私が診療看護師(NP)を目指したのは、外科系の急性期病棟から地域包括ケア病棟へ異動となり、慢性的な疾患を複数もつ高齢の患者さんの複雑な症状に戸惑ったことがきっかけでした。医師へどう伝えれば患者さんの状態が伝わるのか、どうケアに繋げればいいのか、自分に足りないスキルは何か、自問自答することが増えていったことが大きな動機となりました。 学生時代は、講義だけでなく特に臨床実習で医学的な視点や判断から診療看護師(NP)として、看護ケアにつながる思考過程など多くのことを学びました。 現在は、病棟ー外来ー地域と組織横断的に活動し地域医療支援病院の診療看護師(NP)として、必要とされる特定行為だけでなく、重症性・緊急性の判断や初期対応、症状マネジメントを行っています。また、医療ニーズの高い患者さんであっても、患者さんやご家族と共有意思決定を行いながら、医療課題を整理しできるだけ生活に合わせシームレスな在宅療養移行支援が行えるように多職種と協働し活動しています。 これからも、診療看護師(NP)としての看護を深めていきたいと思っています。38 私は、本学学部生の頃に地域住民の家庭訪問を行う中で、地域で生活する住民の健康を守りたいと考え、保健師を目指しました。大学院では市町村や保健所の実習を通して、地域へ出て住民の声を直接聞くこと、既存データと住民の声の両方から地域のニーズについて把握し、課題解決に向けた事業や施策を立案する方法について学びました。 現在、由布保健部で感染症担当として結核患者や新型コロナウイルス感染症患者等への対応、及び難病対策に取り組んでいます。関わる事例は一つとして同じものはないのですが、対象者を支援する中で、共通の課題を見つけ、集団・地域への課題へと繋げていく力を少しずつ身につけることができており、大学院での学びを現場で実践できていると感じています。 今後も、大学院での経験を活かしつつ、先輩方から保健師として必要なスキルを学び、住民一人ひとりに寄り添った保健活動を行えるように日々努力していきたいです。臼杵市医師会立 コスモス病院(2017年度 NPコース修了)大分県中部保健所 由布保健部(2019年度 広域看護学コース修了)在宅療養移行支援を実現したい個々の事例から共通課題を発見し、集団・地域の課題解決につなげていく力上野 聖子さん上野 由紀さんMESSAGE大学院修了生からのメッセージ医療ニーズの高い患者さんのシームレスな
元のページ ../index.html#40