新潟大学人文学部 CAMPUS GUIDE 2024
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ガザーリー(1111年没)を中心に、アラビア語の文献を読みながら、古典時代のイスラーム思想史、とくにスーフィズム(神秘主義)を研究しています。ガザーリーの「婚姻作法の書」を翻訳し、婚姻、女性、セクシュアリティーについてスーフィズムの視点から研究してきました。最近は、現代のイスラーム法学者の文献も分析し、古典時代から現代までのイスラームの女性問題および生命倫理の変遷を明らかにしたいと考えています。講義では、自尊心や魅力、恋愛や集団心理などが話題の中心です。身近な事柄なので、自らの経験と関連させて聴く学生さんも多いようです。人格心理学も教えています。こちらでは、性格についての様々な理論を話しています。専門家の考える性格は、一筋縄ではとらえきれませんが、そこから考え方の多様性を学んでほしいと思っています。研究テーマは自己概念の変動性です。入学して新しい「自己」を見つけましょう。比較文化史哲学・現代思想発達心理学社会心理学専門は西洋美術史です。美術史とは、必ずしも美術の歴史そのものを研究するとは限らず、美術作品を手掛かりに、当時の社会や人間の諸相の解明を目指す学問でもあります。私自身の研究領域は古代ギリシア美術です。当時の墓碑浮き彫りをはじめとする葬礼美術や、壺絵に描かれたギリシア神話、スポーツの図像などを通じて、当時の人々の価値観や規範概念について考えています。授業では西洋古代から現代に至る幅広い作品を扱います。うつや不安といった様々なこころの状態を作り出す脳のしくみを調べています。脳がどのようにそれらの気分を引き起こし、自ら調節しているのかといった基礎的な理解から、どのような場合にそれがうまく働かなるのか、治療を通して脳がどのように回復していくのかといった応用的な取り組みも行っています。人の精神的健康のメカニズムを脳から解明していく面白さを一緒に探しに行きましょう。認知哲学芸術表現論西洋美術史認知心理学神経心理学AOYAGI KaoruINOMATA KenjiOKAJIMA RyusukeKOBAYASHI MegumiNAKAJIMA YutakaFUKUSHIMA OsamuABE FukukoOTA KojiKAI YoshiakiTANAKA EmikoNIIMIRyosukeYOKOYAMA Satoshi07青柳 かおる(アオヤギ カオル)教授宗教学・イスラーム思想史猪俣 賢司(イノマタ ケンジ)准教授小さな真珠のような一首の歌の中に繰り広げられる煌めくような妖艶な世界や水底の月夜、それを可能とする巧みな修辞技法と美しい韻律、どのようにして『古今和歌集』でそれが実現されたのであろうか。比較詩学・比較文化史の視点から、西洋の古典詩学・ルネサンス詩学や中国の六朝詩学と日本の王朝歌学を比較研究してきました。ダンテ、ペトラルカ、謡曲からゴジラ映画まで、その表現原理と表現史を辿りながらも、屏風歌人である紀貫之の「むすぶ手」が映し出す泡沫の面影に心が慰められます。岡嶋 隆佑(オカジマ リュウスケ)准教授ベルクソンを中心としたフランス現代哲学が専門です。これまでは、時間や意識、知覚、記憶といったテーマを中心に研究をしてきました。今後は、差別感情やビデオ・ゲームの哲学などより応用的な主題にも取り組んでいく予定です。学生の皆さんには、哲学・倫理学の思想に触れることによって、与えられた課題をこなすのではなく、自ら問いを立てることができる力を養って欲しいと考えています。小林 恵(コバヤシ メグミ)准教授視覚認知、特に顔や身体からの他者認識の発達過程が主要な研究テーマです。生後数ヶ月の赤ちゃんから大学生を対象としており、視覚認知のさまざまな能力がいつ獲得されるのか、大人とどのように違うのかを研究しています。近年では学内外の共同研究者と協力して、発達障害児や早産児の視覚認知の解明にも取り組んでいます。私たちが何気なく見ている日常の世界を、赤ちゃんの目を通して見つめ直せるのがこの分野の魅力です。中嶋 豊(ナカジマ ユタカ)准教授応用・実験心理学主に眼の錯覚(錯視)について研究しています。錯視は見て面白いだけではなく、人間がどのように世界を知覚しているかを知る重要な手がかりなのです。また、今後身近になる技術(自動運転、拡張現実)に対して人間の知覚特性を最大限に生かすための応用研究も行なっています。このように研究対象は知覚に関する疑問から社会の問題まで幅広いです。心理学実験を通して、こうした疑問や問題に一緒に取り組んでいきましょう。福島 治(フクシマ オサム)教授阿部 ふく子(アベ フクコ)准教授哲学・西洋近代哲学デカルトの「我思う、ゆえに我あり」に始まる西洋近代哲学の根源的なテーマである「人が考えるとはどういうことか」について探究しています。古来より人間は理性的動物であると言われますが、その理性の能力の可能性や限界はどこにあるのか■などと理性の謎に迫ってみるのは、人間が自分自身を知る思考の旅のようでもあり面白いです。また哲学教育にも関心があり、多様な立場の人たちと身近な話題で哲学対話を実践したりしています。太田 紘史(オオタ コウジ)准教授心と行動をめぐる現代哲学の基礎的問題、とくに物理主義、意識経験、自由意志、道徳心理、道徳認識にまつわる問題を研究しています。論証とその分析を中心とする理論的研究を行っていますが、最近では実験心理学者とともに道徳的思考のメカニズムをターゲットとする経験的研究も行っています。講義やゼミでは参加者の主体的な学習と発表が重要になりますので、意欲あふれる学生さんをお待ちしています。甲斐 義明(カイ ヨシアキ)准教授専攻は近現代美術史で、その中でも特に、写真の歴史について研究を行ってきました。授業では日本写真史、20世紀美術史、ドキュメンタリー映画、イメージ論、絵本など視覚文化に関する幅広いトピックを取り上げています。少人数で行われる演習形式の授業では、他者が作った画像の分析方法を学ぶだけでなく、デジタルカメラや画像処理ソフトの使用を通して、「手を動かして」イメージについて考える機会を作ることを心掛けています。田中 咲子(タナカ エミコ)教授新美 亮輔(ニイミ リョウスケ)准教授認知心理学の研究をしています。主に視覚認知、周囲の物や状況を見て認識する物体認識・情景認識といった人間の知覚・認知の根幹となるメカニズムを調べています。たとえば、見る角度や表情や髪型が違っても同じ人の顔を同じ人と認識できるのはなぜでしょう? みんなに好まれる美しい見た目の物とそうでない物があるのはどうしてでしょうか? 人は目のみによって見るにあらず! 「見る」ことの奥深さと楽しさを追究してみませんか。横山 仁史(ヨコヤマ サトシ)助教

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