高知工科大学 2024
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例えばこんな講義例えばこんな研究室渡辺 菊眞 准教授受け入れ可能な専攻|建築・都市デザイン佐藤 愼司 教授受け入れ可能な専攻|建築・都市デザイン36KUT WAY 2024建築と土木の“垣根”を取り払い、ハード・ソフトの両面から安心・安全・心豊かな社会をデザインする建築と土木の“垣根”を取り払い、ハード・ソフトの両面から安心・安全・心豊かな社会をデザインする学士課程 今、土木分野では「景観デザイン」という考え方が重視され、建築分野でも周囲の景観と調和した建築設計が求められるなど、建築と土木の共通領域が広がりつつあります。こうした時代状況に合わせ、本専攻では、従来、別のものとされてきた建築と土木の“垣根”を取り払い、ソフト・ハード両面から「安心・安全・心豊かな未来社会の創造」をめざしています。修士課程では、社会基盤や住環境の計画・整備と運営・維持のための、高度な要素技術やデザインを学び、分野横断型の技術開発力やデザイン力を身につけます。地域環境の隠れた魅力を探り当て、魅力が花開く建築を設計・建設します。まずは身近な地域に幾度も足を運び、地域環境や風景をじっくり観察することで、地域環境の隠れた魅力を探り当てる能力を身につけます。その後、そこでどのような建築提案ができるかを、文献調査やゼミでの議論、即日設計やラフ模型制作などを通じて建築構想能力を高めるための研究を進めます。さらには、構想や設計だけにとどまらず、様々な地域の現場(身近な地域から海外まで)にて建築実作し、普段構想してきた建築が、現地でどのようなかたちで実現し、貢献するのかを自らの手で作り上げ学ぶこともできます。 将来の進路としては、住環境から社会インフラまでの整備、運用と維持のための、企画・計画・設計・技術開発・研究といった職種で活躍することを目標としています。建築・土木系の企業に加え、公務員、まちづくりや地域おこしをめざすNPO・NGOなどの業種、また、リモートセンシングやGIS(地理情報システム)の専門知識を生かし、防災分野で活躍することも期待されます。また、プロジェクトマネジメントの知識を生かし、一般企業で企画や経営部門のマネジメントスタッフとして力を発揮することも可能です。海岸を美しく安全でいきいきとするための研究をしています。海岸は、海の豊かさを利用できるかけがえのない地域ですが、津波、高潮、海岸侵食などの脅威にもさらされています。海岸の環境を望ましい状態にするためには、防災・環境・利用のそれぞれについて研究する必要があります。海岸工学研究室では、毎週のゼミで海岸工学の学習を続け、波・流れや土砂移動に関する知識を身につけたうえで、それぞれが興味をもつ研究テーマで研究を進めます。高知・四国のみならず、全国各地の海岸で調査することもあり、研究成果は、国際会議で発表したり、学術論文に投稿したりします。自然が好きな方、自然環境と社会の望ましい関係に興味がある方は、自分に合ったやりがいのある研究テーマを見つけられます。学ぶ意義学士課程学士課程将来の展開地理情報システム地理情報システム(GIS)とは、位置に関する情報をもった多種多様な地理空間データを統合分析するためのツールです。従来は種類ごとにそれぞれ紙の地図に書き込んでいた各情報をコンピュータ上で統合することで、複雑かつ大量の情報処理が可能となり、行政業務の効率化、社会基盤施設の維持管理、防災やマーケティング等の分野でも役立っています。本講義では地理情報システムの基本を学び、さらに、演習を通して地理空間データの作成、表示、編集、分析の方法を習得します。防災システム計画防災まちづくりの観点から、地震のメカニズム、都市の安全性の評価、都市防災システム計画の最新技術のほか、地震防災上の地理情報システムなどの都市防災技術を学びます。既存の建築物の耐震診断演習を通じて、建物の耐震性能および補修技術を習得します。大学院修士課程環境建築デザイン特論環境建築(Architecture adapted to Environment)は文化的環境建築および技術的環境建築の複合体です。この講義ではまず文化的環境建築を支える思想・歴史・空間特性を、日本建築や西洋・イスラム圏の建築をもとに、演習とディスカッションによって学びます。次にそれらを通して、文化的側面と技術的側面とを組み合わせるための思想と手法を学び、総合的な環境建築を設計する思考法と空間構成技術を習得します。 高校の頃から建設関係の学びに興味がありながら建築や土木など専門的な分野を絞りきれずにいたので、入学し幅広く学んだうえで専門分野を決められる高知工科大学の学びのシステムは魅力的でした。その中で知った交通工学という分野は、交通流の計画や管理に関わる学問で、将来仕事として取り組んでいきたい分野だと思い、西内先生(西内 裕晶准教授)の研究室に所属しました。大学院では、従来の道路上の感知器とETCによる渋滞予測ではなく、路線バスにGPSを取り付け停留所ごとの通過時間を計測し蓄積していくことで、その道路の渋滞などの傾向を調べるという研究に取り組みました。幹線道路だけでなく、地域の生活道路での交通流を把握し改善策の根拠データになりうると考えています。 大学院修了後は、西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)に採用が決まりました。今まで培った交通流の知見を使って、高速道路をより快適に使っていただける社会を実現したいと思っています。環境建築デザイン研究室新しい発想と技術で、幹線道路だけではなく地域の生活道路における渋滞などの傾向を把握できるようになりました。■田 朋恵さん和歌山県立桐蔭高等学校出身海岸工学研究室未来に進む先輩建築・都市デザイン専攻大学院工学研究科 基盤工学専攻修士課程社会システム工学コースSystems Engineering

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