熊本大学 理学部 2024
39/44

コバルトなどの金属と組み合わせた金属錯体の合成を行っていました。 大学に入った後でも、自分の興味は変わるものです。熊本大学理学部では各コースの基礎授業を体験してからコースを決定できるため、自分の興味があることや、将来就きたい職に合わせて勉強を進めていくことができます。 将来のことや自分の夢はまだ決まってない人が多いと思いますが、焦る必要はありません。大学はとにかく自由です。じっくりと考えて自分が最も興味があることを追求し、大学生活を満喫してください。組む、日本最大級の研究機関です。アカデミアで行われている基礎的な研究と、企業で行われている実用的な研究のどちらに進むか迷っていた時に、どちらも重視している産総研の存在を知り、研究員になりました。  熊本大学理学部の良さは、自然科学について幅広く学べるところだと思います。友人とそれぞれの得意分野を持ち寄りながら、ともにテスト勉強をしたのは良い思い出です。大学時代は将来の自分を形成するための重要な期間。大学生活を楽しむとともに、将来のなりたい自分を想像しながら、いろんな経験をしてほしいと思います。考法(アブダクション)は、学部時代から繰り返し行なってきた様々な仮説を立て何度も検証することによって培われたスキルです。地球上の岩石だけが記録している絶滅事件を解き明かすことで、現代でも起こりうる大規模火山噴火などによる地球環境の変化や生物に与える長期的な被害について重要な知見をもたらすことも期待できます。 熊本大学理学部は、将来についてじっくり考えられる場所だと思います。私自身、興味のある分野が曖昧なまま入学しました。「何に興味があるのか」がわからなくても、先生方と交流しながらたくさんの研究分野に触れることで、選択肢の幅を広げ、やりたいことが見つかると思います!分裂酵母ジャポニカスのお酒は芋焼酎、クラフトビール、米焼酎にしかまだ用いられていません。そこで、この酵母を使って、自分の手でお酒をつくり、世界に広めていきたいと思っています。 熊本大理学部の良さは、自分に合った専門科目を選べることです。高校時代とは異なり、それぞれ学問として向き合えることもメリットだと思います。高校生のみなさんは、だれにも負けないぐらいの熱量をもって、取り組めるものを広い視野で探してみてほしいと思います。私にとってはそれがお酒です。※2024年度に取材※2024年度に取材※2023年度に取材※2024年度に取材化学コース地球環境科学コース生物学コース2019年 大学院自然科学研究科     博士後期課程 修了2018年 大学院自然科学研究科     博士後期課程 修了2021年 大学院自然科学研究科     博士後期課程 修了2024年 大学院自然科学教育部     博士前期課程 修了研究員研究員助教国立研究開発法人産業技術総合研究所国立研究開発法人産業技術総合研究所福岡大学理学部地球圏科学科黄桜株式会社勤務大曲 仁美2014年 理学部理学科 卒業窒素を含む資源物質の循環利用システム確立をめざす ナノサイズのたくさんの孔をもつ多孔質材料の開発や、実用化に向けた実証試験を行っています。特に世界的にも問題になっている、窒素を含む資源物質の循環利用システムの確立を目指しています。産業技術総合研究所にはさまざまな研究分野の研究者が集まっています。日本の優れた産業技術向上に大きく貢献できるトップの国立研究所であるからです。産学官連携により、日本のオリジナルの技術を中心となって開発することが目標です。  大学院では、炭素・窒素・水素などが含まれる有機分子を合成し、鉄や河津 貴大2013年 理学部理学科 卒業環境問題の解決めざしバイオマスの有効利用を研究 バイオマスの有効利用に関する研究をしています。バイオマスの有効利用は地球温暖化の防止や循環型社会の形成といった世界的な課題の解決に寄与する技術です。その中でも私は学生時代に培った有機合成技術と触媒技術を生かして、バイオマスを有用な化合物に変換する技術を開発しています。 今の目標は2050年のカーボンニュートラルを達成するための技術を創出・社会実装し、環境問題の解決に貢献することです。 私の所属する産業技術総合研究所は技術の創出と社会実装で社会課題の解決に取り冨松 由希2015年 理学部理学科 卒業理学部は、じっくり考えやりたいことを見つけられる場所  大学時代の研究で最も時間を要したのが、堆積岩からプランクトンの化石を抽出する作業。効率的な方法を開発できないかと試行錯誤を重ね、大きく発展させることにつながりました。これまでのやり方で満足せず、向上心を持って検証を重ねて効率的な手法を見つけるという姿勢は、最初に学んだことの一つです。 現在は、地質学の中でも層位・古生物学が専門。三畳紀末(約2億140万年前)の陸上と海洋に暮らす生物に起こった大量絶滅事件について研究しています。当時の地層に記録された様々な「結果」から、誰も見ることができない過去の「原因」を推測する必要があります。このような思武市 将義2022年 理学部理学科 卒業自分で育種開発した酵母でお酒をつくりたい 清酒製造に携わっています。この仕事を選んだのは、お酒が好きで、自分の手でお酒づくりをしたいと思ったからです。 大学・大学院時代は、「分裂酵母ジャポニカス」という酵母の吟醸香高生産株の育種と遺伝子解析の研究をしていました。「分裂酵母ジャポニカス」は日本のイチゴから分離された酵母で、二分裂で増える特徴があり、通常酒類の醸造に使われる出芽酵母とは遺伝的にも大きく異なる珍しい酵母です。大学院時代は、この酵母を使って本格米焼酎などの開発にも携わりました。限定販売した焼酎は好評ですぐに完売しました。

元のページ  ../index.html#39

このブックを見る