新潟大学人文学部 CAMPUS GUIDE 2024
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株式会社ワオ・コーポレーション 能開センター青山校・小針中央校 及川 慶耀近現代に活躍した日本の小説家の多くがフランス文学に親しんでいたと知り、なぜだろうと考えたこと、これが仏文科に入った理由でした。大学では、語学力は勿論、多様な表現を分析的に解釈する力、自分の考えを効果的に伝える力を身に付けることができました。こうした力は、例えば私の仕事である学習塾の授業に即して言えば、どのように問いに答えればよいかを考えたり、解答への道筋を受講生に分かりやすく伝えたりする場面で発揮されると考えています。文学は虚学だと時々言われますが、私はこう反論します。文学が人間についての脈々たる研究の一部であるとすれば、ある問いについて自分なりに考えて答えを導くために、果ては自分の人生を鱈腹味わうために、文学は欠かせないもの、すなわち実学である、と。法務省 横浜保護観察所 石井 菜々子私は高校時代から心理学を学びたいと思っており、人文学部を選択しました。大学では認知心理学を中心に、教私は育学部の臨床心理学の講義なども受講し、様々な心理学を学ぶことができました。現在、心理学の専門知識を活育学かせる職業として、保護観察官という仕事に就いています。適正なアセスメントを行うことで、保護観察対象者が非かせ行に至ってしまった原因を明らかにし、どのように地域内で立ち直りを支援するか、再犯防止のためにどのようなサ行にポートが必要か考える上で、心理学の知見が役に立つと思います。4年間の大学生活を経て、卒業後も生かせるポー様々な知識を学べたこと、そして何より素敵な仲間や先生方と出会えたことが、大きな糧となりました。皆さんも人文様々学部で素敵な大学生活を送りませんか?学部国立研究開発法人 理化学研究所 山田 太朗世の中にはありきたりな言葉が溢れています。「普通」や「青春」、「流行」や「頑張り」など、僕たちの存在や経験は世のありきたりな言葉で表現されます。しかし、ありきたりな言葉で自身を表現し続けると、どこか自分が自分から離れていっありきてしまうような感覚に陥ってしまいます。そうしたありきたりな言葉たちから離れたところにある自分だけの言葉が、僕だてしまけのかけがえなさを形づくってくれました。この先の人生、僕という一人の人間として生きる時間の方が、大学生だっけのた期間より遥かに長いはずです。大学のあの部屋で過ごした日々で見つかった僕という人間にとってのかけがえなさた期が、例えそれが六等星ほどの微かな輝きだとしても、これからの人生という長い道を照らしてくれています。が、例仙台市歴史民俗資料館 学芸員 渡邉 直登皆さんは日々のくらしを営む中で、自分自身や周囲の人々が行っている行為にはどのような意味があるのだろうかと疑問に皆さん思うことはありませんか。幼少期から「死とは何か」という漠然とした疑問を抱いていた私は、大学に進学する頃には死その思うこものよりも、葬式や墓の建立、墓参りなど死者を葬り祀る行為とその意味に関心を抱くようになり、それが民俗学を専攻するものよきっかけとなりました。大学院修了後は仙台市歴史民俗資料館において、展示事業や資料の収集、調査研究、市民向きっかけ講座の講師など、さまざまな学芸業務に従事しています。新潟大学で民俗学を専攻したことによって得られた知識と経け講験を基礎とし、調査地を歩き回って行う観察と人々の語りから得られた地域の生活文化に関する知見を、展示や講座な験をどをとおして市民に伝え、その面白さ、魅力に気付いてもらえたとき、民俗学をとおした社会貢献ができていることを感じます。どをと新潟日報社 記者 笠原 萌志新潟県の新聞社、新潟日報社に入社し、新聞記者として働いています。ニュースを読者に届けるために、取材で新潟新潟県内を駆け回る毎日です。大学では日本近現代史を専攻していました。歴史を権力者の側から見るのではな新潟く、一般民衆の側から見ると新しい発見があると考え、特に「民衆史」に興味を持ちました。卒業論文ではハンセンく、一病療養所における、宗教の役割について研究しました。自身で問いを設定し、史料を基に考察を深めていくことは病療歴史学の醍醐味です。大学では先行研究を踏まえて、情報を整理することの重要性を学びました。記者の仕事も歴史似ています。準備で資料や過去記事を参考に、情報がどこまで公開されているのかを確認します。そして新しい情似て報を引き出すための質問を考えるという作業をしています。大学での学びが仕事に生きています。報を栃木県庁 高橋 明日香元々、中国の文化に興味があり、大学で中国語を始めました。隣の国、料理や芸術など、好きなものがたくさんあっ元々たからです。また、高校時代は漢文が得意だったため、中国文学を専門に選びました。卒業して仕事を始めてからたかも、大学でこの分野を専攻してよかったと思うことがありました。職場で興味を持ってくださった方が、意外にも、私がも、大大学で学んだ古典小説の日本語版を全部読んでくださり、「人間模様が結構描かれていて面白いね。」と感想を大学聞かせてくれたことは大きな喜びでした。電話相談窓口の方は、人の悩みを聞くために、考え方や生き方を色々な聞か本から学ぶそうです。そのような文学の活かし方もあるのだと気づきました。大学で学んだことは、いずれどこかで役に本か立つと思います。皆さんも興味のあることに進んで取り組んでみてほしいです。立つ24

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