高知工科大学 2024
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4クォータ3クォータ2クォータ16セミナーや実験を早い段階からスタート。大学1・2年次の勉強は、ともすれば専門領域を学ぶための基礎となる知識を習得するための座学が中心になりがちです。しかし本学では、1・2年次から「セミナー」や「学生実験」を行い、“知の冒険”の面白さに、早い段階から触れられます。多彩な領域から目的や興味に合わせて柔軟に学べる。理学、工学、情報学、経済学、マネジメント学、データサイエンス。これらに共通するのは、その領域が非常に幅広く、しかもそれぞれが互いに影響を及ぼしていることです。例えば工学分野で知能機械工学を専攻する場合、材料工学やプログラミングの知識は不可欠です。経済学やマネジメント学領域においてもゲーム理論や進化生物学、社会心理学など多様な専門分野を融合させた新たな社会科学の構築が求められています。本学が多彩な領域から目的や興味に合わせて柔軟に学ぶことができる学群・専攻制を採用している理由はここにあります。学生の質問や相談を受けられるよう、教員が時間を決めて教員室に在室するオフィスアワー。欧米ではごく一般的な制度も、本学が開学した当時はまだ日本では馴染みの薄いものでした。その後、導入する大学が増加しましたが、それが有効に機能していないケースも多いようです。オフィスアワーが有効に機能するには、何よりも教員と学生とが信頼の絆によって結ばれていることが前提条件。そのためには場所と時間を限定したオフィスアワーだけでなく、学生と教員との日常的なコミュニケーションの積み重ねが必要なのです。1・2年次から始まる少人数セミナーや実験は、教員と学生との緊密なコミュニケーションを重視した授業。教員1人に対し学生約10人で、課題やテーマを深く掘り下げていきます。教員と学生、あるいは学生同士が意見や疑問をぶつけ合いながらテーマの本質を探り、考える力やコミュニケーション力を養います。半数以上の教室がセミナー室という施設設計にも、少人数教育を重視する本学の姿勢が表れています。一人ひとりの目標に応じた学修が可能に。必修科目はなく、自分が興味をもった科目を将来の目標に応じて自由に選択し、一人ひとりに合ったオリジナルのカリキュラムをつくることが可能です。他学群の科目も選択可能。履修に際しては、指導担当教員がアドバイスします。全教室の半分以上がセミナー室、これもコミュニケーション重視の表れ。4月6月初旬8月1学期学士+修士=12月初旬10月2月2学期4月本学では、1年次から各学生に指導担当教員がつき、科目履修の指導などを行っています。研究室配属となる前から、指導担当教員がつくことで、大学在学中は、多面的なサポートを受けることができるシステムが整っています。(必修科目なし)KUT WAY 2024夏期休業学年末休業1 年次から専門科目指導担当教員制研究以外でも頼れる先生がいるから心強い。学群・専攻制全科目選択制全科目選択制オフィスアワー1997年の開学当初から、先生とじっくり話し合う機会の大切さを重視。少人数教育5年間学士課程は4年間と決まっているわけではない。学群3年次または3年次半終了後、本学の大学院修士課程に進学できる制度があります。学群と大学院の教育をシームレスにつなぐことで、高度な専門能力を身につけます。クォータ制25年前、当時日本では珍しいクォータ制を導入、その意図は、グローバル化だけではない。クォータ制が注目される理由のひとつはグローバル化への対応。一般的な海外の大学と学期の区切りを合わせることで、学生の留学、留学生の受け入れ増加につなげようという考えです。しかし日本で最初に本学がクォータ制を導入した理由はそれだけではありません。クォータ制の場合、1科目を週2回のペースで学び、約8週間で終わります。同時に学ぶ科目が少なく、授業間隔が短いことで覚えたことが頭に定着しやすく、また、学期ごとの成績に応じて、こまめに履修登録の変更ができるというメリットがあります。年間4つの学期があれば、試験の実施日は日本の大学で主流のセメスター制(2学期制)の倍になりますが、一度に受ける試験科目数は半分となり、学生の負担は大幅に減少します。本学がクォータ制の採用に踏み切ったのは、人が育つ大学として当然の選択だという確信があったからこそ。その確信に、今、時代がようやく追いつこうとしています。1クォータ早期卒業早期卒業講義はほとんど3限までで終了やりたいことを突き詰めるには十分な時間が必要だ!各々が自らの進みたい道を究め、志を成し遂げるためにこそ大学は存在します。志を同じくする仲間たちと錬磨しつつ目標を達成できる環境を一段と強化するため1日の講義の多くを3限目までで終了させます。その後の時間は各々の目標や夢に向かって力を伸ばすために有効に使えるという、日本では稀有なシステムを採用しました。それぞれの熱い志を胸に、夢に向かって駆け出せるよう、制約を可能な限り削ぎ落としたのです。

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