高知工科大学 2024
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未来に進む先輩例えばこんな講義例えばこんな研究室石井 浩二郎 教授堀澤 栄 教授44KUT WAY 2024多様な生命情報をもとに構築される生物システムの仕組みを理解し応用する多様な生命情報をもとに構築される生物システムの仕組みを理解し応用する学士課程 生物は多様な生命情報が段階的に組み上げられた多階層システムととらえることができます。そのシステムの枠組みのうえで、生物は様々に変化したり恒常性を維持したりしながら、常にダイナミックな駆動を続けています。そのような生物システムでは、それぞれの階層に膨大な情報が含まれます。生物はそれらを有機的に活用し、遺伝子やタンパク質の働きから細胞の挙動の調節、さらには多細胞組織の形成や多様性をもった生物環境の構築に生かしています。本専攻ではこのような生命情報と生物システムのしくみの基本と応用を学びます。生命情報の複雑ながらも効率的なしくみを理解し、生命情報を読み解く技術を幅広く身につけることは、これからの社会をすべての生命が輝く社会へと導くために大きく役立ちます。生命をつなぐ染色体が示す無限の可能性を追究する。染色体は生物のゲノム情報を担う重要な構造体であり、親から子へと、あるいは細胞から細胞へと、脈々と受け継がれていきます。染色体の中にあるセントロメアやテロメアといった特殊機能領域は、このようなゲノムの安定な継承に特に重要な役割を果たします。しかし最近の研究で私たちは、セントロメアやテロメアが染色体の編成変化にもダイナミックに適応する不思議な能力をもち合わせていることに気づきました。私たちは、分裂酵母を解析対象モデルとして、そのような染色体の柔軟で頑強な特性とその分子メカニズムの解明をめざしています。 ゲノム情報の解読や応用、生体細胞でのゲノム遺伝子情報の編集、人工遺伝子導入や遺伝子破壊といった遺伝情報の操作に加えて、タンパク質酵素や細胞内代謝物の特性の解析やその人為的改変、生きた細胞を用いた蛍光ライブイメージングなど、生命科学の多彩な先端手法を学びます。医薬品・食品の開発や環境浄化・保全など幅広い分野に対応できる応用力が身につきます。さらに、応用物理専攻や機能化学専攻で提供される科目の学習を通じて、多角的な視点からの問題解決能力も育ちます。大学院に進学して深い思索力と探究力を学び、企業の研究開発部門をはじめとした様々な分野で活躍できる人材への成長が期待されます。※ 専攻・副専攻に関わらず、学群内のすべての研究室を志望することができます。資源循環を担う微生物の集団力に迫る。森林には豊富な生物資源が蓄積されており、環境親和性の高い方法で利用することで化石資源に依存しない循環型社会の形成に貢献できます。植物など天然資源を負荷の小さい方法で変換、利用する方法の開発を目的にしています。自然環境中の微生物を群集としてとらえ、集団としての機能や関係性を明らかにすることで効率的な方法の開発が可能になると考えています。森林資源として豊富な木材を資源として変換するために、木材を分解するキノコやその周辺の微生物との関係を調べています。学ぶ意義学士課程学士課程将来の展開細胞生物学細胞は生物の最小構成単位であり、細胞の生命のしくみは生物学を学ぶうえで基礎的な知識となります。細胞生物学では、細胞の構造、生命に基本的な分子、エネルギー合成などの基本的知識を学びます。環境遺伝学DNA二重らせんモデルの発表以来大きく発展した遺伝学は、細胞生物学・発生生物学・進化生物学などの諸生物学分野にとどまらず、医学・薬学・農学・生物工学等、広範な分野に大きな影響を与え続けています。このように爆発的に発展を続け、多様化した遺伝学の考え方・手法・成果について学びます。大学院修士課程染色体制御論生物の設計図を情報としてコードするゲノムは、生物を形作る全ての細胞の中に正確に維持され、次世代の生物に向けて確実に継承される必要があります。そのためゲノムは、細胞内では『染色体』という複雑な高次構造をとっています。多彩な機能を適切に果たすため、染色体には常に高度で緻密な制御がかかっており、その破綻は様々な問題を生み出します。このような染色体制御の基礎的な理論と最先端の応用について学習を進めます。 高校時代から生物が好きで、特に細胞や染色体の分裂について、大学でより深く学びたいと田中先生(田中 誠司教授)の細胞増殖制御研究室に所属しました。正しい細胞分裂には、細胞の設計図である染色体DNAを正確に複製し(S期)、倍化した染色体を2つの細胞に均等に分けること(M期)が必要です。この一連の過程は、各時期を担当するタンパク質によって進められますが、この時、役目を終えたタンパク質が分解・消失することが正しい細胞周期の進行には重要です。しかし、これらの中には分解される理由がよく理解できていないものも存在しており、私が扱っているタンパク質もそのひとつです。このタンパク質はS期に重要な働きをもちますが、S期以降も細胞内に存在し続けてしまった場合、細胞は死んでしまいます。では、なぜ細胞は死んでしまうのか、その理由やメカニズムを解き明かすことを研究テーマにしています。そのため、約2時間で細胞分裂を行う出芽酵母を使って実験を続けていて、研究室に入り浸りの毎日を過ごしています。                                              染色体機能制御学研究室高性能な機械のように精密な細胞の分裂について、謎を解き明かすべく日夜実験を繰り返しています。小野 凜之輔さん高知県立中村高等学校出身森林資源学研究室理工学コース(生命情報分野)生命情報専攻大学院工学研究科 基盤工学専攻修士課程Engineering Science

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