京都大学 大学案内 2024
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123文学部京都大学の文学部は、哲学・思想・歴史学・文学・文化・行動科学等に関わる諸問題を学び考え、自由の学風を重んじる本学の基本理念をふまえながら、新たな知的価値の創出をめざす学生を求めています。入学者の選抜においては、次の3点が問われます。❶ 総合的な基礎学力をもっていること。❷ 過去から現在に至り、さらに未来にまで伸びる人類の営みについて、深い関心をもっていること。❸ 高度な文章読解力、および論理的かつ柔軟で、創造性豊かな思考力と それを表現する力をもっていること。哲学・歴史学・文学・行動科学に関する基礎的学識と専門分野についての深い理解力を養い、卒業論文の作成を通じ、問題の探究・分析能力や表現力を身につける。哲学・歴史学・文学・行動科学に関する諸課題に向きあうことで問題の発見・解決能力を養い、創造的に取り組む姿勢を身につける。人文学の意義と重要性を理解し、高い倫理性をもって、その展開に寄与する行動が可能な能力を身につける。自由で批判的な精神と良識を養い、人類が直面する課題を直視し、問題解決に積極的に寄与することができる能力を身につける。国際化に対応した新しい研究者の育成京都大学の文学部が掲げる最大の目標は研究者の養成です。ただし研究対象が日本あるいは諸外国・地域の文学・文化に関わらず、国内の評価だけで研究者として認められる時代は過ぎ去りました。世界の研究者と対等に渡り合い、自身の研究価値を世界に認めさせながら国際的研究水準のレベルアップに寄与し、世界各国・地域の研究者がナショナリズムをこえた相互理解の共通基盤に立てるよう、努めなければいけません。これらをふまえ、国際化に対応した新時代の研究者を育成しています。専門性の高度化につながる明確な目標設定京都大学の文学部では、思想、言語、文学、歴史、行動、現代文化、それぞれの学術体系を習得することにより、人間の諸活動を原理的に解明することをめざします。あわせて絶えず変化する環境下、これらの学問がもつ価値を問い直す研究者としての専門性の高度化をめざし、次の学習目標を設定しています。教養教育の土台に専修の学びを積み重ねる4年間1年次 まずは1年間、教養教育を軸とする「全学共通科目」を主に履修します。年次進行にあわせ、学習分野は専門化していくため、この間に幅広い学問分野にふれておくことは、長期的にプラスです。あわせて2年次での学系選択、3年次での専修選択を意識し、それぞれに必要な外国語を学んでおくことが望まれます。2年次 次年度での専修選択に向けて、哲学基礎文化学、東洋文化学、西洋文化学、歴史基礎文化学、行動・環境文化学、基礎現代文化学、6学系のいずれかに仮分属します。あわせて各専修が開講する研究入門的な講義や基礎演習などを履修、2年次の秋に行う専修選択に備えます。3年次 本格的な専門教育が始まります。分属する各専修では講義の他、演習や特殊講義といった専門的な授業を履修します。そのなかには大学院生とともに学ぶ授業もあります。当初は大学院生の知に圧倒されることもありますが、彼等の学問を追究する真摯な姿勢から、研究者への道が見えてくるようです。また、文学部では諸外国語をふくむ文献講読を主とする授業が多い傾向にありますが、実験やフィールドワークを行う専修もあります。4年次 卒業論文の作成が学びの中心となります。自らテーマを定め、自ら資料を集めて分析し、自ら論文にまとめる過程は容易ではなく、辛苦を伴うこともあるでしょう。ただし辛苦を乗り越えた経験は、実社会においてきわめて有益であり、大学院に進学する学生にとっては、卒業論文の作成が研究者の道を行く第一歩となります。11文学部の特徴文学部が望む学生像

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