新潟大学人文学部 CAMPUS GUIDE 2024
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文学の読解は、いつも新しい発見があります。私は、高校で読んだ『竹取物語』や『羅生門』に魅力を感じ、大学でより専門的に学びたいと思っていました。そこで今年から、平安文学と近現代文学のゼミで学んでいます。ゼミの活動では、「自分なり」の解釈を示し、過去の多様な読み方に重ね合わせることができます。例えば、『羅生門』を脇役の老婆の立場で考察することで、高校時代には気付かなかった作品の新たな魅力が見えてきます。文学作品は、論じ方や視点によって読み方は無数です。よって、自由に私たちの考えを反映させることができます。みなさんも、自分の考えや思いを、文学作品を学ぶことを通して表現してみませんか? 文学の読解は、卒業後もずっと続けることができるので、みなさんの世界を豊かにしてくれると思います。私は中国語の研究を通して、その奥深さを強く感じたのはもちろんですが、逆に普段私たちが何気なく使っている日本語の特徴についても考えるようになりました。中国語も日本語も同じ漢字文化圏なので共通する点も多くありますが、私は両者の違いにこそ面白さを感じます。他言語同士を比較することで、個々の言語の特徴をより深く理解できるのだと思います。日本語を母語とする私たちが中国語を研究することが、かえって中国語特有の面白さの発見に繋がるかもしれません。私が中国語を学び始めたきっかけは、たくさんの人とお話ししたいからという単純なものでしたが、中国語を学んでみて初めて知ったものの見方や考え方もたくさんあります。新しい言語を学ぶことは新しい価値観に触れることでもあります。中国語を通して新たな世界をのぞいてみませんか。皆さんは英米文学を読んだことはあるでしょうか。シェイクスピアやヘミングウェイ、カズオ・イシグロなど有名な著者がたくさんいますが、英米文学のゼミではこのような作品を実際に原文で読み学んでいきます。高校までの英語とはひと味違い、テクストと一対一でひたむきに向き合うことで、原文でしか味わえない雰囲気や絶妙なニュアンスを感じることができます。実際に作品を読んでみるとその情報の濃さに驚かされます。花や虫が象徴する事柄、色の描写の意味、なぜあえてこの比喩表現を使うのか等々……必要のない文は一つもなく全てに意味があるのです。これらの表現を通して当時の文化、思想、風俗などを知り、頭の中に小説の世界を思い描く。教室に居たまま、さながらその世界へ旅する――これが文学の持つ素晴らしさの一つだと私は思っています。これを読んだあなたも英米文学の世界へ旅してみませんか。ドイツ言語文化で扱う範囲は幅広いです。例えば授業では、ゲーテ、カフカの小説やグリム童話、アドルノの思想などをドイツ語で読解したり、パウル・クレー、ゲルハルト・リヒターといった芸術家の作品を鑑賞したり、ドイツ語でセリフを書いて短編映画をつくったり…こんなに自由で楽しいプログラムがほかにあるでしょうか。私は高校の倫理の授業で多くのドイツ人哲学者に興味を持ったことがきっかけでしたが、知れば知るほどおもしろい人物・作品が山ほど登場して、ますますハマっています。また、文化を学ぶうえで基礎となるドイツ語の勉強が面白く、留学生との交流や留学といった、今現在のドイツと関わる機会もたくさんあります。興味を持った方がいれば、ぜひドイツ語やドイツ文化の授業を取ってみてください!20吉田 陽太英米文学3年大平 歩ドイツ言語文化学3年鎌田 晃太朗日本文学3年新野 まどか中国語学4年

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