大阪市立大学 工学部 2018
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金属疲労のメカニズムを学際的に追究 磨耗・摩擦や腐食と並び、機械が壊れる要因である金属疲労のメカニズムについて研究しています。金属疲労の現象を力学的に検証するという従来の方法だけではなく、電子顕微鏡学や材料学など、他の学問領域の知見を活かしながら学際的にアプローチしているのが本研究室の特色のひとつです。例えば、材料の凹凸などを高倍率で観察できる走査型電子顕微鏡を用いて、表面の状態はもとより、材料を構成する各結晶の方位なども調べます。材料の強度は、隣り合う結晶間の角度差や各結晶のサイズなどによって大きく変わるので、これらを微視的に調べることで金属疲労のメカニズムを詳細に観察し、より強く、耐性の高い材料の開発につなげます。 また、私たちの研究室では、結晶内部で線状に起きる位置ずれに相当する転位とよばれる格子欠陥の様子を日本で初めて走査型電子顕微鏡を使って観察しました。このように、新しい観点から従来にはなかったさまざまな取り組みにチャレンジできるのも、当研究室の魅力です。材料を自ら作り、金属疲労の評価までを一貫して手がける 研究室では分析を行うだけではなく、対象となる材料を自分たちで一から作ります。材料を「溶かして、固める」わけですが、加工法によって結晶の細かさや結びつき方が変わり、さまざまな仮説を立てながら、より結晶密度の高い素材を安定的に作る方法を追究。そして、完成した材料を独自の制御プログラムを組んだ疲労試験機で負荷をかけ、金属疲労のメカニズムを探ります。素材を作るところから最終的な評価を行うところまでを手がけている研究室は全国的にも珍しCLOSE-UPFIELDS OF STUDY素材作りから評価までを一貫して行い、金属疲労のメカニズムを解き明かす。く、それらの工程に一貫して取り組むことで、より深く金属疲労についての知識も身につけられるでしょう。卒業後はメーカーの開発職に就く学生が多いですが、さまざまな分野の最新の知識や成果を融合させ、新しい見地から研究を進めた経験は、現場でも大いに活かされると思います。注目の研究INTERVIEW兼子 佳久教授材料機能工学4

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