新潟大学人文学部 CAMPUS GUIDE 2024
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子供のころから歴史に興味がありましたが、考古学では文献ではなくモノが対象となる、と高校生の頃に知りました。以来、考古学を学び、約2万年前の後期旧石器時代を中心として、過去の人類が作ったり使ったりしたモノ(石器)をもとに当時の生活を研究しています。石器の顕微鏡観察や科学分析など、一見すると人文学部とは思えないような手法が関わるのも考古学の魅力の一つです。実習ではフィールドワークの一環として発掘調査も実施しています。西洋の古代や中世を研究しています。今年の授業で取り上げているのは、古代エジプトの歴史・文化・神話、古代ギリシアの歴史・文化・神話、中世の英雄伝説(アーサー王、ローラン、エル・シッド他)、ケルト文化などです。古い時代の歴史や文化は、まだまだ謎が多く、新しい発見や研究方法によってそれまでの研究が大きく変わることがある、エキサイティングな分野です。この面白さを多くの学生諸君に伝えたいと願っています。今、ケータイによる人々のコミュニケーションと、ケータイが作り出す様々な文化と広告について研究しています。多くの人がケータイを持っていますが、その歴史はまだ浅く、逆に言えば、我々の日常生活や人とのつながり方を今まで以上に変えていく可能性を秘めています。最も身近にあるケータイを通して、広い世界や社会、文化を研究・考察していく道が皆さんの前に広がっているのです。共に進めることを願っています。考古学民俗学・博物館学メディア論ジェンダー論情報メディア論「自己責任」の名の下、格差や孤立が広がる今日において、私たちが「共生」し、助け合うことは困難になる一方です。人びとが集まれば自然に社会(助け合いの単位)が生まれるわけではありません。むしろ、課題を共有し、課題をともに解決する動きから共生の意識が生まれます。そうした共生の意識を生み出す場としての地域社会の可能性を追究するために、私は、防犯、防災、医療などのさまざまな分野で調査研究を行っています。今から800年ほど前、ユーラシア大陸の東西にまたがる巨大国家となったモンゴル帝国と、その建国者チンギス・ハンについて考古学から研究しています。なぜ強大な国が誕生したのか、チンギス・ハンとはどういう人物か、いまだ謎に包まれています。それは文字資料(史料)にウソや誇張が多いからです。そこで私は、彼の宮殿跡や武器工房跡を発掘し、出土した遺構や遺物など物質資料(モノ)から、その謎に実証的に迫っています。地域社会学日本中世史考古学文化人類学西欧政治思想史日本近現代史AOKI YosukeKAGAYA MariKOGA YutakaSUGIHARA NahokoTAKAHASHI HidekiNAKAMURA TakashiITO HirotakaKATAGIRI AkihikoSHIRAISHI NoriyukiSONODA KojiTAKAHASHI YasuhiroNAKAMURA Moto12青木 要祐(アオキ ヨウスケ)助教加賀谷真梨(カガヤ マリ)准教授民俗学の立場から、沖縄県八重山諸島で研究を行ってきました。なぜある島では現在まで数多くの祭りが簡略化されることなく執り行われているのだろう。別の島では体の弱い子どもに「親をつけた」ようだけど、それにはどのような意味があったのだろう。それぞれの島で出会う “驚き”と“疑問”を手がかりに、島社会の仕組みと人々の行為実践の背景にある考えを明らかにすべく研究を行っています。古賀 豊(コガ ユタカ)准教授メディア論を専門としています。近代以降の社会は、印刷、写真、映画、TV、コンピュータ、インターネットといった様々なメディアの登場により、それまでの社会と比べて大きな変容を遂げています。今日、その変容の速度はますます増加し、我々の生活のあり方そのものを変えてしまうかのようです。このような時代は、ある意味では、たいへん興味深く、面白いものです。現代という時代の意味を、皆さんといっしょに考えていきたいと思います。杉原 名穂子(スギハラ ナホコ)准教授家族社会学、教育社会学、ジェンダー論を専門としています。女性と男性でどのような違いがあるのか、進学先や就職先の決定、子どもの教育に家族が及ぼす影響について研究しています。家族のあり方や子どもの進路選択は地域によっても違いますが、新潟県と首都圏との違いに主に焦点をあてて調査を行っています。近年、格差社会ということが話題になっていますが、子どもや親が抱く希望や意欲のあり方についても注目しています。高橋 秀樹(タカハシ ヒデキ)教授西洋古代史・西洋古典学中村 隆志(ナカムラ タカシ)教授伊藤 嘉高(イトウ ヒロタカ)准教授片桐 昭彦(カタギリ アキヒコ)准教授日本中世史のなかでも戦国時代の権力と文書について研究しています。具体的には、上杉謙信や武田信玄などの印判状・感状・制札がどのように発給され機能したのか、またその意義を探ることにより地域権力の構造や特質を考えています。授業では、文書に限らず日記や年代記、金石文など様々な中世の文献史料を読み解くとともに、考古・地理・民俗学などの成果に学びフィールドワークも取り入れていこうと思っています。白石 典之(シライシ ノリユキ)教授園田 浩司(ソノダ コウジ)准教授アフリカ熱帯雨林に暮らすカメルーン狩猟採集社会バカBakaの人々を対象に、フィールドワークを行ってきました。狩猟採集社会は、老若男女問わず、みなが平等で対等な社会だと言われます。バカの子どもたちは、日常生活を通してそれをどのようにして学んでいるのか。それが私の問いです。文化人類学は、相手の視点に立って世界を捉えなおす学問です。ぜひ、世界の人々の様々な生き方に触れてみてください。高橋 康浩(タカハシ ヤスヒロ)准教授専門は西欧政治思想史、アメリカ思想史。キリスト教神学思想史にも関心があり、アメリカにおける宗教と政治の関係、現代民主主義の政治理論を中心にして研究をしています。演習においては、アメリカ史を舞台に上記のテーマや、戦争と平和といった政治外交史上のテーマ、人種問題などのアメリカ国内のテーマについても考察の対象にしていきたいと考えています。中村 元(ナカムラ モト)准教授日本近現代史の中でも特に都市史を専門としています。これまでは主として20世紀前半期の大都市周辺の都市における空間的・政治的・社会的変化の相互関係に注目し、近代日本における都市形成と「デモクラシー」の関係を研究してきました。今後は時間的には20世紀後半期、空間的には都市周辺の農村にも視野を広げつつ、人々の社会におけるリアルな在り方に即して日本近現代史の全体像を見通す方法について、皆さんと考えていきたいと思っています。

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