九州大学 GUIDE BOOK 2024
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言語文化科目国際性と文化の多様性 言語文化科目は,外国語で目標の課題を達成することができる言語運用能力の習得を目指します。また,外国語の背景にある異文化に対する理解を深めながら,母語や自国の文化を相対化する力を養います。英語科目においてはより高度な運用能力を習得できるよう,リーディング,リスニング,ライティング,スピーキングの学習に加え,英語によるプレゼンテーションやディベートへとステップアップできる授業を設けています。また,ドイツ語,フランス語,中国語,ロシア語,韓国語,スペイン語などの初修外国語の授業では,初めて習う言語そのものの学習だけでなく,その言語の発想法や背景における文化を理解することで,思考の幅広さを涵養することを目標にしています。文系ディシプリン科目文系的思考に触れ,知的探求心を研ぎ澄まそう 文系ディシプリン科目は,文系の多くの学問分野のディシプリンを一通り体得できるように設計しています。哲学・思想,先史学,歴史学,文学・言語学,芸術学,社会学,地理学,文化人類学,心理学,教育学,法学,政治学,経済学,経済史の各入門編,The Law and Politics of International Society があります。 いろいろな学部のディシプリンを知り,多様な文系的思考に触れることで獲得した学問的教養は,すべての学生にとってアクティブラーナーとなるための骨太の基幹を作るとともに,他の学問分野の方法・視点・ものの見方によって,自らの学びを相対化することにつながります。 また,文系学生にとっては専門基礎科目として,豊かな教養に裏づけられた深い専門性を獲得するためのスタートアップになります。理系ディシプリン科目知ることの喜びと繋げることの重要性を感じよう 理系ディシプリン科目では,興味と問題意識を持ち,自ら考えることで,知っているだけではない本当に使える知識あるいは知識を使える力を育てることを目標としています。教養・専門基礎・リメディアルの3つを意識した科目を設けています。(1)教養としての自然科学(教養系) それぞれの科目が持つ学問領域の基礎的な素養を修得し,自らの生活や取り巻く環境との関わりを考えられるように授業内容を構成しています。理系専攻教育への積み上げのための基礎としてではなく,色々な自然科学科目を受講し,それらを自らつなげることで自然科学の素養を築いてもらうことを狙いとしています。(2)専門基礎としての自然科学(専門基礎系) 理系分野の専攻教育に連続的につながるものとして,着実な積み上げにより系統的に学習できるように授業を構成しています。学際性を意識して自然科学の基礎を幅広く学習することで,専門分野をより深く考えたり高めたりすることも期待します。また,自然現象を研究し理解するためには,実験的手法は欠かせないものです。そこで,全理系学部・学科に共通した内容の自然科学総合実験を提供しています。そこでは,物理学・地球科学・化学・生物科学の各分野にわたり,それぞれのテーマに沿った観察・実験を行い,結果をレポートとしてまとめることを通して実験的手法を学びます。(3)リメディアルからはじめる自然科学(リメディアル系) 物理,生物について高校で授業を受けなかったことや受験科目として選択していなかったことで生じる基礎的知識が不充分な部分や十分に整理されていない部分を補足して,専門分野へつなげられるようにするための科目を設けています。理系専攻教育へのスムーズな発展を狙いとしています。※ディシプリン科目とは,特定専門分野の基礎力と専門的な研究の核となる能力を身につけると同時にまた幅広く諸学問を学ぶための土台を築くことを目的とした科目です。サイバーセキュリティ科目Society 5.0サイバー空間への安全な扉を開く インターネットや ICT 技術の普及によって,新たにSociety 5.0が着目され,期待されています。Society 5.0の領域は,コンピュータをインターネットに接続している空間のみに留まらず,パソコンを持ち運んでいる時,あるいは銀行オンラインシステムを利用している時などを含めた,全ての人間が関わるサイバー空間全体であり,進化,発展し続けています。Society 5.0の成功のキーはサイバー空間におけるセキュリティです。本講義では,サイバーセキュリティに関する基礎的な技術から法律,倫理まで幅広く学び,この新しいSociety 5.0への安全な第一歩を踏み出すことを目的とします。健康・スポーツ科目健全な心身を磨く 健康・スポーツ科目では,心身ともに健やかな人材の育成を目的とします。そのために,主に身体運動やスポーツを媒介として,生活の基本となる健康・体力およびそれらを高めるための方法に関する正しい知識を獲得すること,ならびに様々な社会的要求に応えるために必要とされる心理社会的能力,いわゆるライフスキルを習得・向上させることを目標とします。 各科目は,年次進行に伴って,これらの知識やスキルが段階的に向上していくように配置しています。これらの科目の履修により,自律的な健康行動に結びつくような運動スキルあるいはライフスキルの更なる向上を図ること,また,健康・運動・スポーツ科学にかかる理解を一層深めることができます。総合科目より広い知識の大海原へ 総合科目は,文系から理系,純粋から応用にわたる幅広いテーマと多種多様な授業形態(講義形式,演習形式,セミナー形式,集中講義形式,フィールド形式など)をもつ授業科目からなります。主体的に課題を発見し探求して新たな知を深化・創造していく場であり,そして異分野の人との交流による知の創造・進展の場です。九州大学の教員が自主的に開講する授業に加え,QRECや各研究機関,他大学と連携して行われる授業もあります。授業を通じて得られる多様な知識の修得,知識に至る考え方の過程の経験や他者との交流から得られる創造的・批判的な思考の方法の涵養を目標としています。高年次基幹教育科目より深いアクティブ・ラーナーへ 高年次基幹教育科目はすべての2年生以上を対象に各キャンパスで開講されます。それらは,専攻教育の学修による知識の深化を背景として生まれてくる,より多様で幅広い教養への興味,専門性の一歩先にある有用な知識やスキルに対するニーズを満たす科目からなります。専門性を契機として生まれるアクティブな学びの広がりと深まりを促すことを目標としています。

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