大阪大学 GUIDEBOOK 2022
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 「チーム医療」という言葉を目にする機会が増えています。先進的な治療や患者の生活の質を維持するためには、医師以外にも多種多様なスキルを身につけた専門スタッフの存在が欠かせません。臨床検査技師の国家資格にも求められる「検査技術科学」の知見は、診察室の外にいながら、患者の体の異変を予知したり、がんなどの病を誰よりも早く発見したりするために、重要な役割を担っています。医学系研究科の保健学専攻長、三善教授に最先端の検査技術について話を伺いました。 検査技術科学の基本について、大阪大学公式サイトでは「人体の情報を正確に読み取り、これを分析して病気の発生を予知したり、病気の診断をしたり、治療法の効果判定、将来の状況の予測に役立てること」だと説明しています。 三善教授は大阪大学医学部の大学院に在籍していた頃から、とくに「糖鎖」の研究に深くかかわってきました。糖鎖とは、文字通り糖が鎖状に連なってできた物質で、体内ではたんぱく質などと結合します。細胞の種類によって結びつく糖鎖が違うため、病気が発生したことを検知するマーカーとして活用するなど、医学の分野で幅広く研究が進められています。 身近な例では、「ABO式」の血液型は赤血球表面の糖鎖によって判別されます。血液型糖鎖は赤血球以外の細胞にも存在PROFILE病気と深く関わる「糖鎖」診察室の外にいながら病気を発見~検査技術で高度医療を支える~三善 英知(みよし えいじ) 1986年大阪大学医学部医学科卒業、消化器内科を中心として臨床研修後、1990年から糖鎖に関する生化学的な基礎研究を始める。1994年同医学系研究科修了、医学博士。2000年に助教、2002年に准教授(保健学科)、ブラウン大学に短期留学後、2007年6月より現職。2015-16年と2020-21年に大阪大学医学部保健学科長。医学系研究科 教授 三善 英知8大阪大学の研究 ~知を拓く人、新たな探求と挑戦~

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