九州大学 GUIDE BOOK 2024
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院での主な役割であり,診断の入り口を担っています。 九州大学医学部保健学科検査技術科学専攻は1学年 30 名程度で比較的少人数で構成されています。1 年次は伊都キャンパスにて教養科目を履修し,様々な学部の人と接することができます。2年次からは馬出へとキャンパスを移し,専門的な内容の講義に入っていきます。検査専攻の最たる特徴として,あくまでも私の見解ですが,分野の範囲が多岐にわたるということでしょう。例えば血液の血球数を調べてみたり,寄生虫・病原微生物の同定をしてみたり,あるいは組織を調べがん細胞を発見したりという分野がある一方,人体を相手に超音波検査をしたり,脳や神経活動の検査をしたり,と技師にしかできない分野もあります…本当に挙げればキリがありません。また人間の身体はまるで宇宙のようだと形容されるように,医学分野は未開拓の部分がほとんどであり,日々あります。国際コースは創薬科学科特有のものであり,2年次に2週間,4年次に2か月間の海外研修がカリキュラムに組み込まれています。研修中は,先生や友人のいない新しい環境の中で生活しなければなりません。うまくいかないことも多く,今思い返してみても大変だったと思います。しかしそれ以上に,そこでの成功や反省は他では得ることのできない貴重な経験です。私自身,人間としても一薬学生として成長できたと思っています。薬学部内に国際コースを設けている大学は国内でも少なく,九州大学薬学部の大きな魅力の一つであると思います。また,薬学部といえば薬剤師というイメージが強いですが,九州大学では創薬科学科だけではなく,臨部に入学しました。 歯が健康で食べ物をしっかりと「噛んで」,「飲み込む」ということは,食べる楽しみを維持することであり,生きる活力となっています。そして,それは人生の楽しみの中でも特に大きな割合を占めています。歯科医師として,消化器・呼吸器の共通の入り口であり,多くの機能を担う「口腔」に専念して取り組み,口腔内の健康を守ることで,人々の健康と命を守っていきたいと思っています。そのために,高学年となった今では,歯科分野だけではなく医学分野も学びつつ,幼児期から老年期までの幅広い年齢層で起こりうる問題に目を向けながら学んでいます。 歯学部は他の学部より少人数で,6年間毎日一緒に授業を受け,休日も一緒遊びに行くように全体の仲も良い学部です。歯学部での勉強は試験も多く,図書館に籠る日も多くあり大変ですが,勉強も遊びも全力で,人生を豊かにしてくれる友人たちと出会えたことはかけがえのない宝物です。新たな発見に満ちあふれています。例えば,病名に"特発性"と付くものが多く存在しますが,これは原因不明の病気であるという意味です。しかし皆さんのなかで検査結果を分析する内にその病気に罹患する一定の規則性を見出す人がいるかも知れません。間違いなく皆さんも日を追うごとに医学の奥深さを実感し,将来への期待に胸が膨らむことでしょう。毎日が新鮮で退屈しない,それが検査技術科学専攻です。 病院キャンパスで過ごす日々は,親身にご指導くださる先生方に恵まれ,充実した環境設備で学ぶことができ,何より志高き仲間たちと出会えたことに大変幸せだと実感する毎日です。是非とも今後の医学分野の発展に大きく貢献できるよう,私たちと共に九州大学病院キャンパスで研鑽を深めませんか。床薬学科の学生も積極的に研究することができ,研究者の育成にも力を入れています。1学年80人程度の小さな学部である割に研究室のテーマは多彩であり,様々な最先端研究機器や技術,知識を共有し,お互い協力しながら創薬を目指せる環境が整っています。 たくさんの魅力が詰まったこの九州大学薬学部で,皆さんと共に成長していけることを心待ちにしております。 私は,歯学部の勉強の傍ら,教育学部の研究室と健康に関するプロジェクトを動かしたり,医学部生たちとチームで地域医療について研究し,イタリアまで現地調査に行ったりしていました。大学では自分の考え方や興味次第では色々なことが行えます。自分の得意なことや,興味を伸ばしつつ,楽しみながら勉強を進めてください。皆さんの努力が実を結び,ともに九州大学で学べる日を楽しみにしています。医学部 保健学科検査技術科学専攻3年百田 葵生理学分野 薬学府創薬科学専攻修士1年薬学部創薬科学科国際コース令和4年3月卒業古本 裕香歯学部歯学科6年土橋 朋永受験生の皆さんへ 医療職といっても医者・看護師以外にも様々な職種がありますが,その一躍を担っているのが臨床検査技師です。臨床検査技師はいわゆる検査の専門家です。血液検査、尿検査だけでなく,遺伝子解析,心臓超音波検査,脳波検査など病気を発見するために様々な検査が行われていますが,検査結果を出しそれを解析することが検査技師の病薬学部を目指す皆さんへ 私は,薬学部創薬科学科で国際コースに所属していました。薬学部には薬剤師を育てる「臨床薬学科」と研究者を育てる「創薬科学科」が先輩からのメッセージ 口の健康は心と体の原点であり,毎日のオーラルケアが健康な心身を維持するために重要な役割を担っているといえます。私は,より多くの人に,口の健康と心身の健康が密接につながっているということに気づいてもらえるような活動を行う歯科医師になりたい。そして,いつまでも健康でいられる人が一人でも多く増えるように予防歯科学の視点で研究していきたいと思い,九州大学歯学

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