九州大学 GUIDE BOOK 2024
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❶知識・技能:高等学校等における基礎的教科・科目の履修を通して獲得される知識・技能。日頃から新聞などを読み,国内外の多様な問題について知識と関心を有していることが望ましい。❷思考力・判断力・表現力等の能力:多面的に考え,客観的に批判し,自分の言葉で人に伝える資質。豊富な読書経験を有し,友人などとのディスカッション能力や比較的長い文章の作成能力に長けていることが望ましい。2思考力・判断力・に即してより広い視野から,より高い専門性に向けて発展させる「展開科目」の履修に繋げていきます。 法学部では少人数教育に特に力を入れています。2年生の法政基礎演習に続き,3年生からは演習科目(全員必修のゼミナール)や外書講読科目が開講されます。教員ごとに特色のある多彩なゼミナールの場では,学生自身の関心に即したテーマで研究・発表を行い,議論を重ねていく中で,教員・学生相互の人間的な連携を深め,主体性をもって自ら問い,論理的に思考し,表現する力を養います。研究成果をゼミ論文にまとめて提出させるゼミも多く,法学部教育の総決算的役割を果たしています。 このように,法学部のカリキュラムに沿って5つの分野を横断する系統的学修に取り組めば,法学・政治学の専門知識・技能に裏打ちされた問題分析能力・問題解決能力・構想力を着実に培うことができるでしょう。 さらに,GV(Global Vantage)プログラムでは,大学院法学府LL.M. プログラムへの進学に必要とされる英語力及び国際ビジネス法の基礎知識を修得できるように,通常の法学部のカリキュラムに加えて英語力を涵養するための少人数指導の授業を提供するほか,留学機会も提供しています。 また,2019年度以降の入学者を対象として「法科大学院連携プログラム」も始まっています。これは,法科大学院進学希望者に法科大学院教育との接続を考えた体系的な教育を行うもので,いわゆる「法曹コース」として各大学に置かれている仕組みに相当し,一定の要件をみたせば法学部を3年で卒業することもできます。教育指導体制 法学部のカリキュラムは,基礎から応用へ,伝統的なものから先端的なものへと,習熟度を考慮してバランスよく配置されています。講義を担当する教員も多彩で,それぞれの専門分野で主導的役割を果たしている教授陣を始め,世界各国から招聘された外国人教員の担当する講義・ゼミナールでは,日本の法や政治を先端的・国際的な視点から捉え直す機会が豊富に提供されています。また,中央官庁や地方公共団体,民間企業・国際機関で実務経験を積んだ実務家教員が担当する講義等からは,現実社会の変容や実務と理論を架橋する必要性を多面的に学ぶことができます。 修学支援体制については,学年の節目ごとにそれぞれの学年に応じた全体ガイダンスを開催し,履修上の注意点について詳しく説明しています。修学上の悩みを抱えた学生や単位修得の進んでいない学生には,4月と9月に一斉修学相談の機会を設け,教員との個別面接で対応しています。また,ゼミナール等には,学生と世代の近い大学院生や助教らがチューターとして参加しており,気さくに修学上の問題,学生生活に関する質問・相談に応じています。ゼミナール単位でのスポーツ活動,合宿研修,他大学との合同ゼミ,旅行等も盛んに行われており,学生合宿研修等への法学部支援も充実しています。また,学生の自学自習や課外活動の場として,参考図書や日刊紙を配した法学部情報サロンが整備されています。海外留学や留学生との交流,卒業後のキャリア・デザインを担当する専門スタッフも常駐しています。このように法学部は,入学から卒業まで,学生のニーズを包括的にサポートする体制を整えています。 法学部は西日本における法学・政治学研究のセンターとしても重要な役割を果たしています。中央図書館には図書約240万冊,および5,000種を越える内外の雑誌が所蔵されていますが,法学・政治学に関連する図書についても,多数の貴重書を含む約40万冊以上が所蔵されており,こうした法学・政治学関連の豊富な図書・資料を利用して学修を進めることができます。卒業要件及び成績評価 卒業に必要な128単位のうち,法学部専攻教育に関する科目として80単位以上の修得が必要です。成績評価は,S,A,B,Cまでが合格,Fが不合格です。必要単位を満たし卒業認定されると,学士(法学)の学位が授与されます。なお,法学部に3年以上在学した者で,所定単位を優秀な成績で修得したものは,4年未満の在学であっても卒業者として認められることがあります。 世の中のあらゆる問題は法により紀律されている。そのような,法の支配する社会において,法学を学んだ者の存在価値は極めて高い。法学部では,将来どのような進路を目指すとも(法学部卒業生の多くが民間企業に就職したり国家公務員・地方公務員になっており,必ずしも法曹を目指す学生ばかりではない),法学を学んだことによって社会のさまざまな課題を発見し,それを分析し,それを解決するための方途を見出す能力を有し,したがって社会に役立つ人材を育てることを目指していることから,法学部を志望する学生には,法学・政治学を専門的に学ぶための前提として,現代社会の諸問題への関心はもとより,歴史・科学・文化・外国語などの基礎教養に裏打ちされた広い視野をもって勉学に取り組む意欲,自己の問題関心に即して主体的に学ぶ姿勢が期待される。具体的には,❶歴史や社会問題に関心を持ち,解決すべき課題を自分で発見する力❷必要な情報を各方面から収集する技能❸情報の分析・加工を通じて自分なりの視点・意見を作り上げようとする意欲❹それを他者の前でわかりやすく,論理的・説得的に説明する力❺他者との議論を通じて意見や価値観の多様性を学び,自己反省の機会を持って柔軟に修正案・改善案を見つける姿勢❻法的知識と語学力を身に着けてグローバルな舞台で活躍しようとする意欲の6つである。 法学部は,学生の持つこれらの潜在能力を伸ばし,将来への確かな地歩を築く場を提供することを目指している。◆求める学生像と学力3要素との関連❸主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度:現代社会の諸問題への関心,多様性を尊重する態度,異なる考えに共感する寛容性。社会性や積極性に加え,自分と異なる他者への想像力を有し,異文化社会での実体験を有していることが望ましい。◆入学者選抜方法との関係 法学部では,教育目標の実現に必要な基礎能力の確認を主眼とし,同時に多様な学生を受け入れることができるよう,複数の選抜方法を採用している。1. 一般選抜(前期日程)では,主要科目全般の総合的な達成度を重視して,国語・数学・外国語の試験を課し,大学入学共通テストの成績および調査書の内容を併せて評価し,入学者を選抜する。2. 一般選抜(後期日程)では,主要科目全般の総合的な達成度の評価に加え,柔軟な理解力,的確な分析能力,論理的な表現能力等を測るために「教員の講義に関する理解度確認試験」を課す(2021年度以降)。この結果と,大学入学共通テストの成績,調査書の内容を併せて評価し,入学者を選抜する。3. 総合型選抜では,主要科目全般の総合的な達成度に加えて英語能力を重視し,英語試験及び日本語と英語による面接試験を課し,大学入学共通テスト及び英語能力試験の成績,調査書,志望理由書の内容を併せて評価し,入学者を選抜する。4. 以上のほかに,帰国生徒や私費外国人留学生を対象とする特別の選抜も実施している。前者については,基礎学力検査に加えて,面接を実施する。後者については,日本留学試験及び本学の日本語試験の成績に加えて,面接を実施する。◆入学者選抜方法一般選抜(前期)一般選抜(後期)総合型選抜大学入学共通テスト個別学力検査個別学力検査大学入学共通テスト理解度確認試験大学入学共通テスト英語能力試験英語能力試験英語試験個人面接英語試験調査書調査書調査書志望理由書個人面接3. アドミッションポリシー(入学者受入れの方針)◆求める学生像1知識・技能表現力等の能力3主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

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