高知工科大学 2024
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例えばこんな講義例えばこんな研究室園部 元康 准教授受け入れ可能な専攻|知能機械工学/航空宇宙工学/エネルギー工学32KUT WAY 2024次世代における高度に知能化されたものづくり技術で社会に貢献する次世代における高度に知能化されたものづくり技術で社会に貢献する学士課程 機械システムのさらなる「知能化」「情報化」が進む中、人と環境に優しいシステム開発が今まさに求められています。このような時代の要請に応え得る新しい機械工学においては、機械技術にメカトロニクスやコンピュータ応用の技術を組み合わせた「融合された技術」が重要です。ものづくり技術を駆使し、社会に貢献できる次世代の技術者が育つことをめざした教育を行います。修士課程では、さらにメカトロニクスなどの分野の専門力を伸ばし、工学諸問題を実際に解決していく力を身につける教育を行います。液晶を応用することで、新しい機械の創出液晶は固体と液体の間の状態であり、液体と固体の両方の性質をもちます。最も身近にある液晶製品は液晶ディスプレイですが、本研究室では液晶を応用した機械の創出を行っています。例えば、モータの駆動源に液晶を利用することで、直径0.1mmのマイクロモータを実現しました。さらには、細くて曲がりくねった所に、アメーバのように変形しながら物を運ぶことができる駆動装置の開発にも着手しています。これらは医療やマイクロマシンなど幅広い応用が期待できます。 機械技術者の活躍するフィールドは、広範囲にわたります。しっかりとした機械工学の基礎専門力に加え、システムのインテリジェント化に不可欠な応用技術を身につけたエンジニアとして力を発揮することが可能です。高度機械技術で社会に貢献できる人材として、自動車や設備機械、精密機器などの製造業はもちろん、工学全般の幅広い分野で活躍が期待されます。人のダイナミクスの詳細な計測と医療分野への応用動く物体の力学解析のためには力と変位の計測が必要であり、一般的には力センサ、光学センサなどを複合して計測します。計測の重要性は、自動車や航空機のみならず人間の解析でも同じですが、人の計測は難しく高齢者・患者・スポーツ選手などの解析がこれまでは不十分でした。当研究室では、フォースプレート計測から姿勢を推定するシステムを開発し、1mm以下の微小な姿勢の変化や関節力を推定することに成功しました。現在は、立位姿勢の計測から身体の不調を判定するシステムを整形外科や耳鼻科の医師と一緒に開発しています。学ぶ意義学士課程学士課程将来の展開ロボット工学1、21では、車輪型・歩行型とマニピュレータを対象とし、機構、力学、計測、知的制御に関する基礎知識を身につけます。実応用として、掃除・福祉介護ロボットなどを紹介します。2では、二輪独立駆動型移動・三輪オムニホイール型全方向移動ロボットを実例として、移動ロボットの運動制御に関する理論と技術について学習します。人工知能システム人工知能AIは、高速処理能力をもっているが、融通性においては人間に及ばないコンピュータを“偉大なる知恵者”に変えようとするものです。本講義では、人工知能の基本概念の導入とニューロコンピュータの基礎を知り、車の自律走行や知能ロボットを実現するための基礎知識を習得することを目的とします。辻 知宏 教授受け入れ可能な専攻|知能機械工学/航空宇宙工学/エネルギー工学大学院修士課程制御工学特論より高度な制御システムの構築のために、ロバスト制御と2自由度制御系を理解し、それらを用いたコントローラを設計できることを目標とします。ロバスト制御では、周波数応答に基づいたシステムの不確かさを考えるとともに、周波数的にシステムの性能向上を行える補償方法としてH∞制御を用いた設計法を学習します。2自由度制御では、フィードフォワードとフィードバックの両方を用いることにより、システム応答を自由に設定可能な設計法について学習します。 大学では主に航空宇宙工学を学んでいましたが、学んでいるうちに家電などの軽工業に興味が移り、3年次の研究室配属では川原村先生(川原村 敏幸教授)の研究室を選び、大学院への進学の際に知能機械工学コースへ移りました。先生の研究は幅広く、様々なテーマに取り組まれていて、当初は全方向に動く床「ユークリーター」に興味を惹かれていましたが、先輩方の話を聞くうちに、液滴の研究に取り組もうと決めました。マイクロサイズの液滴がライデンフロスト現象※を起こしているかどうか、まずはそれを観察するための装置づくりや解析するためのプログラム制作からスタートし、液滴がライデンフロスト状態である可能性を示唆する結果を確認できました。大学院修了後は、パナソニックのグループ会社で、放送・業務用映像機器の開発に取り組む予定です。人々に感動を与えるような仕事ができればと思っています。流体工学研究室マイクロサイズの液滴でもライデンフロスト現象が発生しているのか、その観察の装置から解析プログラムまで開発しました。草下 圭太さん岡山県立玉島高等学校出身動的デザイン研究室※ライデンフロスト現象液体をその沸点よりも高温に熱した固体の上に垂らしたときに、液体の下部から蒸発した蒸気の層が固体と液体との間に介在して両者間の熱伝導を阻害するために、液体が瞬時に蒸発してしまうのを妨げる効果のこと未来に進む先輩知能機械工学専攻大学院工学研究科 基盤工学専攻修士課程知能機械工学コースSystems Engineering

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