京都大学 大学案内 2024
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48資源生物の有効利用に向けて多面的な研究に取り組む「資源生物科学科」は陸地や海洋に生育・生息する資源生物の生産性と品質の向上について、環境との調和をはかりつつ追求するための教育・研究を行っています。あわせて資源生物を対象に、外敵や病気から守る技術の開発、成育・生息に好ましい環境を持続的に保全する方策の探究、有用物質や遺伝子の有効な利用法の考察、これまで生産が見込めなかった劣悪な環境で育つ新品種の創出など、基礎から応用に至る研究を多面的に行っています。人々の生活に関連深い食料問題と環境問題に関する教育・研究を行う「食料・環境経済学科」では、私たちの生活に最も関連の深い食料問題と環境問題に関する教育・研究を行っています。また、これらの問題を国内だけでなく世界的な次元で捉え、途上国の貧困問題、人口問題、技術の開発普及、農林水産物の貿易問題が内包する食品安全性、さらに農山漁村の社会経済生活などに関する研究も進めています。その際、有限な地球環境資源の保全と両立する持続可能な資源循環型社会の在り方に関しても視野・視点を広げ、学際的かつ総合的に取り組んでいるのも「食料・環境経済学科」の特色です。生物資源の生産・加工・利用・保全を化学的・生物学的に探求する「応用生命科学科」は、微生物、植物、動物など生物の生命現象や機能を化学、生物学、生化学、物理学、生理学、分子生物学の立場から深く探求・理解すること(バイオサイエンス)をめざしています。さらにその成果を農・医薬品、食品、化成品をはじめとする生活に有益な物質の高度な生産や利用に応用する(バイオテクノロジー)ための教育と先端的な研究を進めています。森林の科学的な教育・研究により自然保護と豊かな社会の共存をめざす森林には樹木をはじめ、多様な動植物や菌類による生態系があり、私たちの生活に欠かせない木材や紙となる木質資源を供給すると同時に、災害防止や気候維持などの環境保全機能も担っています。「森林科学科」では、自然保護と豊かな社会との共存に向けて、森林とそのバイオマス資源を対象とする教育・研究を行っています。生態系、生物多様性、管理と生産、緑地工学、地球環境化学、材料工学、有機化学、分子生物学、細胞生物学、バイオマスエネルギー、社会科学的アプローチなど、多様な教育・研究テーマを用意しています。環境と調和した食料生産をはじめ豊かな21世紀社会の構築をめざす「地域環境工学科」は、環境と調和した効率的な食料生産、地球全域をふくむ環境・エネルギー問題の解決、環境共生型農村社会の創造をターゲットに工学的な技術をツールとする教育・研究を行っています。具体的には、水循環の制御による水資源の合理的な利用、農業水利施設の効率的な維持管理と更新、生態系と調和した水・土壌環境の実現、農村計画と住民主体の地域づくり、持続的食料生産に向けてのエネルギーの変換・利用、植物工場、精密農業、農畜水産業のロボット化および生物センシングなどが挙げられ、さまざまな研究をとおして豊かな21世紀社会を構築していきます。生命科学研究を基盤としてより良い食品を開発する「食品生物科学科」は、生化学、有機化学、物理化学および分子生物学を基盤とする生命科学の観点から教育・研究を行っています。〈食〉に関するさまざまな課題に対して科学的な解決法を提示できるように「実験科学」を重視し、①食品に関する最先端の研究を通じて生物・生命現象を解明すること、②生物・人間を深く研究して、人間にとってより良い食品を創製すること、③食品の効率的な生産に寄与する技術を開発することのできる人材を育成することをめざしています。KYOTO UNIVERSITY GUIDE BOOK 2024資源生物科学科食料・環境経済学科6学科の紹介応用生命科学科森林科学科地域環境工学科食品生物科学科

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