名古屋大学 オープンキャンパス2017 ガイドブック
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9① 学部、学科等の選択についてQ.同じ理系でも工学部と理学部では、どこが違うのでしょうか?A.工学部と理学部はどちらも科学が基礎にあって、自然界の真理を探究すること、また、自然界の法則性を利用して人間社会の役に立てること、を目的にしている点で共通しています。自然の真理を探究するのは、現象を「分析する」知的活動です。これに対し、自然を利用して何かをなす、また世の中に役立つシステムを作るのは「総合する」知的活動です。どちらも重要なのですが、理学部ではどちらかというと分析的な知的活動、工学部ではどちらかというと総合的な知的活動に重きがおかれます。  自らの将来の職業として、産業界での研究・開発・設計・製造などを志望している諸君には、特に工学部の教育が適していると思われます。製造業の経営トップは多くが工学部の教育を受けています。また、工学部の多くの研究室では企業との共同研究も盛んに行われています。一方、宇宙や素粒子、数学の研究を志すならば理学部に進むのがよいでしょう。しかし、科学と社会の結びつきがますます重要になってきた現在、理学と工学の厳密な境界線を引くことは難しくなっており、協働する場も増えています。Q.工学部の化学と理学部の化学の違いを教えてください。A.手法そのものは似通ったものがあり、ベースになる基礎知識も同じでしょう。研究に対する取り組みや姿勢が違うといえるかもしれません。理学部の化学は基礎的な発見化学をベースにしており、工学部の化学はニーズに対応した問題解決型を志向していると大まかには考えられると思います。Q.工学部の電気電子情報工学科と情報学部のコンピュータ科学科の違いは何?A.電気電子情報工学科では、まず工学の基礎(数学、物理・化学)を学び、その上に専門(電気、電子、情報・通信)を学びます。様々な工学的な問題を理解・解決し、新しい価値を生み出す力を身に付けることを目指します。コンピュータ科学科では、まず情報学の基礎(情報の表現・数学・論理学)を学び、さらに専門ではコンピュータ科学全体を深く学びます。様々な情工報学的な問題を理解・解決し、新しい価値を生み出す力を身に付けることを目指します。Q.工学部の生物ではどんな研究ができますか?A.医学部でも理学部でも農学部でも、生物を研究することはできます。しかし、工学的なものづくりのセンスで社会と関わる研究活動は、工学部が得意とするところです。我々のからだの機能を化学的に解明して、工学的(私たちの暮らしに役に立つ製品の開発、産業の発展や地球環境の改善など)に応用するという考え方は、非常に重要です。そこから例えば、生体情報を計測する新しい分析診断装置の開発や新薬開発につながる技術、あるいは新しい物質生産方法の開発が可能になります。Q.最近は「リケジョ」という言葉も広まってきましたが、現在どれくらいの女子学生がいますか?A.工学系の学部・大学院で女子学生が少ないのは日本全体の傾向ですが、その割合、絶対数は年を追って増加しています。本学の平成元年と平成29年度を比較すると、学部生では2%から9.6%に、大学院博士課程前期(修士)課程では2%から8.0%に、後期(博士)課程では4.3%から12.5%に増加しています。また就職については、最近いくつかの企業で、積極的に女性を採用する傾向にあります。② 進学、就職についてQ.大学院への進学の状況はどうなっていますか?A.現在、工学部では多くの学生(85%以上)が大学院に進学しています。大学院の博士前期課程(2年間)を修了してから企業に就職する者、さらに博士後期課程を経て博士号を取得後、企業・大学・諸研究機関に進む者(博士後期課程の就職率はほぼ100%)など、自らの研究分野を活かす多様な選択肢があります。[工  学  部 Q & A]

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