京都大学 大学案内 2024
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32医学を多角的に掘り下げる医学者・医療人を育成入学当初は教養教育を軸とする「全学共通科目」の履修が主体となります。並行して、医療人の素養を育む取組や研究マインドを育成するチャレンジが始まります。国際的に活躍する医学者・医療人を育成するために、外国人教員による英語での生物学授業も用意されています。なお、「全学共通科目」は3年次での履修も可能で、グローバルに活躍する人材を育成するために、医学科所属の外国人教員が担当する医学関連の英語セミナー(ILASセミナー)の履修を推奨しています。基礎医学の履修は、2年次途中から本格的になり、生命科学の深淵にふれる学習を、さまざまな面から掘り下げて深めていきます。同時に、京都大学では、多くの学生がさまざまな研究室で研究に参加しています。世界的な先進的研究を行っている研究室が多く、身をもって最新の医学研究を体験できる機会となっています。このため、早い時期から海外で研究を行う学生も少なくありません。最先端の医療を提供し、良医を育む場を育成京都大学医学部附属病院(京大病院)には、世界や日本の医学をリードする医師が数多くいます。また、近年は多くの新しい部門・設備も整えられています。例えば基礎医学との橋渡しとしての臨床研究センターが役割を果たし、いち早く患者さんに最先端の医療を届けています。また、地域の医療機関との連携により医療の効率を上げる地域医療ネットワークも機能しています。初期診療・救急医学の部門も整備され、多くの救急患者さんを助けています。京大病院には移植医療や、分子治療、あるいはiPS診療部など最先端の医療があり、世界の最前線を経験できます。がん専門病棟も整備され、診療・治療・教育の場として充実した施設です。的確な判断力と責任感、使命感を宿したリーダーを臨床医学は主に3年次後半から4年次の授業で学び、5・6年次では病院での実習を行っています。京都大学では、2014年度から新しい実習カリキュラムを導入し、単に医学知識を習得するだけではなく、臨床の現場に適応し、責任をもって診療できるリーダーとしての人材を育成することをめざし、参加型に重点をおいた実習を実施しています。実習は医学部附属病院だけでなく、学外の実習病院でも行われ、そこでは第一線で医療に携わる経験豊かな医師が臨床教授として学生教育にあたり、豊富な臨床経験に基づいた少人数教育が行われます。このような密度の濃い臨床教育を通じて、最新の医療とその発展に貢献できる人材育成を目指しています。医学のさらなる発展と未来を見つめて京都大学医学部医学科では、基礎医学研究者を育成するための道が種々用意されています。●基礎医学研究者育成プログラム 東京大学、大阪大学、名古屋大学、京都大学、4大学の合同で、長期的視点に立った基礎医学研究者の育成プログラムを開発すべく、医学分野における教育体制の強化と研究の活性化に取り組んでいます。1年次全員を対象としたプライマリーコースはカリキュラムに組み込まれており、アドバンスドコースでは選抜された学生20名程度を対象に、論文精読会や基礎医学セミナー、ラボ・ローテーションでの研究成果発表、短期海外留学や学会参加へのサポート、4大学合同リトリート、コンソーシアムを組む連携大学(福井大学・滋賀医科大学・神戸大学・京都大学)間でのリトリート・交流会を行っています。●ラボ・ローテーション 1年次後期から研究室をまわり、研究活動に参加します。ラボ・ローテーションを通じて医学研究のさまざまな分野と手法を広く見聞・体験しながら、研究者としての適性を判断し、性分にあった実験手法と研究分野を見いだすことを目的としています。●MD-PhDコース ラボ・ローテーション、ラボ配属を経て、医学研究者を目標に定めた学生が早期に研究の機会を得ることができるコースです。4年次修了時点で学部を休学して大学院博士課程へ進学、医学博士の学位(MD-PhD)を取得後、学部5年次に復学するコース(学部挿入型)と、学部を卒業後2年以内に大学院博士課程へ進学、最短3年で医学博士の学位(MD-PhD)を取得するコース(卒後進学型)があります。KYOTO UNIVERSITY GUIDE BOOK 2024基礎医学医学部附属病院まなびの紹介臨床医学基礎医学研究者の育成

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