドイツで再会し,クリスマスマーケットに行ったり,年末年始を一緒に過ごしたりすることもでき,とても感慨深かったです。 私は交換留学を通して,自分の限界を決めて自制するのではなく,挑戦してみよう,そして試行錯誤を繰り返してみようという考え方へと変化していきました。異国の地で自分のやりたいことをやってみる,挑戦してみるという経験は,自分の糧になっていると感じます。そのため,留学に興味を持っている方は,後悔をしないように,ぜひ挑戦してみてほしいです。 国際的な研究グループに参加し,南アフリカにおける貧困と過去の人種隔離政策の関係を研究する機会に恵まれました。実はこの研究は博士論文のテーマとは異なるのですが,自身の研究で身につけたデータ分析の技術を生かして参加しました。この研究のために,神戸大学から支援を受け,南アフリカを訪れました。経済学研究科の博士課程後期課程の学生を対象とする,海外での研究活動に対する支援制度を利用させていただきました。現地ではケープタウン大学の共同研究者を訪ねたほか,地方にも行きました。ケープタウンは裕福な白人が多い大都市ですが,地方は人口の大半を貧しい黒人が占めており,格差の大きさに驚きました。そこの住民から直接話を聞くことで,研究のヒントを多く得ることができました。実際に研究を進めると,過去の人種隔離政策は貧困率の地域間格差として現在にも影を落としていることがわかりました。在学中に博士論文とは別の研究ができたこと,研究室を飛び出し実際に現場を訪れたことは,今後の研究者人生を歩む上で貴重な経験となりました。33

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