九州大学 GUIDE BOOK 2024
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2思考力・判断力・5,6年生の臨床実習では主に九大病院の各臨床診療科に1週間から4週間配置され,指導教員の指導の下で,実際に患者さんを診察し病気を学んで行くものです。特に6年次では,医師としての仕上げを行うために,引き続き選択制の研究室配属や臨床実習があります。このプログラムではそれぞれ与えられた研究テーマに沿って基礎あるいは臨床の場で進められている研究の実際を勉強します。あるいは,学内の診療科や学外や海外の病院を4週間ずつ選択し,5年生の時よりさらに実践的な臨床医学を学びます。その後,社会医学を再び勉強します。卒業試験に合格すると医学部卒業の要件を満たします。4年生終了時に臨床実習を選ばず,大学院博士課程の1年次への編入を選択することも可能です。これは別名MD-PhD コースとも言われ,一足先に研究者への道を踏み出すことを希望する学生向けに設けられています。平成16年度から,医師として働くためには2年間の臨床研修を受けることが義務化されました。プライマリケアを中心に幅広く医師として必要な診療能力を身につけ,人格を涵養する研修であることが求められています。九州大学病院は関連施設と協力して,しっかりとした研修教育体制を整備しており,学生臨床教育においても,医療の幅広い視点が身につけられるような教育を行っています。教育指導体制医学部の使命は,社会に役立つ立派な医師の育成,人間の生命現象に関係し,人類の健康と幸せの為に役立つ研究,それに加えて最先端の技術と知識を使って癌,エイズなどの難病の診断と治療を行うことにあります。そのために教務委員会で,常にカリキュラムの問題点を見直しながら,時代に即した教育を目指しています。平成16年度から学生の自学自習を支援するためにコンピュータサーバー上に教材を掲示するWeb 学習システムを導入しています。また,他学部との複合領域の研究,例えば医工連携の学習の機会もあります。平成13年3月の医学・医療の在り方に関する調査研究協力者会議報告として「21世紀における医学・歯学教育の改善方策について」がまとめられ,医学教育のために精選された統合型の医学教育モデル・コア・カリキュラムが提唱されました。このモデル・コア・カリキュラムは,医学教育の根幹となるべき部分を提唱したものであり,本学科ではこのカリキュラム,特に臨床前教育の章を参考にしながらも,九州大学独自の特徴を持つ医学教育を進めています。生命倫理に関する教育は,生命,特に人の生命を直接対象とする医学研究者,医療人の育成において不可欠のものです。生命倫理に関する基本的・普遍的な考え方を体系的に学べるようカリキュラムを編成しています。医学科では以下の学生を求める。医師の仕事は,非常に幅広く,基礎の研究者から臨床医まで選択肢も多い中で,最も大切なことは弱い立場の患者さんの味方となり,病気に苦しんでいる患者さんを助けることである。単に受験学力が高いから医学部に入学するのではなく,医師としてあるいは医科学分野の研究者として活躍するに十分な能力と素質をもち,明確な目的意識をもった学生を望んでいる。人間で最も大切なことは,「生きがいを持ち人間らしく生きること」である。命に直接関係するような病気を持っている患者さんは,ややもすると,この「生きがい」をなくし,生きる喜び,生きる目標を失っている。このような人達に優しい救いの手をさしのべることができる人間味あふれる学生を求めている。◆求める学生像と学力3要素との関連❶知識・技能:高等学校などにおける基礎的教科・科目の履修を通して獲得される知識・技能。加えて,医学・医療における知識・技能の習得ができる基礎的な能力。❷思考力・判断力・表現力などの能力:多面的に考え,客観的に批判し,自分の言葉で人に伝える資質。医学知識を習得し,臨床に応用するために努力を惜しまない姿勢。❸主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度:医師としてあるいは医科学分野の研究者として活躍することへの強い関心,多様性を尊重する態度,異なる考えに共感する姿勢。多職種と協働して医療を提供しようという意欲。患者・家族から求められている医療を真摯に提供一般選抜(前期)しようとする意欲。新しい医学を創造・発展しようとする意欲。◆入学者選抜方法医学部生命科学科では,ヒトならびに様々なモデル動物を対象とした次世代の生命医科学研究と医学教育を担う人材を育成し,世界に向けて輩出することを目標としています。そのために,本学科では多様な生命活動とその分子メカニズムに興味を持ち,未知の領域を探求する旺盛な好奇心と柔軟な思考力をもつ学生を歓迎します。同時に,国際的に活躍するには高い語学力が求められます。研究のみならず語学力の向上に向け,意欲的に取り組む学生を歓迎します。医学部生命科学科に入学した学生は,生物学と医学の幅広い基礎的知識を修得することが求められます。その後に,生命医科学の最新の知識の修得を可能とするプログラムが準備されています。このような教育プログラムによって「幅広い知識と高度な専門的能力を備えた人材」,「課題発掘ならびに問題解決能力を備えた人材」,「生命医科学の研究分野でリーダーシップを発揮できる人材」,「国際的視野に立ち基礎医学教育を担う人材」を育成したいと考えています。生命科学科では,2年次において生物学や医学の基礎知識を修得するとともに,種々の実習科目において基本的な実験操作を修得します。さらに,高年次においては分子細胞生物学,高次機能制御学,生体情報科学,臨床医学等の講義(下記を参照のこと) を通じ,最新の研究に関する知識を修得します。また,3年次の早期研究室体験ならびに4年次の卒業論文研究では,希望する研究室に在籍し,教員の指導のもとに研究を開始します。卒業論文研究では,学生一人ひとりにテーマを設定し,卒業論文を作成しますが,この過程で研究を行う上で必要な基礎的能力を身につけます。国際的に活躍する人材を養成するためには,高い英語力が不可欠です。そこで,英語教育を重視したカリキュラムを準備しています。英語論文の読解だけでなく,コミュニケーション能力の修得に向け,外国人教員による講義を行います。1. 分子細胞生物学: 生化学,細胞生物学,ゲノム医科学,構造生物学,微2. 高次機能制御学: 免疫学,分子薬理学,脳・神経機能学,分子病理学,予防医学,分子疫学,発生再生医学,遺伝子・細胞療法学3. 生体情報科学: 情報生物学,遺伝情報解析学4. 臨 床 医 学: 脳神経・運動器概論,循環器概論,呼吸器・造血器概論,腎・泌尿生殖器概論,周産期・成長発達医学概論,アレルギー・膠原病・感染症概論,消化器概論,心医学・精神医学概論,内分泌・代謝・老化概論,感覚器・皮膚概論教育指導体制生命科学科ならびに医学科教員が本学科の教育プログラム全般を担当します。また,必要に応じて学内の他学部の教員や他大学の教員が本学科の教育に参加します。各学年には担任を置き,個々の学生からの相談に対応します。生物学3. アドミッションポリシー(入学者受入れの方針)◆求める学生像1. 教育理念教育理念(教育理念・目標,育成する人材等)2. 教育プログラム教育プログラムの特色・内容1知識・技能表現力等の能力3大学入学共通テスト個別学力検査個別学力検査個別面接主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度調査書志願理由書個別面接アドミッションポリシーAdmissions Policy【生命科学科】

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