名古屋大学 オープンキャンパス2017 ガイドブック
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21① 理学部とはQ.理学部とはどういうところですか?A.自然はそのなかに美しい造形と精緻な仕組みを抱き、私たちがその扉を開くのを待っています。理学部にはこうした自然へのさまざまな扉が用意されています。そして、諸君がその扉を開く手助けをするために、熱心な教員とよく考えられた教育プログラム、そして十分な施設が用意されています。理学部は、野依、小林、益川、下村をはじめとする偉大な先輩を持ち、世界をリードする研究を進めています。② 学部・学科の選択についてQ.所属する学科はどのようにして決まるのですか?A.理学部では、1年次は学科に属さず、数学や理科の基礎科目、人文社会系科目や外国語などの教養を幅広く身につけます。そして、2年次から特定の学科(数理学科・物理学科・化学科・生命理学科・地球惑星科学科)に属し、主にそこでの専門教育を受けることになります。このようなやり方は、狭い専門に凝り固まった人材ではなく、総合的な視座から研究や社会をリードできる人材を育成するために、自然科学や人文科学の十分な素養がついた上で専門を選択するというlate specializationの考え方に基づいています。③ 入学試験についてQ.理学部の推薦入試について教えてください。A.理学部では前期日程の筆記試験による入試のほかに、センター試験、書類審査の成績、面接での評価により合格者を決める推薦入試(平成29年度入試では50名募集)が行われます。また、募集人員の一部は、センター試験と書類審査の成績で合格者が決まります。(詳しくは、名古屋大学募集要項を参照してください。)④ 教員免許についてQ.理学部ではどのような教員免許が取得できますか?A.本学部では、中学校及び高等学校の教員免許が取得できます。教科としては、数理学科が「数学」、物理・化学・生命理学・地球惑星科学科が「理科」になります。教員免許状を取得するためには、理学部で開講される教科に関する専門科目の他、全学で開講される教職に関する科目を履修する必要があります。⑤ 大学での授業についてQ.英語はどのくらい必要なのですか?A.自然科学分野では国際的な研究が多く、英語の論文を多数読んだり、外国人研究者と議論したりする機会が多くあります。英語をしっかりと身につけることが必要です。Q.理学部の授業の特色や高校の授業との違い等を教えてください。A.理学部では、2年次から各学科に分かれて専門分野の進んだ知識を習得します。4年次になると、各研究室に配属され、卒業研究を受講し、最先端の研究に取り組みます。各学科の特色は以下のようです。 ○ 数理学科:高校までの数学では、定理や公式を用いて与えられた問題を解く学習が中心であったと思います。数理学科の教育では、定理や公式の基礎にある概念や考え方が互いにどう関係して成り立つか、といった体系的な知識、論理的な考え方を学ぶことが中心になります。 ○ 物理学科:講義の他に、少人数による演習や数名で行う実験を通じ、物理の考え方や実験基礎を習得します。4年生で研究室に配属され、最先端の素粒子・宇宙・物性・生物を主題とする卒業研究を行います。これらの専門科目修得に関する相談コーナー(Café Quante)は好評です。物理学科の授業は、教員と学生が一丸となってより良いものを追究しています。 ○ 化 学 科:2年生では基礎的な知識を身につけるための通常の講義に加えて、少人数で先生を囲み、打ち解けた雰囲気のなかで化学の様々なテーマについてディスカッションする機会が設けられています。3年生では実験演習が始まり、化学に関連する様々な実験技術をじっくり時間をかけて習得します。 ○ 生命理学科:3年生までは、分子遺伝学、生物物理学、生理学、発生学、脳科学などの講義、他大学教員による集中講義、加えて、論文の輪読や発表の演習が行われます。また、午後は各分野に関する基礎実習が行われます。4年生の一年間は、いずれかの研究室に配属され、卒業研究を行います。 ○ 地球惑星科学科:地球惑星科学は、生物学、化学、物理学などの色々な面から総合的に地球や惑星の理解を目指します。地質や地球惑星科学関連の施設を見学するフィールドセミナーや実際に山地での地質調査や乗船しての海洋調査などの実習があります。⑥ 学生生活についてQ.講義の入っていない空き時間には何をしてすごしますか?A.友人と集まってレポートや演習問題について議論することが多くあります。理学部には学生が利用できるラウンジや図書館やカフェがあり、調べものをしながら議論するのは楽しいひと時です。近くには大学生協の書店や喫茶店、食堂もあり、気のおもむくままに自由な時間を過ごすことができます。⑦ 留学についてQ.在学中に留学はできますか?A.はい、できます。名古屋大学には交換留学プログラムがあり、在学中の海外留学を推進しています。名古屋大学は世界30カ国以上、約140校の大学と大学間協定を結んでおり、単位互換システムによって、海外の大学で取得した単位を名古屋大学の単位として振替えることもできます。学費は協定校のほとんどで免除され、名古屋大学の通常の学費納入のみで大丈夫です。また、名古屋大学では海外からの学生向けに全授業が英語で行われるグローバル30(G30)プログラムを実施しており、物理学科、化学科、生命理学科では一般の学生もその授業を履修し、英語で専門教育を受けることができます。⑧ 卒業後の就職・進路についてQ.先輩方の卒業後の就職や進路について教えてください。A.年度により又は学科により比率の違いはありますが、約70%は、より高度の研究を行うため、本学の大学院又は他大学の大学院へ進学します。そして、約25%は民間企業、公務員、教員等の就職者となっています。各学科の卒業者の主な就職先は以下のとおりです。 ○ 数理学科:ある程度大きな割合を占めているのは、銀行や保険会社というような金融関係の企業と高校などの教員です。 ○ 物理学科:機器開発、ソフトウェア会社、材料開発、コンピューター、バイオ、電子電気、通信、出版、銀行など、幅広い業種で活躍しています。 ○ 化 学 科:化学製品・製薬などのメーカーが主ですが、その他にも教員、公務員など広い範囲で活躍しています。 ○ 生命理学科:製薬・食品会社が多く、教職、出版、ジャーナリズム、金融、官公庁などに就職する学生もいます。 ○ 地球惑星科学科:資源・エネルギーや環境関係の会社や官公庁などの専門知識を活かせる就職先を中心として、行政公務員、教員、システムエンジニア、銀行員など多岐にわたる分野に就職しています。⑨ 大学院について Q.学部卒業後多くの学生が大学院に進学しますが、大学院ではどのようなことをしているのでしょうか?A.授業は学部より少なくなりますが、大学院ではより専門的な高度な講義やセミナーが開講されます。授業がない時間は、各人の研究テーマについての調査、実験、観測、シミュレーション計算、データ解析、討論、論文執筆などの研究活動を行います。[理  学  部 Q & A]理

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