熊本大学 理学部 2024
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π中間子の2光子崩壊のファインマン図回転するブラックホールによるアルフベン波の励起宇宙背景放射の温度揺らぎと揺らぎに伴って生成される原初磁場液体半導体中の化学結合液体金属のシミュレーション素粒子論 素粒子論は、物質を構成する素粒子の性質や素粒子間に働くカの法則を整理し、素粒子による現象の説明や実験できない領域でも使用できる原理の解明を目指して発展してきました。その一つとして、重力場における素粒子を記述する場の量子論に関する研究を行っています。宇宙プラズマ物理学 宇宙では、 ほぼ光速で噴出するジェット(細く絞られた高速の流れ)が観測されています。そのような高速の宇宙ジェットは、ブラックホール付近のプラズマと磁場の激しい現象により形成されると考えられます。宇宙には他にも、 太陽表面の爆発現象-太陽フレアー-などさまざまなプラズマと磁場による激しい現象が起こっています。宇宙でもっとも活動的なプラズマのダイナミクスを、理論と数値シミュレーションにより研究しています。宇宙論 宇宙論とは宇宙がどのようにして始まり進化してきたかを追究する学問です。宇宙はそのごく初期にインフレーションと呼ばれる加速膨張期を経てビッグバンと呼ばれる高温高密度状態になり、やがて宇宙膨張とともに冷えて現在に至っていると考えられています。近年精密に観測が行われている宇宙背景放射や銀河分布の大規模構造などの情報から、 宇宙の始まりと進化、 またダークマターやダークエネルギーといった謎に迫っています。計算物質科学 高温状態にある物質(液体金属、液体半導体、水素吸蔵物質、固体酸化物燃料電池材料など)の性質を理解するために、 物質中での原子や電子の動きを理論的手法、 主として計算機シミュレーションの手法を用いて調べています。また、 新しいシミュレーション手法の開発、 コンピュータ・ グラフィックスやアニメーションによる可視化に関する研究も行っています。物理学コース 研究の紹介

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