京都大学 大学案内 2024
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専攻 東南アジア地域研究専攻/アフリカ地域研究専攻/グローバル地域研究専攻対応する主な出身学部(一例) 総合人間学部/文学部/教育学部/法学部/理学部/医学部/農学部などコース 知能情報学/社会情報学/先端数理科学/数理工学/システム科学/通信情報システム/データ科学対応する主な出身学部(一例) 総合人間学部/文学部/経済学部/理学部/工学部/農学部など専攻 統合生命科学専攻/高次生命科学専攻対応する主な出身学部(一例) 総合人間学部/理学部/医学部/薬学部/工学部/農学部アジア・アフリカ地域を総合的に理解できる専門家を目指す皆さんへ 現在、世界では環境問題や南北問題など、人類が総力をあげて解決に当たらなければならない多くの問題が出現する一方で、世界各地で新たな民族主義や地域主義、自国優先主義が台頭しつつあります。それらが民族紛争、近代化と伝統文化との矛盾の激化としてあらわれているにもかかわらず、世界はいまだ地域と世界の共存のパラダイムを見いだしていません。 こういった諸問題は第三世界、なかでもアジア・アフリカ地域に顕著です。この地域は、低緯度熱帯地域で自生的な地域形成を遂げてきた歴史をもちますが、現在大きな転換点にさしかかっています。アジア・アフリAI、ICT、ビッグデータ、データサイエンス、数理 現在と約20年前を比較して、社会や生活における最も大きな違いは何でしょうか。おそらく、ほとんどの人がスマホとSNSを(かなりの時間)使用していることではないでしょうか。このように高度情報社会が予想を上回るペースで実現されました。情報は、産業や科学においても大きな変化を引き起こしています。現在、第4次産業革命が進行しているといわれています。様々な自然・社会現象やモノの生産・流通過程がデータ化され、人々の検索・購買・移動などの行動データとともに大規模に蓄積され、AIによる最適化が行われていま生命科学研究の知によって豊かな未来を拓く 1999年に日本初の「生命科学研究科」に集まったのは、理学・農学・医学・薬学・工学など異なる背景をもつ研究者達でした。「生命とは何か」の共通命題のもと、様々な生命現象を対象に、モデル生物や非モデル生物を用いて遺伝子・細胞レベルで研究を行ってきました。これまでに、染色体分配、細胞内シグナル伝達、染色体末端テロメア、植物における有性生殖、また、がん細胞の増殖制御などのテーマにおいて優れた成果を発信してきました。それまでの統合生命科学専攻と高次生命科学専攻に加え、2018年には放射線生物研究センターとカ地域の動向は、21世紀の世界秩序を左右する影響力を秘めているのです。 このような状況の中で、私たちは地球社会の構成員としての役割を果たすために、真に持続可能な地球社会の発展の方向性を打ち出し、アジア・アフリカ地域の自立と共存を可能にする新たな世界秩序の構築に向けて、社会的、学術的に貢献していかねばなりません。そのためには、既存の学問分野の枠組を超えた学際的・総合的な地域研究の推進が必要です。 このような社会的、学術的な要請に応えるために、本研究科では5年一貫制の博士課程のもとで、長期にわたるフィールドワークを根幹の方法とし、アジア・アフリカ地域の生態・社会・文化の相互関係を総合的に把握しうる地域研究・教育を推進します。同時に、国際す。また、科学における第4のパラダイムとして、データを集積してモデルを構築する方法論が、医学・薬学・工学・農学などの自然科学だけでなく、経済学や言語学などの人文・社会科学を含む様々な分野に適用されています。このように、情報は今や産業や科学の基盤となりつつあります。 このような情報の学際的な広がりを視野に入れて、情報学研究科は1998年に設置されました。AIやICTなどの基盤技術はもちろん、数理・データサイエンスなどの理論、社会や産業における実装など、広範な領域をカバーしています。大学院修士課程では毎年約200名もの学生を受け入れています。実際に、様々なバックグラウンド(出身学部・大学・国)の方が集まって、未来の生命動態研究センターを、2020年には産学協同講座を設置し、教育研究拠点の拡充と研究成果の社会実装を促進してきました。さらに、2023年にはゲノム情報や細胞内可視化情報などビッグデータを利用した生命情報ネットワークや、細胞外の栄養や物理環境の変動に応じた生命の生存戦略の理解に取り組むべく、生命動態研究センターを発展的に改組し、生命情報解析教育センター(CeLiSIS)を設立しました。英語で提供される科目のみで修了必要単位の修得も可能であり、海外派遣の補助や留学中の単位認定プログラム、海外協力などの仕事に実務的に対応できる人材の養成をも射程に入れており、必要に応じて修士学位を授与する制度を併用しています。情報社会を描きながら、熱心に学業や研究に取り組んでいます。そして修了後は、データサイエンティスト・AI人材・高度ICT人材などとして、情報通信分野に限らず様々な分野の企業や研究機関などで活躍しています。第14回京都大学優秀女性研究者奨励賞(学生部門)を受賞大学との同時配信講義など、世界レベルの先端的教育研究を推進しています。51大学院の紹介アジア・アフリカ地域研究研究科情報学研究科生命科学研究科

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